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ジャルジャル、ネタのタネが花開いた!しつこく挑み続けて王者に「KOC」優勝会見

ナタリー

20/9/26(土) 23:28

「キングオブコント2020」王者のジャルジャル。(c)TBS

ジャルジャルが本日9月26日に行われた「キングオブコント2020」(TBS系)で優勝し、生放送直後に開かれた記者会見に出席した。

2008年の第1回大会から「キングオブコント」に出場し続けてきたジャルジャルの決勝進出は2年連続4回目で、昨年2019年は3位。今年は1stステージを1位で通過したあと、ファイナルステージでニューヨーク、空気階段との戦いを制して賞金1000万円を獲得した。

多くの記者がリモートで参加する中、ときおりボケを挟みながら丁寧に言葉をつむいだジャルジャルのコメントは以下の通り。なおParaviではこのあと23時半頃から、バイきんぐと今大会ファイナリストが出演する「キングオブコント2020 生・大反省会」が生配信される。

ジャルジャル コメント

──優勝おめでとうございます。13回目の挑戦でキングをつかんだ感想は?

福徳:13回目ということで、同じくらいの芸歴の芸人さんたちが出場を辞退したりする中、僕らはしつこく出続けて「若手が輝くべき大会に出ていいのか?」という不安もあったんですが、どうしても優勝したかった。あきらめず、しつこく挑み続けてよかったなと心の底から思います。去年は僕がプライベートでラグビーをしていまして、足の指を骨折してしまい、ネタを変更するなど迷惑をかけてしまいました。

後藤:ラグビーじゃなくて実家の椅子、蹴っただけやろ! なんで嘘つくねん!

福徳:それもあって今年は決勝が決まってからは1回も実家に帰っていない。たくさんの方に、後藤にも迷惑をかけて、それをいつか優勝という形で恩返しできないかと思っていました。

後藤:第1回から挑戦して、12回も悔しい思いをした。気が狂いそうになるくらいヘコむということもあった。決勝にすら行けないという時期も長かった。優勝して悔しい思いは吹き飛びました。「これが優勝か! これがチャンピオンなんや!」と今まさに実感している最中です。

──決勝前のインタビューで「いい加減、優勝しろと自分たちに言いたい」とおっしゃってました。

後藤:客観的に自分たちを観て「いい加減優勝しろ! ジャルジャル!」と思ってました。その叱咤激励がジャルジャルに届いたんじゃないかなって。ちょっとややこしい表現ですみません。

──4回目の決勝。今回はどんな戦いでしたか?

福徳:後輩には負けられないというプライドの戦いでもありました。

後藤:「M-1」もチャレンジして何回か決勝に行かせてもらってる中、今回は準備段階から優勝がイメージできていた気がします。しっかり準備しましたし、吉本がたくさん劇場を持っていて、対策を万全にしながらも公演をやってくれて、僕らもそこに出してもらったのがよかったです。

──1stステージで“野次ワクチン”のネタを選んだ理由は?

福徳:去年の年末の単独ライブでできたネタです。単独ライブは僕らを目当てに来てくれるお客さんが多くて、贔屓目だけど反応がいい感じだった。マニアックに行きすぎず、ちょうどいいウケ具合だなというのが2人の中でありまして、それをチョイスしました。

後藤:やってて自分たちで笑ってしまうネタというのがたまにあって「野次ワクチン」がそれ。野次られる僕が笑っちゃう。そういうのが僕らのバロメーターになってるので、ネタのチョイスは文句なしだったと。

──“空き巣タンバリン”のネタは?

福徳:YouTubeで1日1本ネタをアップしているんですけど、「ネタのタネ」と言って、ほとんど練習しない状態のネタ。「空き巣タンバリン」は10年くらい前の案で、単独ライブでもやらなくてずっとボツにしてたんですけど、今年久しぶりにYouTube撮影でやりまして、思いのほかスタジオの中の反応もよく、YouTubeのコメントもいい反応だったので、もしかしたらKOCに向いてるんじゃないかと。改めて1本目のネタはお客さんの反応、2本目のネタはYouTubeで観てくれてる方の反応を参考にさせてもらったので、一緒に戦った気分です。

後藤:YouTubeの「ネタのタネ」。まさに種が花開いたという感じ。お客さんの前でやることを想定していなかったネタが、まさかKOCの2本目に持って来れるまでに成長してくれたというのがうれしいです。

──うれしさを誰に伝えたいでしょうか?

福徳:家族、吉本の社員、構成作家、スタッフの皆さんに今までありがとうと言いたいし、いつも応援してくれるファンの方にも心の底からありがとう。NSCの講師の本多(正識)先生にネタを観てもらって、17年前の感覚でいっぱいダメ出しもらって、そのダメ出しを正直そのまんまいただきました。先輩芸人のあべこうじさんにもアドバイスをいただいた。

後藤:奥さんは? 新婚やろ? 「妻にも感謝してます」は?

福徳:ええがな。結婚って思ったよりハズくて。

後藤:僕も福徳と一緒。子供もいてまして、テレビの前で応援してくれてたと思う。家でも「優勝してきてね」という言葉をくれたのですごく力になりました。家を出る前に妻はなぜか泣いてました。家族の期待を力にできたなと。全員に感謝してます。

──優勝賞金1000万円の使い道は?

福徳:「ここでボケへんのかい!」って思われるかもしれないです。いや、でも「それはなかなかいいアイデア」と思われるかも。家族に人間ドックをプレゼントしたいです。いつまでも一緒にいたいので。

後藤:なるほどね。高いもんね、人間ドック。「お前はボケるんかい!」って言われるかもしれないけど、同じ原付を何台も買います。

福徳:お前はボケるんかい!

後藤:それは冗談として、賞金をこんなに意識しなかったのは初めて。優勝してから「そうか、1000万円もらえんのや」と思ったくらいです。

──無冠の帝王とも言われていましたけど、プレッシャーはありましたか?

後藤:今年優勝できへんかったらどうなんねんという崖っぷち感はありました。

福徳:「優勝するまで出続ける」とは宣言してたんですけど、そろそろ芸歴20年近くなるし、出たらアカンのかなと。いろんな意味で今年は絶対優勝せなアカンなという気持ちがありました。

──気が早いですが来年のV2は?

福徳:みなぎるものがあれば。ただ、この喜び一度味わったら、ほかの方に「味わってみてください」と。

後藤:こういうのは順番だと思うので、次の順番にまわしていくという意識です。

──福徳さんは優勝して感極まっていたのでは?

福徳:優勝したことが信じられなくて。目の前でバッファロー吾郎さんが優勝した頃から観ていてうらやましくて、悔しい思いをしていた。実感が湧いてきてしゃべろうとしたらグッときました。あんまり自分では泣いてる感覚はなかったんですけど呼吸はしづらかった。それでおもいっきり浜田さんにどつかれました。「なんで泣いてんねん!」って。

後藤:僕は、福徳が「M-1」で悔し涙を流しているのは見たので、うれし涙を流している福徳を見るのは絶景でした。高校から一緒なので同じラグビー部で引退試合で負けても泣かなかった男なんで、その福徳が泣くのはなかなかのことでした。

──KOCを制して、次の目標は?

福徳:いっぱい全国ツアーして、ジャルジャルに興味あるいろいろな方に単独ライブを見てもらってたくさんネタを作って、とにかくコントをやり続けるのが今後の目標です。でっかい目標がありまして、それは後藤に言ってもらう。

後藤:宇宙空間でコントをしたいです。これやろ?

福徳:そうです。

後藤:ひたむきにコントをやった結果、コントの神様が微笑んでくれたので、コントの可能性ということで海外公演のほか、無重力空間でコントをやる初めての芸人になりたいというのが大きな目標です。

──今日はどのあたりで優勝を確信しましたか?

福徳:12年間ずっとKOCを見てきたんですけど、いざ自分がその立場になるとわからなくて不安で、合計得点が出ても「どっちやどっちや」という感覚でした。名前を呼ばれて初めてビックリしました。

後藤:僕は意外と冷静で、ファイナルステージで「1人90点で行けるということは可能性があるぞ」と。90点以上が出て「おお、来てる来てる」と。

──ゲン担ぎは?

福徳:僕はカツカレー。「彼らに勝つ」という意味があって。僕はこれで高校受験も合格できたんで。

後藤:その方法、まだ引っ張ってる?

福徳:と言いつつ、12年間カツカレーを食べてたんですけど。

後藤:僕は心を落ち着かせるためにヒーリングの曲をよく聴いてました。その結果、人との会話のテンポが遅くなりました。

──優勝できなかった間、自身についてどういう分析をされていたのかと。

後藤:僕らはずっとKOCに向けてネタを作るということは一切なくて対策らしい対策はしていなかった。単独ライブを定期的にやって新ネタを作っているので、そこからいいネタを持っていくという形を取っていた。それで決勝にすら行けないのが続いていた。第三者の方にアドバイスをもらいながら、という時期もあった。何をどうしたらいいねん、という状態の中、去年決勝に行けたときは2人だけでネタを選びました。あまりKOCだからとネタを変えずに、自分らの好きな形で、というのが優勝する一番の近道じゃないかというので今年も挑みました。

──悔しさもあったのでは?

後藤:準決勝が終わったあとに決勝進出者がみんなの前で発表されるんですけど、それで8年連続で呼ばれなかった。敗者コメントをするのが悔しすぎて本当にイヤで「自分、なんて言ってたかな?」って記憶にない。8年分の敗者コメントをDVDに焼いてほしいくらい。

福徳:カッコつけてるわけではなく、練習する時間よりも新ネタを考える時間が長い。どうしてもネタの内容が「練習やってきたな」と思われてしまう傾向がありまして、それがなんでやろなと思ったら「機械っぽい」というか人間味に欠けていたのかなと。もっとネタで人間らしさを出していけたらと、いう気持ちはありました。

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