Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

BTS、記録更新中の「Dynamite」日本バイラルチャートでも上位に 初の全編英詞によるディスコファンクが示す“スキルの高さ”

リアルサウンド

20/9/22(火) 12:00

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(9月17日公開:9月10日~9月16日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Salem ilese「Mad at Disney」
2位:川崎鷹也「魔法の絨毯」
3位:もさを。「ぎゅっと。」
4位:BTS「Dynamite」
5位:オレンジスパイニクラブ「キンモクセイ」
6位:BLOOM VASE「CHILDAYS」
7位:Kanaria「KING」
8位:sui「可愛い君が愛おしい!」
9位:ズーカラデル「夢の恋人」
10位:NiziU「Make you happy」

 今回は4位にランクインしたBTS「Dynamaite」にスポットを当てたい。同曲は、Spotifyのグローバルトップ50で、8月21日の配信リリース当初に1位を記録している。BTSといえば、2018年にアジア圏出身アーティストとして、初めてアメリカの週間アルバムチャート「ビルボード200」で1位を獲得したことで、一気に知名度を上げたことが記憶に新しい。

 デビュー当時から、ワールドトレンドを重視した音作りに定評があり、いわゆるそれまでのフックが肝の“K-POP”とは一線を画するアーティストだった。メンバーの中に3人ラッパーがいたことや、ほとんどのメンバーがファルセットを自在に操れるほどレンジ(=音域)があったのも、2010年以降のトレンドを取り入れやすい構成だったのではなかろうか。そのサウンドゆえ、デビューから2年でワールドツアーを行い成功を収めている。日本でも、ティーンネイジャーを中心にデビュー当初からすさまじい人気であった。ドームツアーも当たり前、ライブのチケットも争奪戦でいつも即完、“ファンミーティング”と呼ばれるファンクラブ会員対象のイベント(=トークありゲーム大会ありライブありのファンとの触れ合いの空間。韓国ではメジャーなイベント)も、スタジアムやドームで開催してしまうほどだ。

 さて「Dynamite」である。この曲は彼らが初めて全編英詞で挑んだ1曲で、最初に聴いた時はハイクオリティーな洋楽ポップスだと思った。ブルーノ・マーズやMaroon 5を聴いているようだと、本気で思ったのである。

 清涼感あるメロディと〈Dynnnnnanana〉とキャッチーに繰り返される中毒性あるフレーズが印象的な「Dynamite」は、モータウン、ソウル、ファンクを彷彿させるパーティーチューン。70年代後半のディスコミュージックのファクターを至るところに散りばめながら、リズムの音色や楽曲構成、ラップやコーラスのアプローチ、余白あるバックトラックなどは今のトレンドを押さえている。ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」で、韓国人アーティストとして初めて1位を獲得した本作。この快挙が、楽曲のクオリティの高さを証明している。

BTS (방탄소년단) ‘Dynamite’ Official MV

 ここ数年で様々な“快挙”を連発しているBTSであるが、新曲「Dynamite」は快挙のオンパレードでもある。本作のMVは1日で再生回数1億110万回を突破し、YouTubeで公開されたMV史上、公開から24時間以内の再生回数の最多を記録。また冒頭で触れたSpotifyのグローバルトップ50で1位を獲得したのも、韓国アーティストとしては初めてだ。リリース当日のSpotifyでの再生回数は全世界で777万8950回と、今年発売初日に最も多い再生回数を記録した曲となった。また、8月21日のオリジナルバージョンのリリース以降、同曲の複数のリミックスバージョンを定期的に配信リリースしているのも面白い。発売から1カ月で、今なおランキングの上位をキープし、ロングヒットの兆しが見えてきたのも、この“仕掛け”が影響しているだろう。しかしながら、この手法が成立するのも楽曲のクオリティがあってこそ、である。そしてそのクオリティを支えるのが、BTSの個々のスキルであることは間違いない。

 今、世界中で最も再生されている曲と言っても決して過言ではないであろう「Dynamite」。前述した快挙を鑑みれば、もはや現象と言っていい。この曲が持つ、“思わずリズムを取りたくなるような明るさ”が、世界中から求められているのかもしれない。

■伊藤亜希
ライター。編集。アーティストサイトの企画・制作。喜んだり、落ち込んだり、切なくなったり、お酒を飲んだりしてると、勝手に脳内BGMが流れ出す幸せな日々。旦那と小さなイタリアンバル(新中野駅から徒歩2分)始めました。
Piccolo 266 インスタグラム

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む