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稲垣吾郎が悩みを抱えた人たちの心を潤す 熟成された言葉に宿る“夏を涼やかに過ごすヒント”

リアルサウンド

20/8/24(月) 6:00

 ギラギラと照りつける日差しに加えて、マスクを着用して過ごすことの多い2020年の8月。うだるような暑さの中、雑誌『JUNON』10月号(8月21日発売)に稲垣吾郎が登場した。

 「2~3ページ目の手紙を書いている姿は涼やかで、『ここは避暑地⁉︎ マイナスイオン!』感があります」と、『JUNON』編集部の公式Twitterがつぶやくように、誌面でほほえむ稲垣の姿は、凛として美しく実に爽やか。

 思い返してみれば、『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)でも日傘男子として紫外線を避けて涼をとっていた稲垣。ゴルフのミラクルショットを決めるときにも、周囲の熱い声援に対してしっかりと状況を見定める冷静さを保っていた。稲垣は、物理的にも心理的にも「涼をとる」達人といえるかもしれない。

 『JUNON』にて読者の悩みに答える稲垣の言葉も、風鈴の音が心の中を潤すように、頭の中をフッと爽やかな響きが駆け抜ける。まだまだ暑さが続く今こそ、稲垣の言葉から涼やかに過ごすヒントを探りたい。

自分の中から落とすものと入れるもの

 皮脂と汗でベタベタになり、マスクによる蒸れで、より一層肌のケアにシビアになるこの季節。稲垣はどんなスキンケアをしているのか。すると「汚れをちゃんと落として保湿をするっていう、基本的なことぐらいかな」とサラリと答える。最近では、年齢とともに乾燥しやすくなることを踏まえ、プラスアルファ多めの保湿を心がけている、とも。クリームは、生薬など天然成分が配合されたものをチョイス。「あとは当たり前ですけど、食べ物とか生活習慣なんかはいちばん肌に顕著に表れると思うし、心身の健康が大事ですよね」と続けていた。

 稲垣のライフスタイルが洗練されている印象を受けるのは、いつも自分にとって何が必要なものかを見定めているように感じられるから。余計なものにとらわれないし、取り入れるときは極力ナチュラルでシンプルなものを。そんなふうにして、自分を構成するものをじっくりと見つめることで、スッキリとした日々を過ごしているように思う。それはカラダの中も、部屋の中も、頭の中も同様だ。水分も、栄養も、物も、情報も……ちゃんと落として、入れていく。まず、それを意識することで、新鮮な空気を取り込む風通しの良さが戻ってくるかもしれない。

ぶつかる「二面性」を愛する余裕を

 連日の暑さで、もはや何を着ていいのかわからない。去年の夏服がなんだかしっくりこない。そんなふうにファッションに悩む人も少なくないはず。「自分にとって落ち着くものと、好きなものの折り合いがつかない」というお悩み相談に、稲垣は「好きなものと落ち着くものっていう二面性があってもいいんじゃないかなと思うので」と答える。

 確かに、大人になるほど、純粋な「好き」だけでは済まない、年齢や立場に応じた「こうあるべき」という視点を取り入れる難しさにぶつかるときがある。それを稲垣は、無理やり折り合いをつけて、どちらかだけを選ぶのではなく、好きなものが似合うものになり、着たいものが落ち着くものに“なっていく”変化も楽しむことを忘れない。その柔軟さは、若くして“自分らしいスタイル”を手に入れた稲垣が、国民的アイドルという落ち着くホームでの活動を続けながら、ワインや文学など「好き」を追求していった姿と重なっても見える。自分の中に生まれた二面性は、決して矛盾するものではなく、バージョンアップの可能性として捉えるということ。軽やかな心の切り替えが、新たなスタイルを受け入れる余裕になるのではないだろうか。

優劣はない、自分は自分であること

 「ちょっとしたことで悩んでしまって、気持ちのコントロールができない」「友だちと比べて劣等感を抱いてしまって、うまく話せない」そうした行き場のないエネルギーで、頭の中がカッカッしてしまうこともあるだろう。そんなモヤモヤとしたお悩みに対して、稲垣の答えはいつもフラットだ。もともと「引きずらないタイプ」「人が上に行っても悔しくともなんともないタイプ」であるという。自分の内側へと向かったネガティブな感情は「いつかは忘れられるし、人間ってそういう生き物だと思う」といい意味で深追いしないスタンスを見せてくれる。また、自分の外側に向かった劣等感については「持つ必要はまったくない」「人によってペースが違うだけで優劣ではない」とキッパリと持論を展開。どんなに気分が落ちてもまた陽は上るし、他人がどんなスピードで駆け抜けていっても自分の立ち位置は変わらない。受けたダメージも、湧き上がった悔しさもなかったことにならないなら、自分を向上させるために必要なものだったと変換すればいい。明快な言葉に、まるで打ち水をまかれたときのように、脳内がクールダウンしていく感覚だ。

 とってつけたような励ましのフレーズではなく、時を重ねて思考してきた末に、結晶化したような言葉たちだからこそ、稲垣の回答は心を打つ。彼が教えてくれたヒントを胸に、自分をもう一歩高める季節になるよう、この夏をよりクールに生きようではないか。

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