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『まだ結婚できない男』各々の“どうしようもなさ”が病みつき 吉田羊の過去も明らかに

リアルサウンド

19/11/6(水) 6:10

 13年前に人気を博したドラマ『結婚できない男』の続編『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)。前作から月日は流れ、時代は令和を迎えたが主人公の“結婚できない男”桑野信介(阿部寛)は現在53歳、相変わらず独身を貫いている。

参考:『まだ結婚できない男』深川麻衣が語る、ファンとしての思いと挑戦 「遠慮せずに自信を持って」

 第5話「神様にお願い事して悪いか!!」が図らずしも「縁結びの日」である11月5日に放送された。弁護士まどか(吉田羊)の誘いで有希江(稲森いずみ)、早紀(深川麻衣)が女子3人旅で鎌倉を訪れる。するとなんとそこには一人旅を満喫中の桑野の姿があった。遭遇するなり女子旅の目的をスバリ「縁結び」だと言い当て、まどかたちを辟易とさせる。

 しかし鎌倉でまどかを待ち受けていたのは桑野との予期せぬ鉢合わせだけでなく、後輩エリカ(野波麻帆)との久々の再会だった。絶賛婚活中で毎月鎌倉の縁結びスポットに通っているというエリカの好みのタイプを聞くと、意外や意外概ね桑野が該当している。エリカに切望され、渋々2人を引き合わせることに了承するまどか。

 結婚を熱望するエリカからの「どうして結婚しないんですか?」の問いかけに、結婚に対する怒涛の持論展開を繰り広げる桑野。結婚したことを嘆く偉人の名言の引用オンパレードに、「結婚後の災難」として「親と親戚が倍になる」ことの億劫さ、しがらみができることの不自由さ、息苦しさを淡々と説き続ける。畳み掛けるような桑野の結婚不要論の勢いに圧倒されてついに「私が間違っていました」と泣きっ面で逃げ出してしまうエリカ。そんな姿にまどかはもちろん、これまで桑野の肩を持っていた有希江もさすがに呆れ顔をのぞかせる。

 「あなたにはデリカシーの前に、そもそも愛がない」と桑野に苦言を呈しエリカのフォローに入ったまどかだったが、当の本人のエリカから返ってきたのは意外なリアクションだった。むしろ言い負かしてくれた桑野に感謝しているというのだ。

 「最初はショックだったけど、あれ以降憑物が取れた」とケロッとした顔で話すエリカ。少なくともエリカには縁結びスポットでの神頼みよりも、従来のエリカとは対極にあった桑野の極論の方が有り難みがあったようでなんだか生きるのが楽になったようだ。

 ちなみに鎌倉で桑野が「知る人ぞ知る神頼みスポット」として参拝していた神社には商売繁盛の神様が祀られていたらしい。桑野はコンペに通過。またそうとは知らず、桑野の跡をこっそり追って参拝した女子3人にも思わぬご利益があったようだ。まどかにはメディアでも取り上げられている注目の裁判の弁護依頼が舞い込み、早紀にはテレビ出演オファーが。それぞれに恋愛事情は相変わらず何の進捗もないようだが、仕事は順調な模様。

 女子3人旅の初夜、宿泊先の旅館で美味しい食事に舌鼓を打ちながら「これまでのイタい恋愛話」の暴露をする3人。そこでおそらく初めて語られたまどかの恋愛事情があまりに酷すぎて、気兼ねなく笑える類のものでもなく、有希江と早紀が必死にフォローに回る様子がリアルだった。さらに2人がフォローするために咄嗟に引き合いに持ち出したのが桑野という点も苦肉の策であるのが滲み出ており、よりまどかの恋バナの滑稽さを引き立たせていた。

 鎌倉旅を振り返って、早紀が友人に「年上女性との旅は気を回す必要があるが、それもまた女優として芸の肥やし」と話していた様子からも、女子3人の絶妙な関係性が窺い知れる。なんだかんだ言ってそれぞれが各々の「どうしようもなさ」を引き受けながら紡がれている関係性がよく伝わってきて、これがまた視聴者としても病みつきになってしまうのだ。

 次週、ついに桑野を誹謗中傷する“やっくんブログ”の管理人の正体が判明するようだ。桑野がジムで目をつけている薬丸(デビット伊東)が犯人なのか!? またまどかのいとこの登場によって、あまり語られぬ彼女の親子関係を含めた過去が明らかになるようだ。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで2018年の劇場鑑賞映画本数は96本。

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