『ブレック・ファストクラブ』では高校の図書館で課題に取り組んでいたエミリオ・エステベスが、監督として公共図書館を舞台にした映画を撮る。彼の青春映画を観てきた世代にとっては、それだけで胸が熱くなるような……!? 監督としても安定した力を発揮してきたエステベスは現代のさまざまな社会問題を盛り込みながら、ホームレスたちの立てこもりがどう着地していくのか？　という展開でも観る者を巧みに引き込んでいきます。スタインベックの『怒りの葡萄』の一節も登場して、文学が人を励ますこともしっかり描かれているあたりにも、監督の誠実さを感じました。