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ゆうたろうが振り返る、16歳の心の葛藤 『シックスティーン症候群』での未経験の高校生役を経て

リアルサウンド

20/7/8(水) 10:00

 現在、FODオリジナルドラマ『シックスティーン症候群』が配信中だ。小夏の人気漫画をドラマ化した本作では、主演の竹内愛紗演じるイケメン女子・東息吹と幼なじみの“姫”こと織田沢めい(武田玲奈)の前に、チャラ男の浅田睦巳(板垣瑞生)や小さくかわいらしい男子・櫻井直(ゆうたろう)が現れ、16歳の心の葛藤が描かれる。

 今回、本作に出演するゆうたろうにインタビュー。体が小さく顔が可愛いため、女子生徒からからかわれがちな直は、常に凛としてかっこいい息吹に憧れている。直との共通点や、自身の10代の頃を振り返ってもらった。

【動画】ゆうたろうが振り返る、16歳の自分 インタビュー映像

■「直くんと僕の10代の過し方は真逆」

ーー原作の櫻井直のキャラクター像とゆうたろうさんの印象がぴったりだなと感じました。どのように役作りをしていきましたか?

ゆうたろう:僕も中性的と言われたり、かっこいいよりはかわいいと言われる方が多いので、見た目は寄せられるかなと思っていました。でも、撮影当時21歳だったんですが、年齢のところで、モヤモヤしたりいろんな感情を抱えている16歳の気持ちとぶつかって、最初は若い気持ちを保つのが難しかったです。自分の16歳の記憶を辿りながら、役作りをしていきました。

ーー容姿以外の面でも直との共通点はありましたか?

ゆうたろう:それが、共通点がたくさんあって。男の子より女の子の方が仲が良かったり、運動神経があまり良くないところとか。僕もわりと女の子メンバーの中に男の子1人とか、男の子2人とかで集まっていたので、懐かしい気持ちになりました。劇中のバスケをするシーンで直が置いてけぼりになるんですが、自分もこういうことあったなぁと、結構エモい気持ちになったりもして(笑)。僕の中の数少ない10代の思い出が呼び起こされましたね。

ーー他の作品でも制服姿は拝見してきましたが、学生役を演じるのは楽しそうですね。

ゆうたろう:今回は学校も外のシーンもオール静岡ロケで行われて、キャストのみんなが同世代だったので、すぐに打ち解けて、撮影終わりにみんなでご飯に行ったり、自分の当時の年齢では味わえなかった擬似青春みたいな時間を送れました。バスケのシーンでは休憩中も練習したり、静岡は温泉やサウナが有名なので、バスケの汗を流しにスタッフさんと(板垣)瑞生くんと行ったり、静岡の美味しいものを食べ歩いたり、放課後的な過ごし方ができたのかなと。僕は高校に行かなかったので、高校生の経験ができるのは楽しかったですし、気持ち的にも若返りました。

ーー共演者と高校時代や当時の話をして参考にしたりすることも?

ゆうたろう:自分の10代と照らし合わせて、みんなと話すことは多かったです。でも、直くんと僕の10代の過し方は真逆でした。こんなにキラキラした10代を送れていなかったので、羨ましく思いながら現場で過ごしていましたね。

ーー現場では共演者とどんな交流がありましたか?

ゆうたろう:瑞生くんはイベントでお会いしたことがあって、M!LKのライブにも行かせてもらっていたので、今回で距離がすごく縮まりました。(武田)玲奈ちゃんは、第一印象が物静かでミステリアスだったんですが、僕が話しかけたらすごく話してくれました。服が好きというところで意気投合したり、役的には一番濃く時間を過ごすキャラクターだったので、待ち時間に2人で恋バナしたり、初日に比べたら一番距離は近づけたと思います。

ーー4人の中では最年少で主演を務めた竹内愛紗さんはどんな方でしたか?

ゆうたろう:(竹内)愛紗ちゃんはみんなを笑わせてくれて、雰囲気を和ませてくれる方でした。本人もずっと笑っているし、現場でも控室でも誰かとしゃべっている。あとダジャレが好きらしくて、現場でも独り言のようにダジャレを言ってました。ツッコまれたいとかではなくて、自分の中でゲーム感覚でやっているらしく、変わった子だなと(笑)。でも、お芝居になると目つきが変わるんです。オンとオフのスイッチが一番はっきりとしている愛紗ちゃんを見て、かっこいいなと思いましたし、憧れました。

■「僕は恋とか恋愛とかできないし、しないタイプ」

ーー物語の中で、各々が抱える恋愛感情が描かれる場面がありますが、直の息吹への気持ちも「憧れなんじゃないの」と言われていました。直を通じて、ゆうたろうさんの恋愛観に変化はありましたか?

ゆうたろう:それも直くんに似たものを感じました。僕の理想の女性像がローラさんなんですが、お会いしたことがなく、ある人に「じゃあそれは恋愛感情なの?」と聞かれたときに、「うん」とは言えない自分がいて。会っていないというのが大きいと思うんですけど、改めてこれは恋愛の好きなのか? と考えると難しい……。人としての憧れが強いのかなと考えたときに、直くんも同じ気持ちだったんだろうなと気づいて、自分の中で納得できた部分がありました。そこで、直くんに近づけた気がしました。

ーー直の息吹への恋愛感情はどう捉えましたか?

ゆうたろう:人として好きな人はもちろんいるんですけど、僕は恋とか恋愛とかできないし、しないタイプなので、よくよく考えたらやっぱり直くんに似ているんだろうなと。変なことを考えすぎてしまって、僕が100%好きって気持ちじゃないのに告白して、変な関係になるんだったら友達として良い関係を築いていった方が幸せだなと思ったり。自分が行動したせいで、相手に変に意識させてしまうんじゃないかとか、未だに考えることがあります。でもその甲斐があって、言いたいけどこれは言ったらどうなるんだろうという内気な直くんが抱える心情も理解できたんだと思いました。

ーー登場人物たちが皆それぞれ悩みにぶつかっていきますが、ゆうたろうさんの場合は悩みにぶつかったらとことん考える派ですか? それとも突き進むタイプですか?

ゆうたろう:10代の頃は悩みまくりでした。大阪に1人で行って、服屋さんで働くことになったとき、接客業は初めてでしたし、服の知識も全くない中で、急に一人の販売員としてお店に立つことになったので。楽しくて、嬉しいこともありましたが、知識がない分、お客さんに自分から伝えられなかったり、人見知りで自分から話しかけることができませんでした。相手は話しかけられたくないんじゃないかなとか、「誰だこいつ」みたいに思われたらどうしようという被害妄想ばかりが膨らんで、どんどんネガティブになっていたこともあったり……。でも、今は気にしなくなって、悩んでる時間も大事だとは思うんですけど、引きずられすぎても時間がもったいないなと考えるようになりました。10代の経験が生きているのか、“悩んだら次!”という感じで、できない部分は自分の課題として置いて、もっと良いところや他の部分で頑張りたいという考え方に変わっていったんだと思います。

ーー最後に、ゆうたろうさん自身がこの作品で楽しみにしているところと見どころを教えてください。

ゆうたろう:みんなが1人ずつ携帯に向かって話すシーンがあるんです。台本では読んでいたのですが、実際みんながどんな撮り方をしたのかも知らないですし、どうやってこの台詞を言うんだろうとかいろいろ想像していたので、僕自身も配信で観られるのが楽しみです。16歳だけど、ただの16歳じゃない子たちの物語で、一種の心の病気みたいなところにフィーチャーしているので、そういうテーマに対して、何か受け取ってもらえたらいいなと思います。4人の仲の良さも、映像としてそのまま出てると思うので、ぜひそこも注目して観てほしいです。

(取材・文=大和田茉椰)

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