Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

サザン桑田、明日発売『週刊“少年ジャンプ”』と新曲「壮年JUMP」の奇跡のコラボで感動 「デビュー当時のようだった」

リアルサウンド

18/8/5(日) 19:00

 8月4日深夜に放送された『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系列38局ネット)。先々週から引き続き、1日にリリースされたサザンオールスターズのデビュー40周年プレミアムアルバム『海のOh, Yeah!!』(海の“オヤー”)の特集として収録曲がオンエアされたほか、この夏、精力的な活動を続ける桑田から、多くのエピソードが語られる放送回となった。

 冒頭から、今年創刊50周年を迎えた『週刊少年ジャンプ』とのスペシャルなコラボレーションが告知される。8月6日発売の36・37合併号の表紙にサザンが登場するほか、連載中の大人気マンガ『Dr.STONE』の原作を担当する、稲垣理一郎による桑田のインタビューが掲載。マンガ業界随一のサザンフリークだという稲垣のインタビューとともに、『新米婦警キルコさん』などの作品で知られる漫画家・平方昌宏氏がその場で桑田の絵を仕上げ、通常のインタビューページとその模様を漫画化したルポ漫画ページが掲載されるスペシャル展開だ。桑田もこの特別企画に感動したようで、「初めての経験で、まるでデビュー当時のように新鮮でした。みなさん、良い方ばかりでね」と感謝の言葉を述べた。『少年ジャンプ』からタイトルの着想を得た新曲「壮年JUMP」の制作秘話も明かされているとのことで、必見の内容だ。

 40周年のアニバーサリーを迎え、更に加速し続けているサザンの活動。リスナーからは、7月31日にNHKホールから生放送された『うたコン』の感想メールも届いていた。「壮年JUMP」、「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」をライブで披露したのはもちろん、懐かしの映像や、MCを務める谷原章介とのやりとりもファンを楽しませたようだ。桑田は「『うたコン』はよく観ているし、谷原さんはすごく楽しんで番組をやられているのがいいなと思っていました。谷原さんのエネルギーに引っ張られるんですよ。この時代にアナログのフルバンドで演奏するし、画が強いんだよね」と、番組への思い入れを語っていた。

 また同番組では「アイドル」がひとつのモチーフとなっている「壮年JUMP」にちなんで、桑田が選ぶアイドル特集も。桑田は天地真理の「恋する夏の日」(1973年)、藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」(1970年)をピックアップしており、これについて「天地真理は可愛らしいポップス、藤圭子は謎めいた魅力があり、真逆のように思えるけれど、歌の奥底にはらんだものは、孤独や悲しみ、報われない恋だったり。時代もあるかもしれないけど、本当に好きだったんですよ」と振り返っている。歌心のある往年のアイドルたちに思いを馳せて聴く「壮年JUMP」には、また違った感慨がありそうだ。

 リスナーからは、『海のOh, Yeah!!』の収録曲への思い入れを語るメッセージも数多く届いていた。あるリスナーは、伊豆国下田の芸者「唐人お吉」をモチーフにした、原 由子歌唱による「唐人物語(ラシャメンのうた)」(1998年)に、悲しさ、美しさ、覚悟を感じるという。桑田は舞台となる下田について、「ペリーが来航した場所というだけじゃなく、フィリピン海プレートの上に乗っかった、真っ白い砂浜と海がものすごく美しい。温泉があって、花咲く山里があって、西日がすごくきれいなんだよ」と、楽曲に描かれた情景に花を添えていた。

 またあるリスナーは、「爪の形が亡き父によく似ていて、爪を切っているとふと、父を思い出して会いたくなる」というエピソードから、「東京VICTORY」(2015年)の<私を抱きしめ 守ってくれた 人はもういない>というフレーズが胸にしみると語る。桑田は「昔は似ていると言われると嫌だったけれど、祖父、祖母の代から、戦争や震災を乗り越えて、その上に自分たちがいると思うと、親父、お袋、親戚とそっくりのDNAがありがたいな、うれしいなと思いますね」と共感。名曲がそろったプレミアムアルバムの楽しみ方は人それぞれだが、切なく美しい情景や記憶を思い起こしているファンも少なくないようだ。

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018』の最終日、8月12日にステージに立つことも決定しているサザン。『ROCKIN’ON JAPAN』7月30日発売号でインタビューを受けたエピソードに触れながら、桑田はあらためて「自分たちだけでここまできたわけじゃないんです。人生一人では生きられないし、それでは生きる気も生まれない」と、絶好調の40周年イヤーを迎えられていることへの感謝を語るのだった。

 そして番組の最後には、ビートたけしや前川清も歌唱した晩夏の名曲「SEA SIDE WOMAN BLUES」(1998年)の弾き語りが披露された。桑田の歌声とギターが、湿度の高い熱帯夜を心地よいものに変えていく。多彩なエピソードとともに、最新曲「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」、「壮年JUMP」、「北鎌倉の思い出」のほか、「イエローマン星の王子様」1999年、「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」(1998年)、「栄光の男」(2015年)など、色とりどりの楽曲がオンエアされた、この日の放送。フルアルバムを楽しむような濃密な1時間だったが、『海のOh, Yeah!!』が持つ魅力のごく一部が届けられたに過ぎないことに、あらためて驚かされる。放送ごとのセットリストをまとめ、桑田が語るエピソードを思い起こしつつ、一つの作品として楽しんでみるのも良さそうだ。そう、サザンの夏は、まだ始まったばかりだ。(文=橋川良寛)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む