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『野ブタ。』は亀梨和也×山下智久だけじゃない 若葉竜也らクラスメイトの活躍を追う

リアルサウンド

20/5/10(日) 12:10

 “野ブタ”こと信子(堀北真希)をプロデュースしていく中で、何かが足りないと思い始めていた修二(亀梨和也)は、それが恋愛経験ではないかと考えるようになる。ちょうどそんなタイミングで、信子はクラスメイトからラブレターを受け取るのだ。5月9日に放送された『野ブタ。をプロデュース』特別編(日本テレビ系)。第5話では、学園青春ドラマの鉄板ネタでもある恋愛要素を物語の主軸に置きながらも、そこに一辺倒することなく修二と信子、そして彰(山下智久)の絆にしっかりとつなげていく。とりわけ彰というキャラクターが実に魅力的な男に映るようになるのは、信子への想いを自覚し始めたこの頃からであろう。

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 ラブレターの送り主がクラスメイトの“シッタカ”こと植木(若葉竜也)であると知った修二は、まり子(戸田恵梨香)を誘ってダブルデートすることを思い付く。しかしダブルデートを成功させるために信子の引き立て役として悪い女を演じたまり子は、翌日学校中にまかれた信子を貶めるビラの中でとばっちりを受け、あらぬ噂が流れてしまうのだ。そこで心配した修二にまり子はこう語る。「誰か1人だけ本当のことを知ってくれていれば充分」。

 それはこのエピソードの終盤、彰に連れられて信子の後をつけた修二が、プロデュースすると言いながらも信子という人となりを知ろうとしていなかったことへの気付きにつながるわけだ。そこで丸めたビラを使って行われるキャッチボールは、言葉のキャッチボール以上の深い意味を持つ重要なシーンだ。

 さて今回のエピソードでは第4話での坂東(水田芙美子)同様、メインの4人以外のクラスメイトが物語のキーパーソンとして登場する。その“シッタカ”役を演じているのは若葉竜也。この『野ブタ。』に生徒役として出演したキャストの中で(メインの4人を除いては)15年を経た現在も息の長い活躍をつづけている数名のうちの1人であろう。本作の後には『マイ★ボス マイ★ヒーロー』(日本テレビ系)の星野役であったり、『ごくせん』(日本テレビ系)の第3シリーズなど学園ドラマで印象的な演技を見せ、バイプレイヤーとしてのイメージを獲得した若葉。ここ数年、2000年代前半に学生役を演じていた世代の俳優たちが遅咲きのブレイクを果たす流れが目立つなか、若葉も『愛がなんだ』などでメインキャストの1人として存在感を示すようになっている。

 最近は若手俳優戦国時代とあって、学園ドラマから次々とブレイク俳優が生まれることが常ではあるが、『野ブタ。』が放送された2005年当時はあまりそうした流れがなかったと記憶している。実際に『野ブタ。』きっかけで大ブレイクを果たしたのは堀北と戸田の2人を除いてはほとんどおらず、クラスメイトを演じた俳優たちの大半はすっかり見かけなくなってしまった。前述の若葉のようにコンスタントに出演作がつづいている大東駿介(『野ブタ。』当時は“大東俊介”名義だった)であったり、すっかり名脇役としてのイメージが板についた石井智也や山根和馬らが、現在も活躍する『野ブタ。』出身俳優の代表格ではないだろうか。

 そしてもう1人、第5話の終盤で信子に近付く蒼井かすみ役を演じた柊瑠美の存在を忘れてはなるまい。子役時代に出演したNHKの連続テレビ小説『すずらん』で注目され、その2年後にあの『千と千尋の神隠し』の千尋の声を担当して圧倒的な知名度を獲得。現在もドラマを中心に活動しているものの、実写作品ではなかなか代表作と呼べる作品に恵まれていない柊。けれどもこの『野ブタ。』では、ドラマ終盤の重要なキャラクターとして印象に残る演技を見せてくれる。放送から15年を経たこの再放送をきっかけに、現在も活動している『野ブタ。』出身俳優たちが改めて注目を集めることになったら嬉しいかぎりだ。 (文=久保田和馬)

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