「ふじのくに→せかい演劇祭」が「三文オペラ」で開幕、宮城聰「生身の肉体と向き合って」
21/4/25(日) 12:32
野外劇「三文オペラ」より。 (c)平尾正志
「ふじのくに→せかい演劇祭2021」が昨日4月24日に静岡で開幕した。
「ふじのくに→せかい演劇祭」は、SPACが主催する舞台芸術の祭典。その幕開けを飾ったのは、ベルトルト・ブレヒトの戯曲をイタリアの演出家ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティが演出する野外劇「三文オペラ」だ。
開幕に際し、SPAC芸術総監督の宮城聰は「演劇祭では出演者もずっとマスクをしながら舞台上でも濃厚接触しないというルールを徹底して、客席も野外、この状況の中でも安心して観て頂ける条件を整えてきました。その上で、観客の皆さんに『生身の肉体』、もう全力で舞台に立っている肉体と向き合ってもらう。そういう機会をなんとか作ることができて、演劇祭をやっている人間としてはよかったなと思っています」と思いを述べた。
「三文オペラ」には綾田將一、葛たか喜代、菊沢将憲、後藤英樹、小長谷勝彦、榊原有美、篠原和美、鈴木真理子、沼田星麻、廣川三憲、宮下泰幸、森山冬子、柳内佑介、山崎皓司が出演。上演時間は約2時間で、本日4月25日まで静岡・駿府城公園 東御門前広場 特設会場にて上演される。
なお作劇を唐十郎、演出を宮城が手がける「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」は4月28日から30日まで静岡・静岡県舞台芸術公園 野外劇場「有度」にて、宮城が構成・演出を手がける「ふじのくに野外芸術フェスタ2021静岡 宮城聰演出SPAC公演『アンティゴネ』」は5月2日から5日まで静岡・駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場にて上演される。
さらに5月2日から5日にかけては、ウォーリー木下がフェスティバルディレクターを務めるストリートパフォーマンスフェス「ストレンジシード静岡2021」が静岡・駿府城公園内各所ほかで実施される。
宮城聰コメント
「生身の肉体」と向き合っている時間がいかに貴重なものか、ということをこの一年で多くの人が再発見したと思うんですね。一見、なくても困らないようなものが、実は生きていくうえで微量だけれどもどうしても必要な要素だと、多くの人に再発見されたのではないか。
今回、演劇祭では出演者もずっとマスクをしながら舞台上でも濃厚接触しないというルールを徹底して、客席も野外、この状況の中でも安心して観て頂ける条件を整えてきました。その上で、観客の皆さんに「生身の肉体」、もう全力で舞台に立っている肉体と向き合ってもらう。そういう機会をなんとか作ることができて、演劇祭をやっている人間としてはよかったなと思っています。お客さんも寒い中でしたけれども、最後まで集中を切らさずに見てくださいました。
「ふじのくに→せかい演劇祭2021」
野外劇「三文オペラ」
2021年4月24日(土)・25日(日)
静岡県 駿府城公園 東御門前広場 特設会場
作:ベルトルト・ブレヒト
訳:大岡淳(「三文オペラ」共和国)
演出:ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ
音楽:原田敬子
衣装デザイン:澤田石和寛
出演(五十音順):綾田將一、葛たか喜代、菊沢将憲、後藤英樹、小長谷勝彦、榊原有美、篠原和美、鈴木真理子、沼田星麻、廣川三憲、宮下泰幸、森山冬子、柳内佑介、山崎皓司
唐十郎×宮城聰「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」
2021年4月28日(水)~30日(金)
静岡県 静岡県舞台芸術公園 野外劇場「有度」
作:唐十郎
演出:宮城聰
美術:カミイケタクヤ
出演:SPAC
ふじのくに野外芸術フェスタ2021静岡 宮城聰演出SPAC公演「アンティゴネ」
2021年5月2日(日)~5日(水・祝)
静岡県 駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
作:ソポクレス
構成・演出:宮城聰
出演:SPAC
「ストレンジシード静岡2021」
2021年5月2日(日)~5日(水・祝)
静岡県 駿府城公園内各所、静岡市役所・葵区役所前、静岡市民文化会館駐輪場など JR静岡駅から徒歩圏内
フェスティバルディレクター:ウォーリー木下
演予定アーティスト:多田淳之介(東京デスロック)+高松ワークショップLab.、ホナガヨウコ、明和電機、青年団、ロロ、kajii、村上慧、鳥公園、大熊隆太郎(壱劇屋)×達矢(サファリ・P)×SPACストレンジチーム、コトリ会議、太めパフォーマンス、アグネス吉井、山崎皓司、Ran Run Tan*Mon Dan、MUNA-POCKET COFFEEHOUSE、劇団 Z・A、演劇ユニットHORIZON ほか
※「ふじのくに→せかい演劇祭2021」の「→」は相互矢印が正式表記。