Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

NGT48はAKB48グループにおける特異点? デビュー作の特典映像全メンバー分から紐解く

リアルサウンド

17/5/9(火) 18:00

 AKB48が結成10周年を迎えた2015年に、新潟を拠点とするNGT48が新たに誕生した。HKT48結成以降、約4年ぶりの国内姉妹グループとなるNGT48は、1期生として初めて経験豊富なメンバーを所属させたグループである。AKB48から移籍してきた北原里英がキャプテンに就任し、柏木由紀もAKB48との兼任を続けている。

 2016年1月にNGT48劇場がオープンし、公演がスタート。同年、6月にHARD OFF ECOスタジアム新潟で開催された『AKB48 45thシングル選抜総選挙』でのコンサートにて、NGT48のメジャーデビューが発表された。

 NGT48は姉妹グループの中で、結成からデビューまで最も時間を要したグループでもある。デビューシングル『青春時計』は、お披露目から約1年8カ月後の4月12日に発売された。地域密着型を謳い、数多くの新潟企業とのコラボレーション、新潟でのレギュラー番組もテレビ、ラジオでスタート。満を持してのリリースは、まさに“機が熟した”といえる。オリコンでは週間CDシングルランキング1位、Billboard Japan Hot 100でも同じく「青春時計」が1位を獲得するなど、好調なスタートを切った。

NGT48『青春時計』MUSIC VIDEO / NGT48(公式)

 「青春時計」は背中にリボンを携え、妖精をイメージさせる衣装。結成時から一貫した赤白というこだわりには、新潟県の県鳥であるトキの存在を感じさせる。48グループにとって、デビュータイミングで制服以外の衣装を纏うのは、実は初の試みだ。また、表題曲の振り付けを担当したのは、水曜日のカンパネラなどを手がける竹森徳芳氏。春らしい歌詞が特徴の冒頭と末尾のラップ調パートも、デビュー曲としては異色といっていい。これらの、48らしさからいい意味で逸脱したクリエイティブにおける工夫は、シングルのType-A,B,Cに収録されているメンバー全員分の特典映像に最も現れている。

 “AKB48グループとして初の試み”であるメンバー全員分の特典映像は、乃木坂46や欅坂46といった“坂道シリーズ”では「個人PV」としてすでにお馴染み。「メンバー ×クリエイター」という形式で制作され、メンバーのパーソナリティーやクリエイターの世界観が投影された、プロモーション動画にとどまらない映像作品として認知されている。

 本稿では研究生を加えたNGT48メンバー26人(現在は水澤彩佳が卒業し25人)の特典映像を、Type-Aから収録順にレビューしていく。

Type-A

NGT48 大滝友梨亜 × DjHiRo Fantastic Motion

 「Code Y」と題された大滝友梨亜の映像は、ロボット工学の権威であり亡くなった父の残したロボットに、ある文字列を入力することでパスワード認証を解き、そのロボットを手にいれるという近未来型SF作品。本格的なロボットCGに度肝を抜くも、最後の「なめんじゃねぇぞ!」という叫びは、研究生としての彼女の本心にも聞こえてくる。

NGT48 大滝友梨亜 × DjHiRo Fantastic Motion

NGT48 荻野由佳 × 石井麻里

 荻野由佳の脳内で、天使と悪魔が自問自答を繰り返す「おぎゆかのあたまのなか」。美しいピアノの旋律と淡い青春映画のような映像の中で、話題はNGT48のトップから男性のタイプ、空腹、動物園に行きたいなど、賑やかに移り変わっていく。バイトAKBを経て、「ドラフト2期生」の即戦力としてグループに加入した荻野。「私に出来ることって何だろう?」という問いに、彼女は答えを見つける。「笑顔は伝染することを、グループのトップに立ち証明したい」と宣言する荻野の顔は晴れやかだ。

NGT48 荻野由佳 × 石井麻里

NGT48 小熊倫実 × 田中敦子

 小学生の頃より太鼓を経験していた小熊倫実は、『AKB48 ネ申テレビ』(ファミリー劇場)にてユニット「鼓童」とコラボレーションを果たしている。今回の個人映像では、地元新潟の萬代太鼓飛龍會と新潟民謡を演奏。力強く太鼓を叩くその堂々とした姿は、グループ最年少とは決して思えない。彼女の長所は、飲み込みの早さ。これから彼女がどのようなものに挑んでいくのか、と楽しみにさせる映像だ。

NGT48 小熊倫実 × 田中敦子

NGT48 柏木由紀 × フカツマサカズ

 コートを羽織り、サングラスをかけた柏木由紀がオープニングから颯爽と登場する、無声映像で構成された「ESCAPED GIRL」。エキゾチックかつファッショナブルな映像を手がけたのは、B’z、ONE OK ROCKなどの作品を担当してきた映像監督、フカツマサカズだ。ゴリラに扮したカメラマンに、妖艶な姿で撮影されていた柏木は、ひょんなことからマフィアの取引の現場に遭遇してしまう。ラストは、楽屋でくつろぐNGT48の制服を着た彼女が登場。クールに決める柏木と、あどけない姿の二つの彼女の姿を表している。NGT48加入により後輩メンバーに触れ、AKB48加入当時の初心を思い出したという、柏木の何ともユニークな映像作品である。

NGT48 柏木由紀 × フカツマサカズ

NGT48 加藤美南 × マムシの三男

 柏木の無声映像に対して、加藤美南の映像は“語り”だ。「私にとっては帰るべきところです」「新潟を広めるため」「先頭に立ちたい」。純粋無垢で真っ直ぐな瞳で語る、彼女の言葉は強い。AKB48のシングル選抜経験も持つ彼女の特技は、小学校3年生から始めたバトントワリング。バトンがあったから、今の自分があると彼女は語る。しかし、NGT48のパフォーマンスにバトンはない。彼女の今の目標は、バトンをやっていた頃の自分より輝き、AKB48を超えることだ。

NGT48 加藤美南 × マムシの三男

NGT48 角ゆりあ × 加藤マニ

 エレクトロポップ調のサウンドで角ゆりあが歌う「かどとまぼろし」は、一度聴いたら頭から離れない楽曲だ。“歌もの”の個人映像を手がけたのは、邦楽ロックバンドの映像作品を多く手がける加藤マニ。昨年の選抜総選挙のポスターに「笑うかどにはゆーりん来たる!」とキャッチコピーを掲げていた彼女。曲中では<消しゴムのかど><かどを曲がると>など、名字の“かど”を被せた歌詞が多数使われる。映像に何度も出てくる消しゴムも、「KADO」とデザインされているのが、ニヤリとさせる。

NGT48 角ゆりあ × 加藤マニ

NGT48 北原里英 × 佐藤亜美

 白い雪の上で、ふわりと舞踏する北原里英。雪の舞う新潟の街で、彼女は空を見上げ、遠い未来を見据えているかのようだ。監督はアイドルやアニメのMVを多く担当する佐藤亜美、音楽をTakeshi Iwamoto(QUATTRO)が手がけた。2008年にAKB48の5期生としてデビューした彼女は、SKE48との兼任、ユニットNot yetを経験し、2015年にNGT48に移籍した。「PRIME」という今回のタイトルは、現在の彼女の心情を表しているのだろうか。ラストに北原は、階段を駆け上がり、手を伸ばし、何かを掴もうとする。

NGT48 北原里英 × 佐藤亜美

NGT48 日下部愛菜 × 今泉 洋

 日下部愛菜の映像は、ローラースケートに挑戦する「ちょっぴりしょっぱいドキュメンタリー」。指導にDJ TAROを迎え、スケートを習うもなかなか上達はせず、彼女の横を小さな子供が悠々と通り過ぎていく。悔しさが溢れ、涙を見せる日下部。バイトAKBからのドラフト候補生を経て、NGT48に加入した彼女は、下積みを重ねてきた人物だ。結果として、劇場公演ではセンターのアンダーを任せられることも多い。失敗や挫折を経て、涙の分だけ彼女は強くなる。

NGT48 日下部愛菜 × 今泉 洋

Type-B

NGT48 佐藤杏樹 × 永野義弘

 佐藤杏樹の乗るバスが着いたのは、果てのない荒野。彷徨い歩く彼女は、自問自答を繰り返す。「今、私はどこにいるんだろう」「今、私は常に前進している、はず」、そう言い聞かせ、彼女は自分の速度を確かめる。「そろそろまとめに入ります」と宣言し、絶壁に立った彼女は「叫ぶと思った?」とメタ発言を飛ばす。劇場公演では、センターやMCを務めることも多い佐藤。「どうする? 15歳」と自身に問いかけるシーンがあるが、彼女はこの春で高校生になった。少女の物語は始まったばかりだ。

NGT48 佐藤杏樹 × 永野義弘

NGT48 菅原りこ × 中島 望

 「はじめまして。本日、転校してきた菅原りこです」。転校先の控え室で、同級生への初めの自己紹介をひたすら脳内プレイしていく。自己紹介を無難に終わらせたい彼女は、第一声のための咳払いのタイミング、手の甲に書いた部活動の「バドミントン」について如何に触れるか、と自意識過剰な心配、妄想が爆発する。実際の彼女は、MCではホームランを打つほどの不思議キャラだ。先生に呼ばれた彼女は、上手く教室で挨拶ができたのか。余白を残し終わる映像の続きは、実際の彼女へと投影できる。

NGT48 菅原りこ × 中島 望

NGT48 清司麗菜 ×宮川慶大

 AKB48「会いたかった」のリズムで、<せいじれいな>と歌い、自己紹介をしていく清司麗菜の個人映像。表現力に富む歌好き少女が、どのような人物かが一発で分かる映像だ。変顔、アクロバティック、体育、音楽が得意、ペットボトルを空にする。驚くべきは、替え歌ながら原曲からの韻の踏み方が絶妙なところだ。<誤魔化さず/素直になろう>は<ごま団子/トマト/アボガド>、<隙あらば隙を突いてこう/センターに私出そうよ>。<なんてこった/パンナコッタ/なんてこった/もう/れいにゃ>に至っては、普通に読んだだけでもどこの歌詞か分かるはず。

NGT48 清司麗菜 ×宮川慶大

NGT48 高倉萌香 ×高橋栄樹

 新潟市にある重要文化財、旧笹川家住宅にて撮影された高倉萌香の個人映像は、監督をAKB48グループのMVや映画作品を多く手がける高橋栄樹が担当。北原白秋の詩「曼珠沙華(ひがんばな)」が元となっている。彼女の特徴的なおかっぱ頭と童顔に着物、古い家屋と不気味な鈴の音が合わさると、身の毛もよだつ恐怖を覚える。「1歳の時の誕生日のことも覚えてて」と語り出す、高倉本人と「曼珠沙華」が少しずつリンクを見せ、物語が母の胎内で見た夢であることが告げられる。ドラマ『ひぐらしのなく頃に』(BSスカパー!)では、謎の少女を演じていた高倉だが、とらえどころのない彼女の不思議なオーラが、如何なく発揮された映像と言えよう。

NGT48 高倉萌香 ×高橋栄樹

NGT48 太野彩香 ×及川勝仁

 突如目覚めた太野彩香は、叫び声と共に再び過去へと戻る運命を繰り返すことになる。コンティニューを繰り返し、幾度も同じ場面をループする彼女。何度目かの平行世界で、彼女はカニの被り物を被った自身と対峙する。彼女が差し出した手紙に書かれていたのは、「がんばれ!」の文字。ミステリアスな世界観に、太野のニックネーム「アヤカニ」を上手く織り交ぜた映像作品だ。やがて、ループは終わり、彼女の運命は「STAGE2」へと歩みを進める。

NGT48 太野彩香 ×及川勝仁

NGT48 髙橋真生 × 関山雄太

 「mau」と名付けられた髙橋真生の個人映像は、メランコリックなサウンドに乗せ、モノクロの彼女を収めた作品だ。時折、羽が手のひらから舞うのは彼女の名前とかけたものだろう。映像を手がけたのは、ミツメやLUCKY TAPESといった気鋭バンドのMV、TOKYO ACOUSTIC SESSIONをはじめとした、映像制作・MV制作のディレクションにも携わる関山雄太。映像では、キャッチフレーズの“おしゃれ番長”と呼ばれる髙橋の、中学生離れしたスタイルとファッションセンス、大人びた顔つきが目立つ。モノクロで世界を表現することを貫き通しながら、画面越しに見える彼女の色彩までも想像させるのが見事だ。

NGT48 髙橋真生 × 関山雄太

NGT48 中井りか × 中村太洸

 「私、中井りかは恋に落ちています」。アイドルらしからぬ発言で始まる、グループのセンターを務める中井の個人映像は、一目惚れした彼への思いを巡る脳内裁判が舞台となる。裁判官、検察官、被告人、全ての登場人物が、中井りか。裁判が続き、彼との可能性が見え始めたある日、女性と一緒に歩く彼を目撃してしまう。脳内裁判での判決は失恋に。失恋懲役期間をもらい、当分はアイドルとして頑張っていくことを志した中井であったが……次の新しい彼を見つけるところで物語は終わりを迎える。SHOWROOMのランキングで1位を獲得し、“新潟の釣り師”の異名を持つ彼女が、いとも簡単に釣られるという、パロディー的作品であるが、映像の最後に見せる人懐っこい笑顔は、多くのファンの心を射止めてきた破壊力を持ち合わせている。

NGT48 中井りか × 中村太洸

NGT48 中村歩加 × 森 翔太

 キャッチフレーズに「あゆたろうの笑顔は世界を救う」を持つ、中村歩加の個人映像は「クイズ あゆたろう」。東京別視点ガイド代表の松澤と共に、東京の珍スポットを巡っていく。画面の隅にガイドとして現れるのが、副音声的役割を務める新潟米のコメ次郎、コメ代。特大サイズの飲み物が出てくるカフェ、ピンクに塗りたくられた朝倉画廊、鳥のカフェ。四択形式のクイズを挟みながら、ラストは東京の裏工作サークルへ。アバンギャルドな工作が並ぶ中、締めの一言に中村は「笑顔で世界を救える気がします」とコメントする。しかし、最後の最後でなぜか地球が爆発。とことん、アバンギャルドな映像作品だ。

NGT48 中村歩加 × 森 翔太

Type-C

NGT48 奈良未遥 × 米山三郎

 キャッチフレーズをそのまま個人映像のタイトルに用いた、奈良未遥の「ぴよっとあなたのハートにワープ」。彼女の写真によるスライドショーをメインに構成された映像は、並木通りを抜け、満開の桜が描かれたトンネルへ。彼女が走り出すと渋谷、そしてNGT48劇場へと“ワープ”する。スタッフロールが流れるエンディングでは、ぴよぴよと彼女の鼻歌が聴こえてくる。ひよこのイラストと共に書かれているのは、「研究生の中でもてっぺんへ!」という思い。北原里英のアンダーを任されることも多い彼女は、今回のシングル収録曲「下の名で呼べたのは・・・」でセンターを務めている。

NGT48 奈良未遥 × 米山三郎

NGT48 西潟茉莉奈 × TAKUYA UCHIYAMA

 西潟茉莉奈は、荻野と同じくバイトAKBを経て、ドラフト2期生としてNGT48に1位指名を受けた。彼女の個人映像は「私。」について語られる。「歌うこと、踊ること、演技をすること、有名になること」、今しかできないことを挙げた彼女は「自分の可能性を試してみたい」とつぶやく。「家族と離れる寂しさ、友達と離れ離れになる辛さがあったけど、それ以上にNGT48に夢を求めて私は旅立った」、そう語る彼女は、大人メンバーとして北原からの信頼も厚く、後輩からも慕われている。

NGT48 西潟茉莉奈 × TAKUYA UCHIYAMA

NGT48 西村菜那子 × 濱田禮徳

 箱根駅伝のスタート地点である大手町駅から、1区間を歩きながら自分を省みる西村菜那子の個人映像。荻野、西潟と同じく、第2回ドラフト最終候補者だった彼女。舞台に立つことが好きな西村が見つけた道が、NGT48だった。東京駅を通り、東京タワーを見据え、多摩川が見えて来る。ゴール地点は近い。「チームプレイ。1人が人気出ても、ほかのみんながついて行かなかったら意味がない」と、駅伝から近いものを学んだ西村は、「目標は研修生から昇格すること」「選抜に入れなくてもやれることがある」と1つの答えを見つける。ゴール地点にはタスキを渡す銅像が建てられていた。NGT48の1期生として、やがて後輩へとタスキを渡すために彼女は走り続ける。

NGT48 西村菜那子 × 濱田禮徳

NGT48 長谷川玲奈 × 樋口慧一

 机に座る4人の長谷川玲奈、教壇の前に立つ1人の長谷川玲奈。計5人の長谷川玲奈が登場する、インパクト大の個人映像だ。4人の中から1人偽者の長谷川を探すため、自分しか知らないことを教壇の長谷川が質問していく。録画したバラエティ、アニメ番組を観ること、引退試合でサインミスしたこと、座敷が怖い、兄とのキャッチボール。嫌いなはずのキウイを食べているのを見つけ、偽者を探し当てることに成功する。長谷川は多くのバラエティ番組でアピールしている野球少女の印象が強いが、必然的に彼女のことを知ることができるのがこの映像の狙いだろう。

NGT48 長谷川玲奈 × 樋口慧一

NGT48 本間日陽 × 山田彩華

 小さなことがきっかけで、口喧嘩に発展してしまった中華料理店の夫婦。そこに居合わせた本間日陽が、突如、華麗なバレエダンスを披露し、バラの花を差し出す。そのまま店を出て、商店街を飛び出した彼女は、沈み行く夕日をバックに河原で華麗に舞踏する。映像タイトルである「air en l’air」とは、バレエ用語で空中の動きを指す。バレエ歴は10年に及び海外バレエの経験もある彼女は、『AKBINGO!』(日本テレビ系)にて藤田奈那と共にバレエを披露している。これからも、彼女はダンスの表現者として、たくさんの笑顔を咲かせていくはずだ。

NGT48 本間日陽 × 山田彩華

NGT48 水澤彩佳 × 中村隆太郎

 NGT48にとって、初めての卒業生となった水澤彩佳。保育士資格、幼稚園教員免許を持つ彼女は、生まれた幼い妹を見るうちに、子供と関わることの楽しみを覚えたことが、保育士への道に進むきっかけだったという。映像では、「あやかと手遊び」「コンコンきつね」で実際に子供をあやす様子が収められている。「次に向かって何かしようという行動は、エネルギーも必要だしちょっと怖いかもしれないですけど、自分自身をワクワクさせることかなと思いますね」という次のステップに進み始めた彼女の言葉は、キラキラと輝いている。

NGT48 水澤彩佳 × 中村隆太郎

NGT48 宮島亜弥 × MAD PRODUCTION

 「もうヘタレっていわないで」、昨年の選抜総選挙のポスターにも掲げたこのキャッチコピーをそのままラップに乗せたのが、宮島亜弥の個人映像だ。「ネガティブ、ヘタレ、人見知り」というマイナスの思いを原動力に変え、思いの丈をリリックにぶつける。コンポーザーについたのは、黒さき 海斗とMakoto Adachi。黒さきは『UMB新潟大会』や『高校生RAP選手権』に出場した実力者。レペゼン新潟、と言わんばかりのチョイスを感じさせる。「すぐにはきっと変われない。でも変わろうとすることはできる」、と自身に言い聞かせるように、歌詞を紡ぐ彼女が印象的だ。

NGT48 宮島亜弥 × MAD PRODUCTION

NGT48 山口真帆 × 酒井伸太郎

 山口真帆が、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で、大声で自己紹介をする。一人が好きで、根暗、声が小さく、滑舌の悪い彼女。自分を変えるため、青森から新潟へとやってきた山口がまず初めにしたことは、メールアドレス、電話番号を変更し、連絡手段を断つことで自身の逃げ道をなくしたことだという。好きな色は白と語る彼女は、これからどんな色にも染まることができる伸び代を持っている。映像では、着物を着た艶やかな山口が効果的に上品さを演出。彼女は、NGT48の中でもグラビアメンバーとしても活躍している。全メンバーの個人映像の中でも、トップクラスの映像美を感じた。

NGT48 山口真帆 × 酒井伸太郎

NGT48 村雲颯香 × 澤 礼門

 自称“NGT48唯一の正統派”である村雲颯香の個人映像は、荒野を歩きながらアイドルとしての宣言を行うというもの。「弱音を吐かない。常に笑顔でいる」、これが憧れていたアイドルになれたときに決めたことだ。彼女がラストに宣言するのは「唯一無二の存在になる」ということ。新潟県警のポスターにも選出されたことがあるほどのモデル体型を持ちながら、グループ随一の大喰いキャラを確立している村雲。どのような唯一無二をこれから目指していくかは、彼女次第だ。

NGT48 村雲颯香 × 澤 礼門

NGT48 山田野絵 × 奥藤祥弘

 山田野絵 企画「山田を探せ!」編と題された個人映像は、新潟で同じ名字の「山田」を10人探し当てていくというもの。特徴的なハスキーボイスで聞き込み調査を続けるも、開始から1時間で2人と、山田はなかなか見つからない。万台シティー周辺、万台橋、新潟駅と巡り、制限時間残り10分というところで、10人目の山田を発見する奇跡的な展開に。AKB48グループの中でも、キャラの立ったバラエティの逸材として君臨している山田。今回の映像も、まるでバラエティ番組を観ているかのようなテイストに作り込まれている。NGT48、そして新潟を盛り上げる起爆剤として、一気に飛躍する可能性も持ち合わせている。ちなみに、映像のラストでは山田を10人見つけた結果として、山田のビューティーショットが公開される。

NGT48 山田野絵 × 奥藤祥弘

 NGT48全メンバーの個人映像を観て、見えてくるのは一人ひとりのパーソナリティーはもちろんのこと、今の自分から変わりたいという思い、新潟への郷土愛だ。全国区を目指しながら、新潟の魅力を伝えていく確固たる決意を感じさせた。デビューシングル『青春時計』はその楽曲に加え、メンバー全員の個人映像によっても、NGT48への入り口の扉を叩くことができる作品だ。特定のメンバーが気になった場合は、握手会やライブ会場へ足を運んでみるのもいいかもしれない。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■リリース情報
『青春時計』
発売:2017年4月12日(水)
価格:Type-A〜C(CD+DVD)¥1,528+税

<CD収録内容>
・Type-A
M1. 青春時計
M2. 空き缶パンク
M3. 出陣
M4. 青春時計 off vocal ver.
M5. 空き缶パンク off vocal ver.
M6. 出陣 off vocal ver.

・Type-B
M1. 青春時計
M2. 空き缶パンク
M3. 純情よろしく
M4. 青春時計 off vocal ver.
M5. 空き缶パンク off vocal ver.
M6. 純情よろしく off vocal ver.

・Type-C
M1. 青春時計
M2. 空き缶パンク
M3. 暗闇求む
M4. 青春時計 off vocal ver.
M5. 空き缶パンク off vocal ver.
M6. 暗闇求む off vocal ver.

・CD盤
M1. 青春時計
M2. 空き缶パンク
M3. 下の名で呼べたのは・・・
M4. 青春時計 off vocal ver.
M5. 空き缶パンク off vocal ver.
M6. 下の名で呼べたのは・・・ off vocal ver.

<DVD収録内容>

・Type-A
DVD:「青春時計」「出陣」MUSIC VIDEO
ほか、特典映像収録

・Type-B
DVD:「青春時計」「純情よろしく」MUSIC VIDEO
ほか、特典映像収録

・Type-C
DVD:「青春時計」「暗闇求む」MUSIC VIDEO
ほか、特典映像収録

<TypeA、TypeB、TypeC初回仕様共通封入特典>
●「全国握手会イベント参加券」or「スペシャルプレゼント応募券」1枚封入
(※全国握手会への参加かスペシャルプレゼントの応募のどちらかに使用可能)
●NGT48メンバー生写真ランダム1枚封入[26名×3Type別 全78種]

■イベント情報
『デビューシングル発売記念個別握手会』
5月28日(日)パシフィコ横浜Aホール
7月9日(日)幕張メッセ8ホール 
8月20日(日)ハイブ長岡
※個別握手会に関する詳細 【forTUNEmusic】

『デビューシングル発売記念全国握手会』
7月8日(土)幕張メッセ8ホール 
8月19日(土)ハイブ長岡

※イベント・握手会に関する詳細 【アリオラジャパンNGT48特設ページ】

■関連リンク
アリオラジャパンFacebookページ
アリオラジャパンtwitterページ
アリオラジャパンLINE@ページ

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む