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「Fukushima 50」佐藤浩市、渡辺謙ら世界へ思い届ける「負の遺産を明日への遺産に」

ナタリー

20/1/26(日) 19:35

「Fukushima 50」ワールドプレミアにて、前列左から吉岡秀隆、佐藤浩市、渡辺謙、安田成美。後列左から佐野史郎、緒形直人、平田満、萩原聖人、若松節朗。

「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」のワールドプレミアが、本日1月26日に東京・東京国際フォーラムで行われ、キャストの佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒形直人、平田満、萩原聖人、佐野史郎、安田成美、監督の若松節朗が登壇した。

東日本大震災時、高い放射線量のもと収束作業にあたった作業員たちの姿を描いた本作。佐藤は福島第一原発1・2号機の当直長を担当した伊崎利夫、渡辺は第一原発所長の吉田昌郎を演じた。

イベントは本作の音楽を担当した岩代太郎の指揮のもと、NHK東京児童合唱団と東京フィルハーモニー交響楽団による楽曲の生演奏からスタート。サウンドトラックの演奏に参加したヴァイオリニストの五嶋龍、チェリストの長谷川陽子も美しい旋律を響かせて会場を魅了した。

佐藤は「さっき舞台袖で謙ちゃんと握手をしました」と明かし、「つらい場面もあって被災された方々に観ていただくことは怖くもあるのですが、エンディングまで観たときに必ず何か残る。そう信じています」と力強く語る。渡辺も1月に行われた福島でのキャンペーンを振り返り「当時いろいろなニュースが飛び交っていましたが、この映画によって真実がわかりました。『この映画を作ってくれてありがとうございます』という言葉をいただいたときは、誇りと自信を感じました」と、本作への格別な思いをにじませた。

時系列に沿って進められた撮影において、佐藤は「シーンを重ねていくうちにみんな同じ境遇にいるという意識が強くなって、ある種の結束感が生まれていった」と回想。防護服を着用しての撮影はハードであり、吉岡は「撮影が終わってマスクを取ったらみんな老けていました。浩市さんも『64-ロクヨン-』の前後編より疲れたと……。みんな精気を吸い取られるように必死でした」と述懐する。

世間から批判を受けることになる内閣総理大臣に扮したのは佐野。「『よくお受けになりましたね』と言われます。当時何が正しかったのかはわかりませんが、情報がない中でどう判断すべきか誰もわからなかったというのが事実です」と語ると、渡辺が「なんでこんなに弁解してるかというと……映画を観ればわかります。でも佐野さんって本当に素敵な人なんですよ!」とフォロー。佐野は「弁解じゃない、事実なんです! それぞれの立場になって考えられればと思いました」と苦笑いした。

本作は世界73の国と地域で上映されることが決まっている。若松は「5年かかって完成しました。映画の趣旨に賛同して参加してくれた俳優さんたちと突き進むだけでした」と長い道のりを述懐。渡辺は「世界に向かって届けるため、この(英語表記の)タイトルになったのだと思います。この男たちが世界を救ったかもしれない。そう思って観てもらえたら」と観客に語りかけ、佐藤は「災害というものは深い傷跡を残すもの。でも負の遺産を明日への遺産に変えられるよう、皆さん願ってください」と呼びかけた。

「Fukushima 50」は3月6日より全国ロードショー。

(c)2020『Fukushima 50』製作委員会

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