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V6 三宅健、解散発表後ラジオを通して届けた言葉 悲しむファンを抱きしめた温かな30分

リアルサウンド

「できることなら、寝られないみんなのところに今すぐ飛んで行って、みんなに会いたいです。そして、一人ひとりを一緒に泣きながら抱きしめてあげたいと思ってます」

V6

 そう語りかけるV6三宅健の声のバックには、V6の「The One」が流れていた。さらに「お相手は、三宅健でした。それではみなさん、おやす……三宅健」と続けると、森田剛が歌う〈幼い頃の夢を 見て〉のパートが印象的に響く。

 そして「本当にちゃんとしっかり寝てください。おやすみ!」のあとには、〈離れていても  会えなくても 僕らはひとつさ〉 の歌詞がそっと心を包み込んでいく感覚が……。

 これぞ、V6。これぞ、三宅健。そう、うなりたくなる完璧なラジオだった。『三宅健のラヂオ』(bayfm78)3月15日放送回は、12日に発表されたV6解散のニュースにショックを受けるファンをそっと抱きしめる、温かな30分となった。

 この日の収録は、舞台『藪原検校』の公演を終え、石川県のホテルからリモート収録だという。きっと、もっと前に収録することも可能だったはず。しかし、三宅は「なるべく発表されて、みんなの声をちゃんと聞いて、リアルタイムでこのラジオを届けたかったので今日収録することにしたんですけど」と、率直な心境を言葉を一つひとつ拾い上げるように話し始める。

 ファンにとって世界が一変してしまうような出来事になってしまい、申し訳なく思っていること。三宅自身も実感がなかったけれどファンから届いたメールを読み、石川に向かう新幹線で涙が止まらなかったこと。ファンのみんなにも涙が出るなら無理やり止める必要もないし、その今湧き出る感情に素直になってほしいこと……その上で、11月1日までの約7カ月半を「最高の思い出にしたいし、最高の時間にしたい」と優しく語りかける。

 「ジャニーさんが作ってくれたものを一番綺麗な形で大切な箱にしまえるのかもしれないな」そんな言葉も飛び出した。どんな状況にあっても、ショーの幕を必ず開け、ステージでは光り輝く姿を披露し、お客さんを楽しませる。それが、ジャニーズイズムだった。その幕を美しい形で閉じるのも、またエンターテイナーとしての見せどころ。そして、V6の唯一にして絶対のルールは「楽しもう」。V6のデビュー日である11月1日を解散日にしたのも、「悲しい思い出が増えないように」という思いが込められているというから、その徹底したイズムに改めて頭が下がる。

 これまで、このラジオは「カスタマーセンターではない」と言い切ってきたが、今回に関しては遠慮なく思いをぶつけてほしいと告げた三宅。やるせなさ、寂しさ、悲しみ……行き場のない思いを全部受け止め、いつだってファンの味方でいると約束する。そして、「11月1日に向けて、要望だったり、やってほしいこと、やりたいこと、なんでもいいので送ってもらえれば」とも。

 これまでドームクラスの会場ではパフォーマンスが伝わりきらないと考え、アリーナクラスの会場にこだわってライブを披露してきたV6。「最後にはみんなとちゃんと会いたい」とラストライブの開催が期待できる発言もあった。また「今の自分達にフィットするような楽曲がちゃんと引き寄せられてるというか、集まってくれてる気がしていて、それを早くみんなに聞いてもらいたい」と、新曲のリリースも進んでいることを明かしてくれた。

 もちろん、コロナ禍によってできることは限られるかもしれないが、その中でも可能な限り「ファンの喜ぶことを実現していきたい」。そう聞いてしまったら、筆者の要望も書かずにはいられない。どうしても、ライブで6人のアカペラをもう一度聴きたいのだ。「自画自賛って感じで恥ずかしいんですけど、やっぱり6人の声って唯一無二だなーって」と三宅が語ったように、異なる声質の6人が驚くほど安定したハーモニーを見せる瞬間は、いつまでも多くの人の記憶に残しておきたいV6の姿だ。

 そして、2015年に全員でバク転を決めたステージの感動も記憶に新しいが、さすがにそれは体の負担も大きいと思うので『ミッションV6』で見せた、6分以内に6種類の組体操を完成させたあの名シーンもぜひ再現してほしい。土台は坂本昌行、長野博、井ノ原快彦の20th Century(トニセン)、上に乗るのが森田剛、三宅健、岡田准一のComing Century(カミセン)と、瞬時にそれぞれのポジションを察知して動く姿が、たまらなく面白かったのが忘れられない。

 また、『学校へ行こう』にて行われていた、どう見ても家族旅行としか思えない6人旅の見納めも。「どうせ俺が運転だろ」とハンドルを握る父親のような安定感の坂本、助手席にはしっかり者な母親的存在でナビを務める長野、そして誰よりもはしゃぐ長男の井ノ原、クールな次男の森田、全体のバランスを取る三男の三宅に、イジられがちな末っ子の岡田という、6人ならではのやりとりを目に焼き付けておきたいものだ。そしてジャニーズとしては、阪神・淡路大震災のチャリティー活動を目的にTOKIO、V6、KinKi Kidsの3組で結成された期間限定のスペシャルプロジェクト「J-FRIENDS」のやりとりも懐かしい。もちろん、TOKIOもかつての形とは変わっており、難しいとは思うものの、2018年に滝沢秀明が引退する直前に『8時だJ!』の特別番組で、嵐や関ジャニ∞らが集まった豪華な同窓会、そして1夜限りのタッキー&翼の復活が実現したことを思い出すと、そうしたサプライズが待っていてはくれないかと夢見てしまう。

 止まらない涙をそっと拭い、残り7カ月半をみんなで「楽しもう」と声をかけた三宅に、私たちができるのは、きっとこんなふうにV6のこれまでを語らい、また見たいシーンや「いつか実現してほしい」と願っていた想いを、どんどん発信していくことかもしれない。

〈Every day Every night どんな時も きっと僕ら乗り越えて行こう  まだ見たことない景色が広がってるから 共に共に歩んでいこう Be together We are the one〉

 そう歌うV6のことだ。私たちが乗り越えていくだけの愛とエネルギーと、そして大切な思い出を作る7カ月半にしてくれることだろう。きっと「無茶したな、V6」と、笑いながら温かい涙が溢れる11月1日が待っていると信じている。

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