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木村拓哉、今なお色褪せない“Little Man”としての精神ーー斎藤工とラジオで語った『スマスマ』企画を振り返る

リアルサウンド

20/5/6(水) 6:00

 木村拓哉がパーソナリティを務めるラジオ『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』(TOKYO FM)。通常は木村と親交のあるマンスリーゲストを招き、ざっくばらんにトークを展開する同番組。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月26日放送回より木村が自宅からリモート収録するイレギュラー体制となったが、じっくりとソロトークを披露したり、さらりとアコースティックギターで「夜空ノムコウ」を奏でたりと聴き応え十分な放送になっている。

(関連:木村拓哉から贈られた視聴者への“ギフト” 『SONGS』が映した過ぎゆく時の大切さ

 5月3日放送回では、リスナーからのお便りをもとに、4月のマンスリーゲストだった斎藤工が語った、懐かしい話題で再び盛り上がった。それは、1997年3月にオンネアされた『SMAP×SMAPスペシャル 木村拓哉大西部へ行く!』。木村がネイティブアメリカンと対面したドキュメンタリー企画だ。その番組で初めてテレビの中の木村と対峙したという斉藤は、大きな衝撃と影響を受けたと話していた。

 ドキュメンタリー内で、木村は「いつかきっといい男になれるように。いい歳のとり方ができるように。良い妻に巡り会えるように。強い心を持てるように。いい人生を、そして強い体を。いつもいい気分でいられるように。そして、成功が収められるように……」と願いを掛けられながら、ひとつの羽をもらっていた。それは、ネイティブアメリカンの精霊が宿っていると言われる羽。

 そして、精霊から「Little Man(現地の言葉で“ドワッチ・ラッチ“)」という名前で呼ばれる。その名前には、「今はまだ小さな男だ。いつか必ず大きな男になれるだろう」という意味が込められていると知った木村は「そのまんまの自分だよ、それ」と羽を愛おしそうに握りしめる。そして、ラストにネイティブアメリカンに誘われ、民族衣装を身につけて踊った木村の口からつぶやかれたのは、「俺、絶対忘れない。今木村拓哉でもなく、ましてやキムタクでもなく、Little Manとして一緒に踊れたような気がする。すごく嬉しい。絶対忘れない」という言葉だった。

 当時の木村といえば、『ロングバケーション』『ギフト』『ラブジェネレーション』と、数々の名作ドラマを生み出していた時期。誰もが日本のトップアイドルとして認めるタイミングだったことから、斎藤は「僕にとって“いちばん大きい人“が、“Little”って……それを木村さんがナレーションでも受け止めて、“ここからまた明日に向かっていく“っていう終わり方だったんですよ」と、その真摯な姿勢に衝撃を受けた様子を語る。

 さらに斎藤は、そのドキュメンタリーに影響を受け、先住民の研究も始めたと話す。そして「人間ファーストじゃなくて、自然の一部であるっていう考えっていうのも、あの番組をきっかけに僕は言及しだしたので。僕の人生の、多くの人のだと思うんですけど、木村さんっていう存在がきっかけを与えてくださったなって」と続けた。

 実は、2019年5月26日放送回で、「人間って、本当に生きてるだけで幸せやなって感じましたね。自然って意志を持っているっていう感覚」と熱弁するゲストの桐谷健太に、木村は「こうやって話をしてると健太をあそこに連れて行きたいな。 僕がネイティブアメリカンの人たちと一緒に過ごした場所があったんですけど、そこはやばかったな~」と語りかけており、彼の胸に今もなおあの記憶が色褪せていないことを見て取れた。

 大きな環境の中で、生かされている自分を見失わないこと。常に自分がLittle Manであることを忘れずにいること。それが、常に大きなうねりの中心にいる木村拓哉という人が、強くしなやかに生きている秘訣なのかもしれない。(佐藤結衣)

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