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画面越しに伝わるスペシャルな一夜 日向秀和を中心とした音楽の祭り『HINA-MATSURI 2020』

ぴあ

20/6/29(月) 20:20

撮影:高田梓

ベーシスト・日向秀和(ストレイテナー、Nothing’s Carved In Stone)を中心とした音楽の祭り『HINA-MATSURI 2020』が、無観客配信ライブを開催。

このイベントは、2018年に日向秀和のベース道四半世紀を記念して豊洲PITで開始され、ストレイテナー、Nothing’s Carved In Stone や日向と縁のあるバンドが出演。2019年に実施された第2回目は、日向秀和を中心に、日向とHHMMというユニットでも活動するYasei Collectiveの松下マサナオ(ds)、SPECIAL OTHERSの柳下“DAYO”武史(g)、ゲスの極み乙女。のちゃんMARI(key)からなるHINA-MATSURI BANDが、ゲストボーカルとともにセッションを展開するスタイルで行われた。

第3回目となる『HINA-MATSURI 2020』は当初、ひな祭りである2020年3月3日に開催予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため6月に延期。残念ながら、観客を入れての開催は中止としてアナウンスしたが、出演者陣の協力と想いのもと、ぴあ株式会社とKDDI 株式会社が運営するエンタメサイト「uP!!!」にて、無観客有料配信ライブを実施することになった。

オープニングは、日向秀和と松下マサナオの「HINA-MATSURI配信ライブ始まります!」という挨拶からスタート。日向の呼び込みのもとに、ステージに登場したのは、今回のイベントのオープニングアクトオーディションで優勝したdaisansei。「ゆるくて芯のあるギターロック」と日向からコメントされたサウンドは、叙情的な歌詞とクセになるメロディでステージにその存在感を確かに放っていった。

暗くなったステージに登場したのは、日向秀和(b)、ホリエアツシ(key)、柏倉隆史(ds)からなるゴールドシルバーブロンズ。ホリエの鍵盤の奏でる美しい旋律、日向のうねるベース、柏倉の抜けの良いドラムが三位一体となり、この上ないグルーヴを生み出していく。1曲目「エレピ」を終えると「何この緊張感(笑)。2人が本番前にあんなに緊張したのを見たのは初めて」という日向。ホリエと柏倉は、「人と一緒に音を出すのが久しぶりだからね(笑)」と笑顔で答える。このトリオでライブをするのは、去年のHINA-MATSURI以来であり今回で3回目ながら、さすが腕利きの3人。配信ながら、高揚感を覚えるステージを見せてくれた。

ここで、HINA-MATSURI BANDのメンバーがステージへ。日向がメンバーそれぞれの近況を聞きながら、松下マサナオ(ds)、柳下“DAYO”武史(g)、ちゃんMARI(key)を紹介。準備が整ったところで、1組目のゲストボーカル「マカロニえんぴつからはっとりくんです」と呼び込んだ。はっとりはバンドメンバーと2月に1度リハーサルをしたことを振り返りながら「久々のライブです! やっちゃいますか」と1曲目はエレファントカシマシの「悲しみの果て」のカバーを。はっとりの熱のこもったボーカルで歌われた「悲しみの果ては 素晴らしい日々を 送っていこうぜ」という詞は、希望の歌として響いたに違いない。2曲目は、フラワーカンパニーズの「深夜高速」。HINA-MATSURI BANDの骨太な演奏とはっとりの聴く者の魂を揺さぶる歌が濃厚な時間を刻んでいく。3曲目のGO!GO!7188の「こいのうた」では、ちゃんMARIが学生時代に初めてカバーした曲という話題に。ちゃんMARIは、鍵盤と温かいコーラスで花を添えた。選曲について柳下や松下からは「我々世代の歌だよね」と聞かれたはっとりは、「純粋に好きな歌を選ばせていただきました。中高でとくに聴いていた青春の歌」をセレクトしたとのこと。ラストは、日向から「この曲めちゃくちゃいい曲」と賛辞が贈られた、マカロニえんぴつの楽曲から「ヤングアダルト」を。はっとりは、「希望がもうあちこちに咲いているような気がしますので、見つけるあとはセンスかなと。気持ちを込めて最後に歌います」と、全身でこの歌を届けてくれた。

2組目のゲストボーカルは、BiSHからアイナ・ジ・エンド。「アイナちゃんとは、ぴあフェスでも一緒にやらせていただいたけど、楽しかったよね」と日向から言われたアイナは、「すごい楽しかったです。でも緊張しました! (今日)リハで、ここに立ったときに、ひとりひとり(バンドメンバー)がヒーローに見えて、カッコイイなあって」。アイナからヒーローに見えたメンバーとともに奏でられた1曲目は、刺さるような日向のベースから始まるBiSHの「SMACK BABY SMACK」。「ベース始まりなので、どうしてもひなっちさんに弾いてほしくて、この曲を持ってきました」というアイナ。2曲目は、フジファブリックの「陽炎」でセンチメンタルな歌声を、3曲目は昨年のぴあフェスでも披露した椎名林檎の「罪と罰」で圧巻のボーカルを響かせ、ボーカリストとして表現の幅の広さを見せつけた。ラストは、「楽器が弾けないながら、ベースはこういう風に鳴ったらいいのかな? ギターはこのへんかな?って妄想で作った曲だったんですけど、こうやって好きな方々に弾いてもらえる未来が見えてなかったので、一番緊張します。嬉しいです。初めてです。演奏していただくのが」とアイナ自身が作詞作曲したソロデビュー曲「きえないで」を。初めての貴重なワンシーンとなった。このステージのためのセッションだけでなく、アイナとHINA-MATSURI BANDが、すでにひとつのバンドのような塊を見せてくれた時間だった。

「3組目のゲストボーカリストさんは、ACIDMANから大木伸ちゃんです」と日向に呼び込まれて、大木伸夫がステージに。「ホントは、3月3日だったもんね。それから今日のこの日までずっとHINA-MATSURIのことを考えていました(笑)」と大木が言うと、「嘘つけ(笑)」と日向。このやりとりでバンドメンバーは一気に和みモードに。その空気感から、1曲目「ALMA」(ACIDMAN)の一音が放たれると空気は一変。大木のエモーショナルな歌と包容力のある演奏で、会場の色彩を塗り替えていく。2曲は、「この曲いいなと思っていたところに、HINA-MATSURIさんからこの曲どうですか?と言われシンクロした」というTHE YELLOW MONKEYの「JAM」。ドラムの松下は、学生時代にTHE YELLOW MONKEYを聴いて、ドラムをやろうと思ったという。今回のタイミングで様々な思いが重なった瞬間。大木の伸びやかで心に沁み入る歌声とバンドのアンサンブルが織りなす至福の瞬間だった。3曲目は、「僕といえば星が大好きなミュージシャンです。こんなに美しく星空をうたった歌はないんじゃないか」と大木のリクエストでビートたけしの「嘲笑」。ちゃんMARIの鍵盤と柳下のアコースティックギターで、しっとりと響かせた。最後は、SPECIAL OTHERSの1曲にホリエと参加した「あの国まで」をホリエを呼び込み演奏。柳下は、「ライブ自体久しぶりなのに、こんな特別なメンバーでできて」と、喜びの表情を見せていたが、このセッションは視聴者にとってもプレミアムな瞬間だったに違いない。

ラストは、ゴールドシルバーブロンズ、そして先程「あの国まで」でも出演した「我らがストレイテナー、ボーカリスト」と日向に呼び込まれて、ホリエアツシが登場。配信ライブに関して、「(実際に)来てくれるはずだった以上の人に観てもらえるかもしれないことを希望に」と言って1曲目は、自身のソロ名義entから「悲しみが生まれた場所」をプレイ。この美しくも切ないメロディをまとった楽曲は、日向がentの中でも“どフェイバリット”で、ホントはウッドベースでやりたかったという1曲。ホリエは、今回の出演者の楽曲を振り返り、世代もバラバラでこういうのを聴いていたんだと新鮮だったいう。そのホリエは、2曲目にストレイテナーでもカバーしている秦基博の「鱗」を歌唱。聴き手の心を高鳴らせる演奏と真っすぐに心に届くホリエの歌。日向は、「これもうさ、秦君っていうよりホリエ君の曲になってきたよね。鱗がよってきた。鱗がついちゃった(笑)」と。それにホリエは「アマビエみたいになっちゃった?(笑)(自身の)髪も伸びたし鱗もついちゃって」と答える。このユーモアたっぷりの会話を挟んだあと、この日のラストソングとなるストレイテナーの「月に読む手紙」を。ホリエの歌う横には、笑顔の日向がいる。ストレイテナーで見慣れたこの景色が、画面越しに視聴者をほっこりとした気分にさせたことだろう。

最後は、日向が出演者を全員呼び込み、画面の向こう側の視聴者のみなさんに手を振った。ソーシャルディスタンスを保ちつつステージに並んだ9人だが、まるで肩を組みあって手を挙げている姿が見えるようだった。

日向の「次回は、お客さんの前で実際にライブができることを願って!」の言葉通り、2021年の「HINA-MATSURI」は、お客様の目の前で開催されることを祈っている。

この配信ライブは、7月5日(日)23:59まで視聴可能。

画面越しでも感じることのできる、この特別なスペシャル・セッションを、是非何度でも視聴していただきたい。

撮影:高田梓

HINA-MATSURI 2020 無観客配信ライブ
2020年6月26日 TSUTAYA O-EASTセットリスト

オープニングアクト:daisansei
1 北のほうから
2 体育館
3 ショッポ

ゴールドシルバーブロンズ
1 エレピ
2 グラピ

はっとり(マカロニえんぴつ)&HINA-MATSURI BAND
1 悲しみの果て(エレファントカシマシ)
2 深夜高速(フラワーカンパニーズ)
3. こいのうた(GO!GO!7188)
4 ヤングアダルト(マカロニえんぴつ)

アイナ・ジ・エンド(BiSH)&HINA-MATSURI BAND
1 SMACK BABY SMACK(BiSH)
2 陽炎(フジファブリック)
3 罪と罰(椎名林檎)
4 きえないで(アイナ・ジ・エンド)

大木伸夫(ACIDMAN)&HINA-MATSURI BAND
1 ALMA(ACIDMAN)
2 JAM(THE YELLOW MONKEY)
3 嘲笑(ビートたけし)
4 あの国まで with ホリエアツシ(SPECIAL OTHERS & オオキノブオ, ホリエアツシ)

ホリエアツシ(ストレイテナー)&HINA-MATSURI BAND
1 悲しみが生まれた場所(ent)
2 鱗(秦基博)
3 月に読む手紙(ストレイテナー)

『HINA-MATSURI 2020』 無観客配信ライブ
◆出演◆
日向秀和/ちゃんMARI/松下マサナオ/柳下“DAYO”武史/アイナ・ジ・エンド/大木伸夫/柏倉隆史/はっとり/ホリエアツシ
オープニングアクト:daisansei

◆配信期間◆
2020年6月26日(金)19:00~2020年7月5日(日) 23:59

◆視聴チケット◆
一般:2,500円(税込) / au スマートパスプレミアム会員:1,500円(税込)
※auスマートパスプレミアム会員の方は一般価格より1,000円引きでお求めいただけます。
※auスマートパスプレミアム会員はau以外をご利用の方でもご入会いただけます。(月額499円(税抜)/初回30日間無料)

◆視聴チケット購入期間◆
2020年7月5日(日)20:00まで発売

◆お申込みはこちら◆
https://up.auone.jp/articles/id/80252

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