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日向坂46、ハッピーオーラ全開でおひさまと心を通わせた時間 “22人”が初めて揃った無観客オンラインライブレポ

リアルサウンド

20/8/2(日) 6:00

 日向坂46の無観客オンラインライブ『HINATAZAKA46 Live Online, YES!with YOU! ~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~』が、7月31日に開催された。

 4月より行われる予定だった『春の全国アリーナツアー2020』が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため10月以降に延期振替となったことを受け、このライブは当初、春ツアーでお披露目されるはずだったセットリストなどがそのまま使用された。ライブのチケットは約9.2万人が購入し、推定総視聴者数は30万人に達したという。今年2月にグループに加入した3期生の高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世にとって初めてのライブで、今年5月より活動を再開させた、1期生の影山優佳にとっても初めての日向坂46のステージとなった。

 配信がスタートするとキャプテン・佐々木久美の「よっしゃ! みんなでおひさま(日向坂46ファンの呼称)にパワーを届けるぞ!」という掛け声からメンバー全員で円陣を行った。それから高橋、森本、山口の3人が初めての影ナレを実施。時折、初々しい表情を見せながらも、画面越しのおひさまに向かって「全国の会場で披露するはずだった春のツアーの完全再現、絶対に成功させるぞー!」と元気いっぱいに誓った。

 「Overture」を経て、音符柄の衣装に身を包んだメンバーたちが画面上に現れると、「ドレミソラシド」で勢いよくライブをスタート。続けて加藤史帆の「画面の前のみんないっくよー!」という掛け声をきっかけに「ハッピーオーラ」を笑顔全開でパフォーマンスした。

 MCでは佐々木久美が「今日はこうして画面上でお会いする形になっているんですけど、こんな時でしか届けられないライブを私たちは用意してきたので、皆さん楽しみにしていてください!」と力強く呼びかけると、渡邉美穂も「しばらくライブができない日々が続いていて、みんな本当に楽しみにしていたので、ぜひ画面の向こうのあなたも一緒に楽しんでいただけたらいいなと思います」と語りかけた。

 そしてステージには“新たに加わった仲間たち”として新3期生の3人が登場。それぞれが緊張しながらもライブへの意気込みを語ると、一足早くグループに加入していた同期の上村ひなのが「3人共すごくかわいくて個性豊かな子たちなので、これからみんなで活動できるのがすごく楽しみです!」と胸の内を明かした。

 舞台が暗転すると、続いては日向坂46主演ドラマ『DASADA』(日本テレビ系)に登場したクリエイティブアイドルユニット・FACTORYのために制作された楽曲「ナゼー」を東村芽依、河田陽菜、松田好花の3人で披露。けやき坂46時代に発表されたアルバム『走り出す瞬間』のリード曲「期待していない自分」ではセンターの佐々木美玲が、メインステージから客席に広がる回廊ステージを力いっぱい走り抜けていた。それから凛々しい表情で「青春の馬」を歌い踊ると、2期生と3期生による楽曲「君のため何ができるだろう」をフレッシュにパフォーマンス。佐々木美玲の「タオルを振る準備できてますか!」という掛け声をきっかけに始まったアッパーチューン「好きということは…」では、画面越しのおひさまとメンバーが一体となっていた。

 富田鈴花のラップを経て繰り出されたのは、“ひらがなけやき”時代からのライブの定番曲「誰よりも高く跳べ!」「NO WAR in the future」の2曲。画面越しの視聴者に向けて、パワフルなパフォーマンスを届けると、加藤、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、小坂菜緒、富田、渡邉がユニット曲「窓を開けなくても」をキュートに披露。歌唱メンバー以外も、テーブルや椅子を使ってライブ演出に加わっていた。

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 しっかり換気の時間が設けられた後、ライブは後半戦へ突入。1期生が「永遠の白線」を爽やかに歌い上げると、2期生が「未熟な怒り」を熱唱した。「ホントの時間」「川は流れる」が届けられた後は、美しい映像演出の中で「こんなに好きになっちゃっていいの?」を情感たっぷりにパフォーマンス。楽曲の世界観とリンクするような演出で、おひさまを魅了した。

 ここからライブはいよいよ終盤戦へ。「キュン」「ソンナコトナイヨ」といったアッパーチューンを披露すると、「キツネ」では東村が大胆なアクロバットを決め視聴者の目を釘付けにした。

 それから届けられたのはこの日2回目の「青春の馬」だった。

〈君は絶対諦めるな/何があったって/足を止めちゃそこで終わる/もう走り出せない〉。(「青春の馬」)

 新型コロナウイルスでの環境の変化や先の見えない状況の中、この歌詞を歌い踊る日向坂46のメンバーの姿に心を打たれたおひさまも多かったのではないだろうか。小坂と濱岸ひよりによる可憐なダンスシーンも、無観客とはいえライブが開催できた幸福感を象徴しているかのように映っていた。

 そして本編の最後に選ばれたのは「JOYFUL LOVE」。ペンライトを掲げたおひさまたちの映像がAR演出で合成され、客席に虹色の景色が広がると、佐々木久美は「おひさまのみんな見えてるよ!」とうれしそうな表情を浮かべていた。

 視聴者からの3万を超える「アンコール」のコメントが集まり、再びステージに登場したメンバーたちは日向坂46名義で初めてのアルバム(タイトル未定)リリースが決まったことを発表。新曲「アザトカワイイ」を収録した本作は、9月23日にリリースとなる。佐々木久美からライブの感想について聞かれた加藤は「日向坂らしいステージを作らせていただいて、本当にこうやって配信で皆さんに観ていただいたことがうれしい。リハーサル期間もたくさんの方にお世話になって、本当に良い環境でやらせていただいてるんだなって思って、本当に胸熱! アッ!」とユーモアたっぷりに溢れる思いを口にしていた。

 そしてここでついに、影山がステージに登場。21人と合流した影山は「日向坂46の影山優佳です! 今回のライブは春のライブツアーの再現という特別なライブで元々出演する予定はなかったんですけど、急遽私も参加させていただくことになりとてもうれしいです」と喜びを口に。それから「今回はアンコールだけなんですけど、いずれは皆さんに日向坂のメンバーとして認めてもらえるように、そしてゆくゆくは影山経由で日向坂を知ってもらえるように、日向坂の最終兵器になれるように一生懸命頑張っていきます。これからよろしくお願いします」と決意を語っていた。

 22人全員が揃うと最後に「約束の卵」がパフォーマンスされた。曲が終わると佐々木久美が「おひさまの皆さんのおかげでいつも活動ができています。会えない期間が続きますが、おひさまを思ってこれからも頑張っていきます! これからも応援してくださるとうれしいです」と挨拶し、配信ライブを締めくくった。

 日向坂46らしいファンタジーな世界観の物語と連動しながら進行された今回のライブ。22人のメンバーは“音楽の街の住人たち”に扮し、時間にうるさい時計、化けるのが嫌いなキツネ、足の遅い馬、電気の消えた提灯アンコウ、泣き虫なトラという風変わりな仲間たちと共に、楽曲と語りでストーリーを表現した。春ツアーでお披露目するはずだった豪華なセットや演出をそのまま使用し、衣装替えは10回にも及んだ。CGを使った美しい映像の演出も見事で、画面越しでもライブの世界観にグッと引き込まれた。また、抽選で選ばれたファンクラブ会員約2000人とメンバーがリモートでつながり、トークを楽しむという企画も用意されていた。会えない期間が続く中での、こういった試みはおひさまにとってもうれしい時間だったことだろう。

 無観客配信ライブでも見事なまでの表現力で視聴者を魅了した日向坂46。コロナ禍で思い通りに活動が出来ない状況ではあるが、佐々木久美の「会えない期間が続きますが、おひさまを思ってこれからも頑張っていきます!」という言葉の通り、メンバーたちはまっすぐに前を見据えているように感じた。おひさまにハッピーオーラを届けたいーー。そんな思いが体現されていた、素晴らしいライブだった。

■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter

■セットリスト
00. Overture
01. ドレミソラシド
02. ハッピーオーラ
03. ナゼー
04. 期待していない自分
05. 青春の馬
06. 君のため何ができるだろう
07. 好きということは・・・
08. 誰よりも高く跳べ!
09. NO WAR in the future
10. 窓を開けなくても
11. 永遠の白線
12. 未熟な怒り
13. ホントの時間
14. 川は流れる
15. こんなに好きになっちゃっていいの?
16. キュン
17. ソンナコトナイヨ
18. キツネ
19. 青春の馬
20. JOYFUL LOVE
<ENCORE>
01. 約束の卵
※高橋未来虹の「高」ははしご高が正式表記。

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