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のっちはゲームがしたい! 第2回 「FGO」の開発現場に潜入!多くのマスターを夢中にする理由を探ってきました

ナタリー

20/5/4(月) 20:00

のっち

Perfume・のっちさんがゲーム業界のさまざまな人々に会いに行く連載「のっちはゲームがしたい!」。今回はスマートフォン向けRPG「FGO」こと「Fate/Grand Order」の企画・開発・運営を手がけるディライトワークス株式会社を訪問し、普段見ることができないゲーム開発の裏側を見学させてもらいつつ、「FGO」第2部 開発ディレクターであるカノウヨシキさんにいろいろな話を聞いてきました。

門外不出の開発画面を目撃

これまでも「FGO」への課金によって経済を回してきたというのっちさん。今からその「FGO」を開発しているディライトワークスにお邪魔します。

エントランスからすぐのロビーには、FGO関連のさまざまなグッズなどが陳列されています。大量のグッズを1つひとつチェックしながら早くもテンションが上がるのっちさん。赤セイバーことネロ・クラウディウスの実物大の大剣が飾られているのを発見し、右手に構えてポーズを決めました。

カノウさんに案内されて、のっちさんがまず訪れたのは、関係者以外立ち入り禁止の開発フロア。かなり広々とした室内でたくさんの社員がパソコンに向かっています(取材は2020年3月に実施)。皆さん集中して黙々と作業を進めているため、どことなく緊張感が漂います。

ここでのっちさんは、ギルガメッシュ(アーチャー)やメカエリチャンII号機といったサーヴァントの、攻撃モーションと宝具演出の開発画面を見せてもらいました。

デスクには2つのモニタが並んでおり、右のモニタには実際にプレイヤーが見ている映像、左のモニタにはそのときゲーム内で何が起こっているのかを別角度から見た映像が流れています。

のっちさんは2つのモニタを見た瞬間、「えっ! すごい! こんなことになってるんですか!」とビックリ。てっきり2Dアニメだと思っていたバトルシーンでしたが、実際は背景が3Dで描かれており、そこに書き割りのように2Dのキャラクターが配置されていました。普段プレイヤーが見ているのは、その3D空間の中に置かれた複数の仮想のカメラの視点だったんです。また背景だけでなく、ド派手な宝具演出もすべて3Dアニメーション。のっちさんは興味深げにモニタを覗き込み、「そっか、エフェクトのデータは3Dにしたほうが使い勝手がいいってことなんですね」と納得していました。

普段は絶対に見ることができない、文字通り“ゲームの裏側”を見せてもらったのっちさんは思わずため息。見えない部分まで作り込まれたバトルシーンの全貌を目の当たりにして「これからは背景までしっかりチェックします」とつぶやいていました。

リアルな効果音作りに挑戦

「来ていきなりこんなものを見られるなんて!」と興奮を隠せないのっちさんが次に訪れたのは、ゲーム内のさまざまな効果音、いわゆるフォーリーサウンドを制作する専用の録音スタジオ。ここではいろいろな小道具を駆使して、足音や衣擦れ、海の波音、武器の打撃音などを表現します。

こういった効果音は、一般的なゲーム会社はパソコンの中だけで制作することが多いそうですが、ディライトワークスではオリジナルのフォーリーサウンドにこだわることで、没入感が高まるリアルな音を追求。社内に本格的なフォーリーサウンド用のスタジオを持っているのは、ゲーム会社では珍しいそうです。

ここでフォーリーサウンドの担当者が、沖田総司〔オルタ〕の宝具演出の音作りを実演。火バサミに金ベラをこすり付けると、まるで太刀で斬るような硬く鋭い音が響き渡り、のっちさんは驚きの声を上げました。

道具の押さえ方やこする速度によっても音が変わるので、実際の制作では微調整をしながら、納得できる音が録れるまでなんテイクもレコーデイングを重ねます。そしてのっちさんも音作りに挑戦。

鳴らし方をレクチャーしてもらったのっちさん。開発画面を見ながらタイミングを合わせて、沖田総司〔オルタ〕の気持ちになって金ベラを構え……「くらえ! なんかすごいビーム!」。

録音した効果音はすぐにプレビューして、キャラクターの動きに合っているかなどを検証します。なお、実際のゲーム内ではこの金属音だけでなくさまざまな音が重ねられていて、サーヴァント1騎に対して約40のオリジナルのフォーリーサウンドが使われているとのこと。道具の素材や鳴らし方などを変えて音色に変化を付けることで、キャラクターそれぞれの個性を表現します。

さらにのっちさんは、鎖を巻いたスコップを揺らしてカチャカチャ鳴らした音や、小石を敷き詰めた床で足踏みする音を出して「鎧を着て歩く」というシーンを表現しました。鎖の音を聞いたのっちさんは「マシュが歩くとき、めっちゃこの音してますよね……!」「本当に鎧を着てる気分!」と大喜び。

フォーリーサウンドに正解はなく、あらゆる日用品からアイデア次第でさまざまな音を作り出すことができるので、ディライトワークスでは社員みんなで常に新しいアイデアを考えながら試行錯誤しているとのことです。のっちさんは「こういうこだわりが、ゲームの臨場感や生々しさにつながっているんですね」と感心していました。

最後に訪れたのはリフレッシュエリア。「新しいゲームを作り出すためには温故知新が必要」ということで、ここには古いアーケードゲームの筐体などが置かれたゲームセンターや、古今東西のボードゲームが自由に遊べるカフェがあります。のっちさんは足を踏み入れるや否や「ここで働きたい……!」と感嘆のため息。ゲームセンターでは、千葉・幕張メッセで開催された「Fate/Grand Order Fes. 2019 ~カルデアパーク~」にて稼働していたメカエリチャンの玉転がしゲーム「チェイテピラミッド姫路城クライム」に挑戦し、見事一発でクリアしました。

ボードゲームカフェでは、小さいものから大箱まで取りそろえられた約300種類のゲームをプレイすることが可能。社員は休憩時間や就業後に集まってボードゲームに興じています。ちなみにのっちさんは「犯人は踊る」というカードゲームが大好きとのこと。また仕事現場などでよく「カタン」をみんなでプレイしているそうです。

その後のっちさんは会議室に移動し、カノウさんへのインタビューを開始。2人のトークの中で、のっちさんの推しサーヴァントが明らかになります。

自分が自分であることを全肯定してくれる物語なんですよ

のっち 実は私、「FGO」は1回トライしたけどやめてるんです。

カノウ ローンチのときですか?

のっち はい。CMがカッコよくて「やってみよう!」と思ったものの、それまでの「Fate」シリーズを知らない状態だったのでわからないことだらけで。「聖杯って何?」「えっ? このクー・フーリンって人、同じ顔したこっちのクー・フーリンとは別人なの?」みたいな。戦闘も難しくて、そっと閉じました……それを経ての出戻り勢なんですけど、また始めたきっかけが2016年の終わりの……。

カノウ あ、「終局特異点」の頃ですね。

のっち そうなんです。坂本真綾さんが歌う第1部の主題歌「色彩」がiTunes Storeのランキングでトップのほうに入ってて、まずはその曲が好きになって。調べたら「色彩」の歌詞を踏襲してゲーム終盤のストーリーが書かれたという話を見たので、「そんなゲーム、絶対面白いだろ」と期待して2017年1月に再開したんです。

カノウ ちょうど僕がこの会社に入ったくらいの時期ですね。その頃、ここに入って最初の仕事として「Fate/Grand Order Gutentag Omen(FGOGO)」っていう4月1日限定のアプリを作ったんですよ。

のっち それやりました(笑)。「たった1日のためにアプリまで作る熱意ってなんなんだ!」って笑いましたよ。あのアプリはまだスマホに残してあります。再開してからも、最初の頃はFateシリーズを知らずにやってたんですけど、それでもやっぱり面白かったですね。あの物語を駆け抜けた感覚っていうのは得難い体験でした。

カノウ 最初は僕もいちユーザーとして「FGO」をプレイしていたので、その引き込まれる感覚はわかります。

のっち そのあとで、友達に「Fate/stay night」と「Fate/Zero」くらいは観ておいたほうがいいって言われて、アニメを観てなんとなく設定とかを理解し始めた感じです。

カノウ 確かに「Fate/Zero」が好きっていう声はよく聞きますし、「Fate」の世界観が伝わりやすいかなと思います。

のっち 私は「FGO」の好きなところはたくさんあるけど、魅力を1つ挙げるなら“ストーリーの面白さ”ですよね。私はゲームをするときは、たいてい自分が主人公になった気持ちで冒険してるんですけど、中でも「FGO」は自分が自分であることを全肯定してくれる物語なんですよ。「自分がマスターでいられることの喜びを感じられる」っていうのが新しくて。

カノウ 主人公の魔術師的な能力は、サーヴァントのマスターとして特別秀でているわけではないんですよね。その強い思いによって周りの人やサーヴァントたちを動かしている……それこそがマスターの能力なんだ、というふうに描かれています。特別な力を持っていないからこそ、ユーザーの皆さんが身近な存在として感情移入できるのかなというのは感じますね。

のっち まさにそれです! 「何も持ってない自分のままでいい。生きててよかった」って気持ちになる。

カノウ 僕はディレクターとして、できないことはできないって言うんですよ。“僕がやるべきこと”というのは自分の中で決めていて、それ以外のことは全部周りのメンバーに助けてもらうんです。なので、例え本人が何も持っていなくても、メンバーに助けてもらいながら何かを作り上げられる人というのは重要だなというのは実感としてあります。

のっち そう思います。だから、私も助けてもらえる人でありたい(笑)。

僕の開発も、坂本真綾さんの「逆光」と共に始まった感覚があるんです

カノウ 実は僕、広島出身で。Perfumeが人気になったときに「あ、同じ広島の方々なんだ」って思ったんですよ。

のっち ええっ! いつ頃から知ってたんですか?

カノウ 僕が上京したのが2000年なので、それくらいの時期ですね。メジャーデビューされてからも広島弁を使ってらっしゃったし、すごい親近感が湧くなって思ってました。

のっち うれしい! 2000年に東京に来て、今の会社に入る前はどんなことをしてたんですか?

カノウ SEGAにプログラマーとして入社して15年くらい働いていました。最初はドリームキャストのゲームを担当して、それからアーケードゲーム、例えば「アウトラン2SP」というドライブゲームとか、「アフターバーナークライマックス」という飛行機ゲーム、「ボーダーブレイク」という3Dアクション対戦ゲームとかを作りました。でもスマートフォンのアプリを作ってみたくなって、40歳になる前に一度チャレンジしてみようということで転職したんです。「今しかない」って(笑)。で、実は、まだこの会社に入ると決める前に、塩川(洋介。現FGO PROJECTクリエイティブプロデューサー)から話をされたんですよ。

のっち カノウさんが「FGO」のディレクターに就任する前のディレクターさんですよね。

カノウ そうです。その際に、塩川がホワイトボードにでっかく会社の組織図を書き始めて、そのてっぺんあたりを指差して「カノウさんはこのへん」って(笑)。

のっち うわー(笑)。

カノウ 「ディレクターは僕が今やってるんで、そのすぐ下のへん。でも将来的には……ここ?」みたいな話をされて、「これ、入社するって言ったほうがいいんだろうか?」って、すごいプレッシャーで(笑)。僕としてはプロジェクトマネージャーという、全体の進捗を管理する仕事をやりたいと思ってたので、「FGOGO」ではプロジェクトマネージャーを任せてもらったんですが、4月の終わりに「やっぱり『FGO』のディレクターをやってほしいんですよね」って言われて、あの話は本気だったんだなと……(笑)。

のっち さすがに考えますよね、こんな大きいタイトルを担当するって(笑)。

カノウ SEGAを退職したあとだし、せっかくそんな機会をもらえるならやろうと決意したんですけど、僕がそのとき思ったのは、のっちさんが先ほどおっしゃった「このゲームの魅力はやっぱりストーリー」というように、サーヴァントたちを華やかに彩っているのはやっぱりストーリーだと思うんです。だからそのストーリーを、よりしっかりユーザーの皆さんに体験してもらえるようなゲームにしようとディレクターになる際に決意しました。

のっち カノウさんがディレクターになった第2部は2018年にスタートしましたよね。

カノウ 実はその前、2017年の12月26日0:00に、第2部のプロローグというのを突如スタートさせたんです。

のっち うん、よく覚えてます。ドキドキの年末でしたよ。

カノウ あの頃、開発の指揮をとっていたのは僕で。

のっち フォー! やるうー! あ、すいません……(笑)。

カノウ ははは(笑)。あのプロローグをクリアしていって最後まで行くと、アニメーションと一緒に坂本真綾さんの「逆光」が流れるんですけど、プロローグをリリースしたときはオフィスで「逆光」を大音量で流しながら、待機してたメンバーたちと一緒に「やりきった……!」って感慨に浸ってたんです。

のっち 私は真綾さんの「逆光」を聴きながら「第2部ってこういうお話になるのかな」って思ってました。

カノウ 第2部のストーリーはあの曲と共に始まるけど、僕の開発もあの曲と共に始まったなという感覚があるんですよ。

私がレベル100になるまで聖杯を使い続けたサーヴァント

のっち FGOはキャラクターのレベルがマックスになったところからさらにレベルを上げることができる「聖杯」っていうアイテムがあるんですけど、聖杯を使うのってそのキャラへの愛情表現なんですよね。で、私がレベル100になるまで聖杯を使い続けたのは今のところギル(ギルガメッシュ)だけで。

カノウ なるほど、のっちさんが一番好きなのはギルなんですね。どういうところが好きなんですか?

のっち 最初はキャラクターどうこうでなく「強いから」だったんですよ。全体攻撃ができるし火力もあるから、いつでも戦いに連れて行けて。そのあとでアニメを観たら「やっぱカッケーな……」ってなったという。常に頬杖をついていてほしい……(笑)。

カノウ ほかにはどんなサーヴァントが好きですか?

のっち エレシュキガルですね。こないだのアニメ(「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」)にも出てきましたけど、あれはズルいですよ。

カノウ ズルい?(笑)

のっち まだ実装されていなかったのに、「また次に会えるときがあったら、もっといい出会い方してたかもね」みたいなことを言って……立ち姿とか見た目も好きだし、宝具も素晴らしいです。

カノウ エレシュキガルは実装した瞬間からものすごい人気でしたね。

のっち メインストーリーでも活躍してるから、みんなの思い入れも強そうです。

カノウ ちなみに僕、エレシュキガルをリリースした直後に10連の聖晶石召喚を回したら、1騎目でエレシュキガルが出て、みんなから疑惑の目で見られたんですよ(笑)。

のっち 「カノウさん、なんか仕込んだでしょ?」って(笑)。見た目だけで言えば、私が一番好きなのはジャンヌ・オルタなんですよ。水着ジャンヌ・オルタのほうしか持ってないんですけど。あとは新宿のアーチャー! カッコいいですよね。

カノウ 先日Webで、質問に答えると理想の男性サーヴァントがわかるという企画をやったんですけど……。

のっち あー! 相性診断みたいなやつですよね?

カノウ そうそう。それをやったら僕、新宿のアーチャーって診断されたんです(笑)。

のっち あはは(笑)。黒幕感。

カノウ 当たってるってみんなに言われるんですけど、自分では「黒幕かなあ……?」って(笑)。

ゲーム制作に疲れて帰ってきて、ゲームに癒やされる

のっち カノウさんはプライベートではどんなゲームをするんですか?

カノウ 開発者はみんなそうだと思いますけど、新作アプリはやっぱり軒並み触りますよね。長くプレイするわけじゃないけど、チュートリアルから遊んでみて「あ、なるほど。確かにここの表現はいいね」みたいなことを参考にしてます。で、家に帰ったらNintendo Switchで気分転換してますね。ゲーム制作に疲れて帰ってきて、ゲームに癒やされるという(笑)。

のっち やっぱりそうなんだ(笑)。

カノウ 「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は本当に癒しなんですよ。うちのリビングには“人をダメにするソファ”が置いてあって、帰宅したらそこに座ってゼルダをやってます。でも実はまだクリアしてないんですよ。

のっち あ! 私もまだしてないんです!

カノウ 最後だけ残して全部の祠を周って、ミッションを1つずつやりながら……。

のっち すごい……じっくり楽しんでますね(笑)。

カノウ 今日はバクダン矢をいっぱい集めよう、みたいな。そろそろ2の発売日が決まると思うので、発売されたら1をクリアしようと思います(笑)。

みんなの質問、のっちが代わりに聞いてきますのコーナー!

のっち ここからは、Twitterのハッシュタグを使って読者の皆さんから募ったカノウさんへの質問に答えていただくんですけど……私はこの質問が面白いなと思ったんですよね。

人理救済の為立ち上がったマスター・カノウヨシキさん 英霊召喚を行うと召喚されたのはなんとのっちさん! カノウさんの目から見たのっちさんのクラスは何でしょうか?

カノウ のっちさんのクラスを考えるために、仕事に対しての向き合い方とか、普段生活するうえで心掛けていることとか、いろいろ聞かせてもらっていいですか?

のっち おお! 今からですか!? 逆インタビュー!(笑)

カノウ Perfumeさんの中で、自分はどういう立ち位置だと思いますか?

のっち 私は「とりあえずやってみよう!」というタイプですね。ほかのメンバーがわりと慎重派で、論理的に先のことを考えるのに対して、私は「楽しそうだから挑戦してみようよ!」みたいに、情熱だけで動こうとするところがあって。

カノウ なるほど。じゃあ、ゲームをやるときは1つのタイトルをとことんやり抜くタイプですか? それとも幅広くいろいろなゲームをプレイするタイプですか?

のっち いろんなゲームをやりますけど、「ゲームは知れば知るほど面白くなる」と思っているので、ある程度はやり込むようにしてますね。それこそ「FGO」を最初にやめちゃったのだって、私に知識がなくて楽しめなかったからだし、そこでやめちゃったのはよくなかったなと後悔したので。

カノウ 1つのことを極めるという意味では、ランサーっぽいなと思いました。それにランサーには「自分を犠牲にしてでも目的を果たそう」みたいな、強い信念を全力で貫き通すタイプが多いので、そういうところはPerfumeさんのイメージに近いかなと。

のっち おー! 意外です! うれしい! 自分では、単純に好きなキャラが多いからアルターエゴだったらうれしいですね。特別感があるクラスで好き。

カノウ アルターエゴって基本的に英霊などの別側面のようなものなので違うかなって。のっちさんはのっちさんで、オリジナルな存在じゃないですか。

のっち あ、そっか。確かに。でもうれしいです! ランサー! カッコいい!

カノウさんの推しサーヴァントは誰ですか?

カノウ 魔神さん(沖田総司〔オルタ〕。魔神の神の字は、神の下に人が正式表記)です(笑)。

のっち あはは(笑)。

カノウ 実は僕、このサーヴァントの存在は「コハエース」(TYPE-MOON作品を題材にしたマンガ)の誌面で初めて知りました(笑)。だからイラストを見て「えええ! すっげえ欲しいんだけど!」ってすごく驚いて。のちに実装することが決まったときは、いちユーザーとして素直に喜びましたね(笑)。

のっち あ、新しいキャラクターって「こういうイベントをやるからをそのためのキャラを考える」わけじゃなくて、いつ出すか決まっていない実装待ちのキャラがたくさんいるってことですか?

カノウ 基本的にはメインストーリーやイベントを想定して実装していきますが、一部はイラストのみで実装時期未定のものもありますね。

実装前の予想より人気が出たサーヴァント(キャラ)はいますか?

カノウ 難しいですね。事前にストーリーに登場していなくて低レアリティなものだと、やっぱりマンドリカルドは予想以上という感じでしょうか。

のっち わ! 大好きです! 最近のストーリーで出てきて。

カノウ サーヴァントって、実装してからイベントとかでキャラクターのいろんな側面を見てもらうことで、あとになってどんどん人気になることが多いんです。その中でも、マンドリカルドは人気の上がり方がすごかった。先にTYPE-MOONさんにシナリオを読ませてもらった時点で、僕も「マンドリカルド好きだな」と思ったんですけど、とはいえ予想のはるか上をいった感じですね。

のっち いや本当に、まだ「FGO」をやってない人に「マンドリカルドに会うために今から始めてほしい」って思います。めんどくさい奴なんですよね、最初は。うじうじして、自信がなくて。セリフに「(でもこれ、今言ったら気を遣わせちゃうかもな……)」みたいな丸括弧がやたら多いし(笑)。

カノウ 本当にそうですよね(笑)。シナリオを初めて読んだときは、そこを実装時にどう表現したらうまく伝わるかが不安だったんです。そのネガティブさがユーザーにどう受け止められるかなって。だからアドベンチャーパートを作るときに、担当者は表現の仕方を悩んでて。その苦労もあって、人気が出てよかったなと思いました。

のっち 私にとってマンドリカルドは友達なんで、ストーリーが展開したときに「えっ! 嫌だ!」って口に出して言いましたもん(笑)。じゃあ次の質問です。

どれも印象に残る素晴らしいストーリーですが、カノウさんが一番印象に残っているのは何部の何章でしょうか?

カノウ 今話していたマンドリカルドが出てくる、第2部 第5章「アトランティス」のストーリーは印象に残ってます。いろんなサーヴァントたちがマスターを守るために、マスターがいないところでいつの間にか動いていたっていうのが、すごくグッとくるんですよね。

のっち (無言で強く膝を打つ)

カノウ あとは、その前の第4章「ユガ・クシェートラ」のストーリーも大好きで。カルナ、いいですよね。

のっち うん、カルナさんカッコいい!

カノウ あのシーンが泣けるんですよ……(ここからしばらく、2人で完全にネタバレな話で盛り上がる)。

のっち うわー、この先どうなるのか楽しみ!……楽しみだけど、第2部もいつか終わるんですよね……。

カノウ はい。

のっち うわー、終わってほしいようなほしくないような。でも今は完全に絶望の中にいる私の友達に、これ以上つらい思いをさせたくないなあ。

カノウ そうですね。地球が白紙化した状態をずっと続けてるのはよくないですね。

のっち よくないと思います! そして第3部として次のストーリーが始まることを期待してしまうんですけど、またつらい話が始まるのかと思うと……葛藤がありますね(笑)。

お仕事されてて、やりがいを感じる場面てどんな時ですか??

FGOの企画・開発・運営を手がける中でどんな仕事をしている時が1番楽しいですか?

カノウ 一番やりがいを感じるのはやっぱり、ゲームの反応を皆さんからもらったり、リアルイベントでユーザーさんとお話ししたときですね。でも、ゲームの開発ってそれ自体が楽しいことなんですよ。イベントのたびに新しいことを投入していくので。

のっち 新しいことというのは、ストーリーだけじゃなくてギミックとか?

カノウ そうそう。例えば「今度のマップはどういうふうにしよう」とか。ゲームがある程度できてきたときに、試しにプレイするのが楽しいんですよ。最初は仕様書しかなかったのに、エンジニアやデザイナーが形にしてくれて、バラバラだったパズルがだんだん組み上がってきたときに「カノウさん、そろそろ遊べます」みたいな。

のっち あー、それは確かに楽しそう! 私がプレイしてるゲームを、作ってる人も楽しく作ってくれてるというのはうれしいので、今日はお話が聞けてよかったです。私も時期によっては白目むくほど忙しくて(笑)、なかなかゲームに触る余裕がないんですけど、ゲームを作ってる人たちもみんな白目になりながら作ってるんだろうなと思うと、がんばって情熱を持ってプレイしなきゃと思いました。白目をむいてる場合じゃないです……!

のっちさんの推しサーヴァント

  • ギルガメッシュ(LV100は弓だが術も好きです王様)
  • 新宿のアーチャー(悪そうで頭の良い男の魅力に負けた)
  • エレシュキガル(エレちゃん可愛い。その武器重そうだね持ってあげようか)
  • 諸葛孔明(ウェイバー)
  • ジャック・ザ・リッパー(アポクリファアニメもすっごく良かったです)
  • 沖田総司〔オルタ〕(ボブヘア好きなので再臨第一段階にしてます)
  • ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕(水着。強くてかっこいい)
  • 源頼光〔ランサー〕(水着。宝具の槍を投げるモーションがなんかすっごい好き)
  • メカエリチャンII号機(II号機の冷たいとこがいい。コマンド選ぶだけで一生楽しい)
  • ニトクリス(いつもありがとう)
  • マシュ(マシュ(;o;))
  • 岡田以蔵(すき)
  • 風魔小太郎(すき)
  • 織田信勝(と、ここにいつ名前を並べられますかカノウさん……!)

のっちさんの取材後記

こんにちは、のっちです。


…うえーーん

…うぇええーーーーん(;o;)

4月に公開になった、最新のストーリー「2部5章 星間都市山脈オリュンポス -神を撃ち落とす日-」をさっきクリアしました。
クリアした後に貰える“概念礼装”の、絵とテキストを読んでうぇーんって言いながら泣いた(笑)。

今回記事、暗号ばかりで意味わからんちんだったみなさん。
早くこっちにきてください。
はああ私は今空っぽだ(笑)(笑)何も言えねえ!


てことで、おはようございます次の日です。
締め切り過ぎてるんで冷静になってください。

えーとまずは、推しの“サーヴァント”が多くてごめんねということ。
だっていっぱいすきなんだもん。
好きになるようにできてるんだもんばかもん!
メインストーリーだけじゃなくて、イベントだったり“概念礼装”での色んなifの姿だったり素晴らしいんだ。
やたらと美女イケメンの礼装なんてのは全部好きさ勿論。制服とかね。あと水着はいいね。夏のイベントが今から楽しみだ! 夏は基本外に出ないからね。「FGO」で夏を感じるのです。ほんとにね。


見せて頂いたバトルの開発画面、衝撃でした。めちゃめちゃ3Dだった。めちゃめちゃ3Dだったんだよみんなあ。
アニメで立体的に描かれるバトルシーンも毎回感動しながら見てたけど、自分のスマホの中で100万回横から見た“宝具”を正面から見られるものとは思わなんだ。
“サーヴァント”は、伝説上の神や、実在した英雄の魂を召喚した姿で、その“サーヴァント”が放つ“宝具”は超強い必殺技なだけでなく、命をすり減らしてぶつける、生前の思いや願いなのです。なはず、きっと。

「宝具」演出に限らず、普段スマホ上で見えている以上の技術と愛でいっぱいで、開発チームも命すり減らして作ってるんだろうと思い、私は胸いっぱい感謝でいっぱいでした。


今回ディライトワークスのカノウさんに会いに行きました。Twitterにてストーリーに関する質問も沢山いただいて、私も気になるところでしたが、そこはTYPE-MOONさん管轄だそう。
とかなんとかいいつつ、ストーリーの話ばっかりしちゃったなー。や、きっと語るべきはそこなのだけど、システムの面でもお礼が言いたい。
ほんとどんどん遊びやすくなって、ありがとうございます!
バトル中コマンドカード選ぶ画面から戻れるの、ほんとありがとうだし、ストーリー中のメッセージウィンドウ消せるのほんとありがとう。
沢山イベントありがとう。
これからも勝手に、ドキドキワクワクさせてもらいます! お身体大事に、がんばってください。


ただ人間で在る私を、そこにいるだけで肯定してくれる。
希望と絶望と肯定の物語。
だと私は受け取っています。主人公達の(敵対してる人達も含めて)笑顔が沢山見られますよう願ってる!


さて。次回は龍が如くシリーズ総合監督の名越稔洋さんに会いにゆきます。うおー! 楽しみにしてます!

次回予告

今回の取材では、魔術と科学が交わった「FGO」の独特な世界観を存分に堪能したのっちさん。一転して次回は、リアルな裏社会の人間模様を描く「龍が如く」シリーズを手掛けるセガゲームスの「龍が如くスタジオ」を訪問し、総合監督・名越稔洋さんにお話を聞かせてもらいます。

この連載では、訪問相手に聞いてみたいことをTwitterで募集中。ハッシュタグ「#のっちはゲームがしたい」を付けてツイートされた質問を、のっちさんが代わりに聞いてくれるかもしれません。ぜひ質問をツイートしてください。

(※1つのツイートに書き込む質問は1つだけにするようにお願いいたします)
(※新型コロナウイルス感染の拡大状況によっては、次回の取材日および記事公開日が大幅に順延される可能性があります)

Perfume最新情報

2018年のアリーナツアー「Perfume 7th Tour 2018 『FUTURE POP』」にてメンバーが各地の観客に「TOKYO GIRL」の振り付けをレクチャーした際の映像を、PerfumeのYouTube公式チャンネルにて公開中。この機会に振り付けをマスターしてみましょう。

取材 / 倉嶌孝彦・橋本尚平 文 / 橋本尚平(取材後記は除く) 撮影 / 上山陽介 題字 / のっち

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