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池松壮亮が「アジアの天使」韓国初上映で家族の在り方語る、オダギリジョーも参加

ナタリー

21/5/10(月) 18:00

全州国際映画祭にて、「アジアの天使」舞台挨拶の様子。

石井裕也の監督作「アジアの天使」が韓国・全州(チョンジュ)国際映画祭のシネマフェスト部門に出品され、石井のほかキャストの池松壮亮、オダギリジョーが日本からリモート参加した。

オール韓国ロケで制作された「アジアの天使」は、ソウルから江原道への列車で巡り会った日本人と韓国人の家族を描いたロードムービー。シングルファーザーで小説家の青木剛に池松、韓国在住の兄にオダギリ、元アイドルで売れない歌手のチェ・ソルに「金子文子と朴烈」のチェ・ヒソが扮した。

映画祭では5月1日に韓国で初上映され、終映後に舞台挨拶を実施。韓国の会場ではチェ・ヒソが登壇し、画面越しの池松、オダギリらと久々の再会を互いに喜んだ。池松は「アニョハセヨ」と韓国語で挨拶したのち、「韓国のお客さんに初めて観てもらえてうれしいです」と感謝した。

韓国と日本それぞれのキャストを起用して韓国で撮影したきっかけを、石井は「プロデューサーのパク・ジョンボムさんと2015年に釜山映画祭で出会って韓国は特別な国になりました、“彼と出会えた奇跡”を韓国で撮りたいと思っていて、それが数年越しに叶いました」と説明。オダギリは「海外での撮影はもちろん大変なことだらけですが、日本のシステムを捨て、その国に合わせて0から戦っていかないといけないのが実は新鮮で心地いいんです。実際、韓国の俳優の皆さんとの撮影は楽しかったですし、夜お酒を飲みかわしながら友情を育んでいけたと思います」と韓国での撮影を懐かしむ。

またチェ・ヒソは、剛たちに出会ったことでソルが変化していったことに触れ、「愛の表現を家族にもできるようになったと思います。あるシーンでも剛の息子・学に対してはっきり『家族です』と言うのです。家族ではないけど、家族のようなつながりを確かに感じて出た言葉だと思います」と語った。

最後に石井は「家族の価値観や固定概念をなくそうと思って作りました。どんな関係であってもいい。好きなものを食べて、お酒を飲むこと、それだけでいいと思っています」と本作に込めた思いを伝え、池松も「韓国ロケの最中、僕たちは、家族でもない、チング(友人)でもない、ゆるやかな生命共同体みないなものになれました。家族とは“自由な共同体”。この映画の家族は、ともに同じ物語を信じられた人たちだったと思います」と話した。客席にいたソルの妹ポム役のキム・イェウンも登壇するなどサプライズも起こり、温かい雰囲気のままイベントは終了した。

「アジアの天使」は7月2日に東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。

(c) 2021 The Asian Angel Film Partners

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