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蒼井優、ヴェネチア映画祭トロフィーに「すごい“圧”があります」 『スパイの妻』配信トークイベント開催

ぴあ

20/10/8(木) 12:38

『スパイの妻』配信トークライブ(左から黒沢清監督、蒼井優、高橋一生) (C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

蒼井優を主演に迎え、黒沢清監督がメガホンを取った映画『スパイの妻<劇場版>』の配信トークイベントが10月7日、渋谷ユーロライブにて開催された。

本作は太平洋戦争開戦間近の日本を舞台に、時代に翻弄された夫婦の愛と正義をかけたミステリーエンタテインメント。高橋一生演じる、恐ろしい国家秘密を知った夫を支える妻・聡子を日本映画界を牽引する女優の蒼井が演じる。先日行われた第77回ヴェネチア映画祭では銀獅子賞(監督賞)を受賞し、日本人作品としては17年ぶりの快挙を達成。トークライブには、黒澤監督、蒼井、高橋の3名が参加し、現在の心境や撮影の裏側を語った。

イベント当日、ヴェネチアから到着したトロフィーを掲げて登場した黒沢監督。「ヴェネチア映画祭のコンペティション部門に選ばれただけで、もう十分幸せだったんですが、おまけにこのような賞をいただけて…。そのニュースを聞いたときは『やった』と思いつつ、実感がなかったんですが、このトロフィーが届いて、なにやら映画の歴史に名前が刻まれたんだなという感慨がわいてきました」と受賞の喜びを語る。さらに、この日初めてトロフィーを目にしたという蒼井は「人生でこんな近くで(トロフィーを)見ることができるなんて……。触れる距離にあるんですけど、(おそれ多くて)全然、触ろうと思わないというか、すごい“圧”があります」とリアルな心境を明かした。

今回のトークイベントは事前にファンから集められた質問や、同時進行でTwitterから寄せられた質問に3人が答える形式で開催。劇中では1940年代の衣装が登場することから、お気に入りの衣装を尋ねられた高橋は、蒼井がポスターで着用している黄色のワンピースを挙げ「かわいかった」と語った。イベントでの黒沢監督の語り口について、ライブ配信のTwitterでは「監督が優しい!」というコメントが多く寄せられたが、蒼井は「今回で(一緒に仕事をするのは)3本目なんですが、初めて監督が神戸の出身で、関西人なので笑いをなるべく大切にされていると伺って…。現場では寡黙なイメージがあったので意外でした」と黒沢監督の意外な一面を明かす。続けて、蒼井と高橋に互いの印象や魅力を尋ねると、高橋は「夫婦役は2度目だったんですが、お芝居に関しては全幅の信頼を置いているので、楽しみで仕方がなかったです」と笑顔で振り、蒼井は「尊敬してる先輩なんですが、一緒に何かを作るということをさせていただけるのがありがたいです。すごい先輩であることを知りつつ、一緒に歩んでくださることに感謝しています。できればまた共演したいです!」と再共演を熱望した。

高橋は本作について「見方によっていろんな捉え方ができる映画。根幹にあるのは、人が人を思うということ、人間的に生きていくための根源的なテーマが随所にまぶされている作品だと思います」と語り、蒼井さんは「人によってはホラーよりも怖い映画だと思います。夫婦の映画でありながら、ミステリーであり、謎がたくさんあって、見る人の数だけ答えがあります。ぜひ劇場で面白さと恐ろしさを楽しんでください」とメッセージを送る。最後に黒沢監督が、改めて蒼井さん、高橋さんについて「すさまじいお芝居を見せてくれる」と絶賛。「時に剛速球を、時にはすごい変化球が見ている方に飛んでいくので覚悟してご覧ください。それはみなさんを傷つけるのではなく、必ず心の中に刺さっていくと思いますので、どうか真正面から受け止めてください」と語り、トークライブは幕を閉じた。

『スパイの妻<劇場版>』 10月16日(金)全国公開

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