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LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!

『マックイーン:モードの反逆児』には誰もがのめり込んでしまうはず!

月2回連載

第20回

『マックイーン:モードの反逆児』

まさに“光と陰”だった気鋭デザイナーの一生を辿る

今回紹介する作品は全て公開中の作品。GW直前のこの時期は、大作映画に目が向きがちですが、あえてのミニシアター系作品をおすすめします。

まずは『マックイーン:モードの反逆児』。1990年代後期のデビュー以来、ファッション業界をアッと言わせ続けた気鋭デザイナー、アレキサンダー・マックイーンの足跡をたどるドキュメンタリーです。

『マックイーン:モードの反逆児』

以前もこのコーナーでお話ししましたが、最近日本で公開されているドキュメンタリーは、誰が観ても楽しめて、好奇心をくすぐられるものが多く感じます。その中でもこの作品は特によくできている。ファッション好きな人はもちろんですが、ファッションのことに詳しくない人でも、思わずのめり込んでしまうはず。

『マックイーン:モードの反逆児』

マックイーンは23歳でデビューし、わずか4年でジバンシィのデザイナーに抜擢された希有な才能。特に注目されたのが、奇抜で過激なファッションショーです。その過激さから“モードの反逆児”と呼ばれた彼ですが、レディー・ガガをはじめとするアーティストの衣装を手がけたり、多くのファンをとりこにしたことでも有名です。そんな彼の一生は、まさに光と陰。成功の裏にあった彼の苦悩も同時に描き出していきます。

『マックイーン:モードの反逆児』

私は“成功は最高の復讐”と思っています。たとえば私が仕事に恵まれない時代にイジワルなことをしてきた人が、今の私を見たらどう? きっとくやしく思うでしょう。それが復讐。でもマックイーンにとって、成功とは本当に求めているものだったか、というと、違ったんですね。

彼にとっては注目を集めてしまったことで、自分が自分でいられなくなり、次第に仕事をする楽しさをも見失っていきます。純粋に服作り、お針子でいることの大事さに気づきつつも、周囲の期待に応えるべく、自分自身を変えていってしまう。そして最愛の母を亡くした後、自殺までしてしまったのはとても悲しいこと。自分を見失わずに、穏やかな気持ちを保たないといけないことを、この作品は教えてくれます。

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