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アートとは紅茶のようなもの、「ラスト・ディール」監督のコメント到着

ナタリー

20/2/11(火) 9:30

クラウス・ハロ(中央)

フィンランド映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」の監督クラウス・ハロのコメントが到着した。

本作は「幻の名画」に魅せられた老美術商オラヴィの運命を描く人間ドラマ。「ヤコブへの手紙」のヘイッキ・ノウシアイネンがオラヴィを演じた。

近代ロシアの画家イリヤ・レーピンの絵画が物語の鍵となる本作。ハロは「もともとはフィンランドのアーティストの物語でした」と明かしつつ、「ロシアの有名な絵画のほとんどは、フィンランドが玄関口となってヨーロッパ市場に流通します。大国ロシアの膨大な絵画コレクションの1つが見つかるという設定のほうが真実味を帯びると思い、そのアイデアを採用しました」と説明する。

フィンランドにおいて“芸術の拠点”と呼ばれるアテネウム美術館や、現地ギャラリーの全面協力をいかにして実現したのかという質問に、ハロは「こちらの真剣な思いを相手に伝え、とても慎重に交渉しました」と回答。「撮影機材、照明の強さや熱さ、備品は何をどのように使用するのかなど、膨大な数のルールを遵守して撮影に臨んだのです。徹底した準備のかいあって、アテネウム美術館はとても寛大に私たちを受け入れてくれました。所蔵されている美術品は代えがきかない国宝級のものばかりなので、傷付けないように細心の注意を払いましたね」と振り返る。

「アートとは?」という質問に対して、ハロは「“アート”は“紅茶”のようなもの。時間を掛けて知るものです。今の時代はGoogleで調べれば“答え”が出てきますが、アートはそのようにして学べるものではありません」と返答。「私は歳上の人を尊敬しています。なぜならば、長い時間を掛けて物事を学んできているから。現代の西洋では、老齢の人々に対するリスペクトや、彼らの知識、経験が失われてしまいました。近頃は自立し孤独であることが一般的になりましたが、ときには年配の方と接して過去を振り返り、古い考え方を知ることも大切だと思います」と続けた。

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」は2月28日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかでロードショー。

(c)Mamocita 2018

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