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野村萬斎による“解体新書”の集大成『5W1H』が開幕

ぴあ

19/7/9(火) 0:00

(左から)石橋素、野村萬斎、真鍋大度

世田谷パブリックシアターの芸術監督・野村萬斎が、現代芸術のさまざまな分野や要素をパーツとして解体し、各々の成り立ちを問い直すシリーズ『MANSAI 解体新書』。本日7月9日(火)に初日を迎える今回で、ついに30回目。今回は特別版として、第1部でこれまでの“知の成果”をカタチにする新作パフォーマンス『5W1H』を上演。第2部では各回異なるゲストを招き、萬斎と“表現の本質”を探るトークを展開する。

知られているように、「5W1H」とはWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、そしてHow(どのようにして)の頭文字をとったもの。ここでは人間行動の要素を「5W1H」と記号化することで、人間のプリミティブなパフォーマンスを表現。そこから“生きている人間”を実感していく試みだ。

気になるパフォーマンスは、数式により可視化された人間の“ある行動”を、数学的思考(デジタル的世界観)でひも解いてゆくとのこと。フライヤーに躍る「人間の身体行動・行動様式は数値化できる」というコピーが刺激的だが、それと並行して、身体的思考(アナログ的世界観)でもとらえてみるそうなので、“究極のアナログ”演劇を愛する者にとっては興味深いところだろう。

またパフォーマンスのビジュアルデザイン・テクニカルディレクションは、世界的なトップクリエイターであり、Perfumeのライブ演出なども手がける真鍋大度・石橋素/ライゾマティクスリサーチが担当。真鍋は日本の伝統美を最先端のテクノロジーで可視化するアートパフォーマンス『FORM』(2017、2018年)で、萬斎との共同演出は経験済み。今回のディレクションにも注目だ。

第2部のトークゲストも首藤康之やコロッケなどのパフォーマーや、大友良英、樋口真嗣らクリエイター、さらには医師や建築家など、多彩な顔ぶれ。新しい角度から人間の根本に迫る第1部と、舞台芸術を深く語り合う第2部との組み合わせは、今後の舞台芸術の行方を占う貴重な視点を与えてくれそうだ。

MANSAI 解体新書 その参拾 特別版『5W1H』
7月9日(火)~14日(日)
世田谷パブリックシアター

文:佐藤さくら

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