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GENERATIONS 佐野玲於、研ぎ澄まされたダンス 高いプロ意識で後輩を引っ張る“Jr.EXILEの長男”

リアルサウンド

21/3/15(月) 6:00

 ボーカルの片寄涼太、数原龍友、パフォーマーの白濱亜嵐、関口メンディー、小森隼、佐野玲於、中務裕太からなる7人組ダンス&ボーカルグループ、GENERATIONS from EXILE TRIBE。王道J-POPから最先端のダンスミュージックまで、幅広い音楽性で多くのファンを魅了している彼らは、俳優やバラエティタレントとしても精力的に活動しており、Jr.EXILEの中で特にお茶の間に浸透しているグループと言えるだろう。2月10日にリリースした最新シングル『雨のち晴れ』も、土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)の主題歌として放送中。始動から10周年を迎える2021年も、7人のさらなる活躍が期待される。そこで本連載では、個性豊かなGENERATIONSのメンバーを1人ずつフィーチャー。第5回はパフォーマーの佐野玲於について紹介していく。

 佐野玲於は、1996年1月8日生まれで、愛知県出身の東京都育ち。GENERATIONSの最年少メンバーである佐野だが、ダンスに興味を持ったのは9歳の時だそうで、子どもの頃からダンス一筋。母親に頼んですぐにスクールに入校すると、本格的にダンスを学び始めた。そして、小学生ながらもストリートダンサーとしてスキルを高めていた頃に出会ったのが、当時、KRUMPに特化したダンスチームの一員として活動していたEXILE AKIRA、小林直己と岩田剛典。彼らの練習会に参加するうちに、KRUMPにのめり込むようになった。だが、練習に参加するようになって間もなく、AKIRAがEXILEに加入し、小林直己や岩田もEXILEファミリーに仲間入り。続々とメジャーシーンに進出していく先輩達の背中を追うように、2006年からは、佐野も特待生としてEXPG東京校に通い始めた(※1)。

 ちなみに、その頃はかなりやんちゃだったようで、EXILE TRIBEが『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演した際には、7歳年上の岩田から「クソ生意気だったんですよ。昔の写真をいろいろ出してくると、僕が全部(佐野に)肩組まれてる」といじられ、当時の肩組みを2人で再現する場面も。『週刊EXILE』(TBS系)に出演した際には、EXILE NAOTOから「(橘)ケンチさんが一回本当に怒って、くすぐったら玲於が泣いちゃって、“ケンチさんとはもう話さない!”(って言ってた)」と暴露されたこともあった。先輩達にとっては、生意気だけど、可愛くてしかたがない存在なのだろう。また、10歳の時に現メンバーの小森隼と出会うと、同い年の2人は同志として切磋琢磨する兄弟のような関係に。小森が「玲於は僕よりも早くストリートダンスを始めていて『EXPGのインストラクターの方と一緒にやっていた子が来る』って話題になっていました。入った時からダンスはずば抜けてうまかったしセンスもすごく良かった」(※2)と語るように、佐野は小学生の頃からキッズダンサーとして活躍しており、EXILEをはじめとするアーティストのライブやMVに多数出演。2006年には、レイザーラモンHGの「YOUNG MAN』のMVにバックダンサーとして出演していたことも知られている。

 その後、サポートダンサーとして経験を積んでいたところに、LDH内で新たに若い世代のグループを結成するというプロジェクトが始動。2011年4月、佐野は小森と共にEXPG内のオーディションを受けると、1週間の合宿を経て、GENERATIONSの候補生に選ばれた。高校生の中には、自分の将来をまだ具体的に考えていない人もいると思うが、「オーディションは自分が高1になりたての時で、やっぱ家庭もひとり親で裕福じゃなくて自分もバイトしなきゃいけなかった。学校にも行ってバイトして時間がない中で、このグループに入れなかったら、しばらく(新たなグループ誕生は)ないだろうと考えたとき、ダンスを教える道もあるのかなと頭に浮かびました」(※3)と語るように、高校1年生の彼にとって、GENERATIONSのオーディションはまさに人生を懸けた一大事。2012年11月21日、GENERATIONSがシングル『BRAVE IT OUT』でメジャーデビューを果たすまでは、とてつもない苦悩や葛藤があったという。将来の選択、育った環境も性格も経歴も異なる7人で臨んだ2度の『夢者修行』、メンバーチェンジ……。それらの苦しみから一気に解放された証が、デビューイベントでラゾーナ川崎のステージに立った時、大粒の涙として溢れ出したのだった。なお、2014年にはシード枠で『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』に挑戦。そこでは惜しくも落選したが、『夢者修行』の時にGENERATIONSの候補メンバーを繋いだ“EXILEになりたい”という強い想いは、引き続き彼の原動力になっているようだ。

GENERATIONS from EXILE TRIBE / BRAVE IT OUT

 佐野が得意なダンスジャンルは、先述した通り、KRUMP。もともとはストリートでの抗争や暴力を止めるため、それに代わるものとして生まれたダンスであり、足を踏み鳴らす“ストンプ”、胸を突き出す“チェストポップ”、力いっぱい腕を振り下ろす“アームスイング”といった、身体を大きく見せて挑発するような動作が特徴だ。クランパーはEXILE TRIBEにも多く、佐野もLil Twiggz名義で、日本最高峰のKRUMPアーティスト集団であるTwiggz Famや®AG POUNDに所属。EXILE AKIRAや三代目 J SOUL BROTHERSの小林直己、岩田剛典、GENERATIONSの関口メンディーといったメンバーと活動を続けている。体幹の強さがよくわかる、キレッキレで気合いの入ったダンスが彼の魅力で、メンバー1ダンス歴の長い中務も「集中力が半端なくて、そこはすごくリスペクトしているし、研ぎ澄まされたダンスはアーティスティックです」と称賛している(※4)。

GENERATIONS from EXILE TRIBE / 「Sing it Loud」 佐野玲於solo dance ver.

 また、2012年にドラマ『シュガーレス』で俳優デビューを果たすと、2018年には、主演映画『虹色デイズ』と、主演・吉田羊の息子役を演じた映画『ハナレイ・ベイ』が公開。『PRINCE OF LEGEND』シリーズのようなコメディタッチの作品でも爪痕を残し、着実に俳優としてのキャリアを重ねている。小学生の頃から慕っているEXILE AKIRAや岩田剛典は、俳優としても憧れの存在のようだ。

 クールな印象を持たれやすい佐野だが、その素顔はツンデレないたずらっ子。毒舌を炸裂したり、最年長の関口を先陣切っていじる姿は、GENERATIONSの定番になっており、数原からも「メンディーくんは、玲於の遊び道具ですから。2人のやりとりを見ているとすごく面白い」(※5)と言われている。その一方、周りからは誤解されやすいところも……。そんな彼をしっかり者の片寄がフォローしているようで、塩対応に定評のある佐野も「涼太くん僕の通訳だから(笑)」(※6)と甘えた発言をしている。メンバーにいたずらを仕掛けている時の小悪魔な笑顔や、不器用な一面、ふいに見せる“デレ”に、母性本能をくすぐられるファンも多いだろう。とはいえ、近年では“Jr.EXILEの長男”として後輩を引っ張る機会も多く、佐野のプロ意識の高さが組織の士気を高める一因に。

 デビュー当時は16歳で末っ子キャラだった佐野玲於も、現在25歳。ダンスも芝居もファッションも、好きなことを追究し続けるその背中は、ますます頼もしく輝いている。

1、3:https://hochi.news/articles/20190222-OHT1T50112.html
2:https://hochi.news/articles/20190628-OHT1T50190.html
4:https://www.excite.co.jp/news/article/Jisin_1638376/
5:https://jisin.jp/entertainment/interview/1638376/
6:https://jisin.jp/entertainment/interview/1638319/

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)

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