Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ドリカム、MWAM……バンドの“核”を再定義したアーティスト 新譜5作からピックアップ

リアルサウンド

20/6/30(火) 12:00

 ファンク、ソウルなどのルーツミュージックをさらにアップデートさせたDREAMS COME TRUEのニューシングル『YES AND NO / G』、10周年を記念したMAN WITH A MISSONのベストアルバム『MAN WITH A “BEST” MISSION』。バンドの“核”の部分を再定義した5作品を紹介します!

(関連:DREAMS COME TRUE「YES AND NO」視聴はこちら

●DREAMS COME TRUE『YES AND NO / G』
 70年代~80年代のファンク、ソウル、ディスコなどをルーツに持つDREAMS COME TRUE。ニューシングル『YES AND NO / G』は、ドリカムサウンドの核を改めて提示しつつ、2020年のポップミュージックへと結実させた作品だ。「YES AND NO」(石原さとみ主演ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』主題歌)は、80’sシンセポップと現代的なエレクトロファンクを軸にしたトラックメイク、憂いを解き放つような力強いメロディが一つになったアッパーチューン。同調圧力に屈せず、自分自身で答えを見つけることの大切さをテーマにした歌詩も素晴らしい。

 バウンシーなビート&シンセベースから始まる「G」(劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソング)は、宇宙空間でのバトルシーンを想起させるサウンドから一転、華やかなブラスサウンドとともにドリカムらしいダンサブル&ポップな音像へと変貌。緊張感に溢れた平歌と解放的なサビのコントラスト、ボーカルにボコーダー的なエフェクトを施した近未来的なアレンジも耳に残る。

●MAN WITH A MISSION『MAN WITH A “BEST” MISSION』
 10周年を迎えたMAN WITH A MISSIONからベストアルバム『MAN WITH A “BEST” MISSION』が到着。キャリアを象徴すると同時に、00年代ロックシーンのアンセムとして浸透している「FLY AGAIN 2019」「Emotions」、コラボ曲「Rock Kingdom feat.布袋寅泰」「database feat. TAKUMA(10-FEET)」などが収められた本作には、ヘビィロック、メロコア、ヒップホップ、EDMなどを貪欲に取り入れながら、世界標準と称すべきロックサウンドに昇華しつづけた10年の軌跡と進化を改めて体感できる。新曲「Change the World」は、驚くほどにシンプルで真っ直ぐなロックチューン。〈自身の夢の結末を見つけるため/新たな始まりの鼓動が聞こえる〉というラインからは、ロックミュージックの力を信じ、未来に向かって突き進む決意が伝わってくる。そう、マンウィズの中軸はやはり、ロックに対する圧倒的なシンパシーなのだと思う。

●MY FIRST STORY『1,000,000 TIMES』
 爆発的にして鋭利なギターフレーズ、一気に沸点に達するバンドサウンド、美しさと激しさが同居するメロディライン。MY FIRST STORYのニューシングル『1,000,000 TIMES』(カードゲームアプリ『DUEL MASTERS PLAY’S』公式テーマソング)は、chelly(ryo(supercell)のプロデュースによる架空のアーティスト・EGOISTのボーカリスト)をフィーチャーした攻撃的アッパーチューン。00年代以降のヘビィロックを継承するサウンドメイク、退廃的なゲームの世界観と寄り添った音像、個性と技術を併せ持ったツインボーカルを含め、このバンドのオリジナリティをさらに発展させた楽曲に仕上がっている。カップリング曲「MINORS」は、SNSの世界に逃げ込む孤独な存在を、憂いに満ちたバンドサウンドによって際立たせた楽曲だ。

●SHE’S『Tragicomedy』
 “ピアノロックバンド”を軸にしながら、エレクトロ、アコースティックなど幅広いテイストを取り入れ、自らの音楽性を発展させているSHE’S。「Letter」(任天堂「あつまれ どうぶつの森 × Nintendo Switch Lite」2020春CM内起用)、「Unforigive」(ドラマ『ホームルーム』OP主題歌)などの話題曲を収めたニューアルバム『Tragicomedy』で彼らは、サウンドのふり幅をさらに解放してみせた。ピアノ、ギター以外はすべて打ち込みで構成された「Blowing in the Wind」、アコギと歌による「Not Enough」などは、このバンドの音楽的な自由度の高さを証明していると思う。“悲喜劇”を意味するアルバムタイトルに込められているのは、“悲劇と喜劇が共存しているのが人間。そのことを認めたうえで進んでいこう”というメッセージ。その根底にあるのは、リスナーの心に寄り添おうとする井上竜馬(Vo&Key)の思いだ。

●Lucky Kilimanjaro『!magination』
 今年3月にメジャー1stアルバム『!magination』をリリース。“世界中の毎日をおどらせる”をテーマに掲げた楽曲とパフォーマンスで確実に支持を広げている6人組バンド・Lucky Kilimanjaroのニューシングル『エモめの夏』は、2020年の夏の空気をナチュラルに掴み取った作品となった。表題曲は近未来的なエレクトロサウンド、有機的な生楽器の音色を結び付けながら、〈自信も未来も置いといて 今はこの炎で踊るよ〉というフレーズに辿り着くポップナンバー。曲名も秀逸だが、心と身体を気持ちよく揺らしてくれる極めて優れた夏ソングだと思う。カップリング曲の「新しい夏を駆けて」は4つ打ちのビートを軸にしたダンスチューン。90年代のエレクトロを思い起こさせるトラックと〈ひと夏のダンス/駆けて 駆けて 駆けて〉が生み出す化学反応を楽しんでほしい。

※初出時、表記の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

(森朋之)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む