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HY、2度の延期を乗り越え開催した『HY SKY Fes 2020→2021』レポート

ぴあ

HY (撮影:Yuta Nakama / Keita Higa)

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HYが、12月12日に『HY SKY Fes』を沖縄県総合運動公園多目的広場で開催。そのオフィシャルレポートが到着した。

「子供たちが夢を見つける場所をつくる。家族を繋げる場所をつくる」をテーマに2011年、2014年に開催されたHY主催による音楽フェス『HY SKY Fes』。3回目となる『SKY Fes2020』は、当初2020年3月に開催予定だったものの、新型コロナウイルスの感染流行による影響を受け、2度の延期を余儀なくされ、2021年12月12日(日) に満を持して開催されることとなった。

会場となった沖縄県沖縄市の沖縄県総合運動公園多目的広場は周囲を緑に囲まれた海のそばの広大な公園。地元の人々の憩いの場として親しまれている。豊かな大自然を存分に体感できる会場は複数のエリアに分けられており、音楽だけでなく様々なコンテンツが用意された。主催のHYをはじめとする豪華アーティストがライブを行うメインステージの他、人気マジシャンであるMASA MAGICによるマジックショーが行われたり、HYと子供たちが一緒に楽器作りに挑戦するなど様々なワークショップやアスレチックなどファミリー向けのコンテンツが充実した野外広場、沖縄で人気のキッチンカーが一堂に会するフードエリアなどだ。さらに、今回は初の試みとして、会場にテントを張って宿泊できるキャンプサイトを設置。前日からフェスを楽しめるようになった。

フェス前日の12月11日(土) には前夜祭も行われ、キャンプサイト宿泊者のためだけのHYアコースティックライブが披露された。ランタンの灯に照らされた幻想的な空間の中、美しい星を眺め、潮風を感じながら、HYの演奏を至近距離で楽しめるプレミアムなライブとなった。

今回は環境にやさしい手作りのフェスもテーマのひとつとし、メンバー自ら会場の装飾やワークショップ企画に取り組んでいる。仲宗根泉は学生ボランティアとともに板やランプを使って会場装飾を手掛け、細かいところにまでこだわって仕上げた。「今日も朝からずーっと作業しててさ、スタッフかと思うよ(笑)。舞台監督みたいになってるもん(笑)。メンバーも手伝ってくれて、スタッフもボランティアのみなさんも、泉さんの世界観を崩したくないからって細かいところまで全部聞きにきてくれて、おかげでこんなに素晴らしい装飾になりました」と話す。「予算削れっていわれてるから、自腹で材料買ってさ、土日も返上して娘にも手伝ってもらったんだよ。あーちゃん(※泉さんのお子様のお名前)、ありがとうね!」

手作りのぬくもりあふれる会場で、翌朝には気持ちのよい空気のなかでのヨガ、HYと一緒に自然のものや身の回りのものを使って楽器を作るワークショップやサンゴ染め体験、焼き芋作りやピザ焼き体験などが行われた。SDGsをテーマにしたHYの新たな取り組み「HeartY Clean活動」の一環として、公園内や砂浜でのごみ拾いも実施。音楽を聴いてライブを見るだけでなく、親子で参加できるコンテンツが多いのもSKY Fesの特徴のひとつだ。

「前回のフェスでぼくらがライブしているときに、小さいお子さんがきてくれてたんだけど、ぼくらのこと全然見てなくてさ、ずーっとギター持ってるスタッフ見てるわけ。『かっこいい~!』って。一応ぼくらそこそこ売れてるアーティストだよ(笑)?でもそういうのなんかいいなと思ってさ。料理作ってるひと見て料理人になりたいとか、そういう子供たちの夢が生まれるんじゃないかって(新里英之)」

2022年3月には名嘉俊が絵本を出版することも決まり、子供の夢を応援するための活動に力を入れるHY。SKY Fesはその活動の集大成ともいえる。前夜祭にはHYの名曲「AM11:00」を題材にした映画の監督を務めた山下歩監督も駆けつけ、メンバーと共に行ったことのあるサンゴ保護活動の紹介を通してともに自然保護を訴えた。

「この環境はあたりまえじゃない。このフェスを通してみんなで一緒に学んで、力を合わせて守っていきましょう」と訪れた人々に語りかけ、星空の下での前夜祭を終えた。「空はどこまでも繋がっている」HYの想いが人々の心に響いた、HY SKY Fes。次回開催の2023年が待ち遠しい。

SDGsを意識したフェスづくり

1回目、2回目のSKY Fesはあいにくの天気だったが、3回目は雲ひとつない見事な晴天で、会場の沖縄県総合運動公園多目的広場には全国から約7000人が来場した。緊急事態宣言が解除され、入場制限が緩和されてはいたが、感染対策としてソーシャルディスタンスが徹底され、マスク着用、アルコール禁止など様々なルールが用意された。

オープニングでは主催のHYが登場し、新里英之が「みんなが一日一日頑張ったから今日のこの日がある。最後までルールを守ってすてきな思い出を作ろう!」と呼びかけた。大声を出すこともできないなか、手を叩いたりタオルを振ったりという動作でステージに思いを届け、これまでのフェスにはなかった新たな一体感が生まれた。メインステージの出演アーティストはHY含め7組。全員がこの日を心待ちにしていた。

トップバッターはアカネキカク。80年代のカルチャーをコンセプトにしたバブリーダンスはYouTube再生回数1億回を超え、小さな子供からお年寄りまで幅広い世代に人気だ。主宰のakaneによるレクチャーで来場客も一緒にバブリーダンスを踊り、会場を盛り上げた。

アカネキカク

2組目の大城美友は沖縄県名護市の出身。地元沖縄での凱旋ステージとなる。デビュー曲の「オレンジバタフライ」や「今の時代に合っている曲だと思う」と自ら語る「輝き人」を伸びやかな声で歌い上げた。

大城美友

肝高の阿麻和利はHYの地元でもあるうるま市の中高生が出演する現代版組踊。沖縄に古くから伝わる伝統芸能「組踊」をベースに、現代音楽とダンスを取り入れて、勝連城10代目城主「阿麻和利」の半生を描くいわば「沖縄版ミュージカル」だ。今回はSKY Fesのために本来2時間を超える大作を20分のダイジェスト版にまとめた。SKY Fesでは伝統芸能にもスポットをあてており、子供たちの夢づくりと地域おこしの両方を兼ね備えたステージとなった。

肝高の阿麻和利

FUNKY MONKEY BΛBY’Sとして8年ぶりとなる再始動を発表したファンキー加藤は、「花」「冷めた牛丼をほおばって」など熱量の高いナンバーを完全熱唱し、会場を盛り上げた。「告白」、「あとひとつ」、「希望の唄」、「ちっぽけな勇気」などファンモン楽曲もメドレーで披露。「次はFUNKY MONKEY BΛBY’Sとしても沖縄に戻ってきます!」とファンを喜ばせた。

ファンキー加藤

清水翔太は、生バンドに自らもピアノを弾きながら「HOME」を歌うなど、圧巻のステージ。「コロナもあってあまりライブはできなかったけど、2021年に注目していただいたTHE FIRST TAKEで歌った2曲を披露したいと思います。」として、一発撮りパフォーマンスTHE FIRST TAKEで話題を集めた2曲「花束のかわりのメロディーを」、「恋唄」を披露。そして自身のカバーアルバムにも収録されている桑田佳祐の「白い恋人達」もしっとり歌い上げた。

清水翔太

沖縄でのライブは20年ぶりとなるKICK THE CAN CREWは「20年もたったらほぼ新人と一緒でしょ。全部新曲といっても過言……ではあるか(笑)。でもせっかくだからさ、夏の曲も冬の曲も、季節関係なくやりたい曲全部やります(KREVA)」と、「地球ブルース~337~」、「マルシェ」、「sayonara sayonara」、「クリスマス・イブRap」など名曲を中心に披露。若手に負けないエネルギッシュなステージを見せた。「昨日の夜も3人でホテルで部屋飲みしてさ、なんか新鮮な気持ちになれたよね。また3人で沖縄にきたいです(LITTLE)」と、20年ぶりの沖縄に3人のボルテージも上がったようだった。

KREVA(KICK THE CAN CREW)

トリはもちろんHY。他では見られないSKY Fesならではのコラボステージが披露された。「no rain no rainbow」ではアカネキカクがダンサーとしてパフォーマンス、「帰る場所」では那覇市の真和志高校手話部と地元団体「琉球国祭り太鼓(りゅうきゅうこくまつりだいこ)」が手話と太鼓でコラボした。さらに、清水翔太とは「清水翔太 feat. HY」として名曲「366日」を披露。圧倒的パフォーマンスに会場の拍手がなりやむことはなかった。

仲宗根泉×清水翔太
名嘉俊

「7年ぶりのSKY Fesです。ここにこられなかった人たちのぶんまで楽しんでいってください。声は出せないけど、手叩いてジャンプして一緒に盛り上がろう(新里英之)」と、アンコールの「ホワイトビーチ」まで7曲をやりきった。

新里英之
許田信介

「今年1年いろいろあったよね。やりたいこと、できなかったことたくさんあったと思うけど、最後はみんなで飛び上がろう」と約7000人の観客がHYの曲に合わせて飛び跳ね、手を叩いて、会場がひとつになった。アーティストだけでなく、観客も含めたすべての人たちが待ち望んでいた瞬間だった。

様々な制限を課されたなかでのSKY Fesだったが、トラブルもなく、だれもがルールを守って互いに協力し合ってフェスを成功させようと思いをひとつにしていた。ソーシャルディスタンスやマスク着用の順守にも文句が出ることはなく、フェス終了後にはゴミを持ち帰る人の姿も多く見られた。コロナ禍のなかでそれぞれにできることを探しながら、それでも未来に向かって進む気持ちが形となった、そんな一日だった。

次回開催は、2023年だ。そして今回、このライブ&フェスの模様が、舞台裏と合わせて来年2月26日(土)にフジテレビTWOで放送される。(放送楽曲は未定)

文:普天間伊織
撮影:Yuta Nakama / Keita Higa

<公演情報>
『HY SKY Fes 2020→2021』

12月12日(日) 沖縄県総合運動公園多目的広場

セットリスト

■アカネキカク
バブリーダンス

■大城美友
M1. 一帆風順(short ver.)
M2. wonder
M3. ブルーホライズン
M4. オレンジバタフライ
M5. 輝き人

■ファンキー加藤
M1. MUSIC MAGIC
M2. 花
M3. OUR MIC FESメドレー(告白~あとひとつ~希望の唄~ちっぽけな勇気)
M4. 冷めた牛丼をほおばって
M5. まわせ!
M6. 本当のこと

■肝高の阿麻和利
「肝高の阿麻和利」スペシャルダイジェスト
・ハッタラーMC
・あは節
・伊計離節
・カチャーシー
・棒術
・あまわり誕生~歓喜
・肝高の詩

■清水翔太
M1. Sorry Not Sorry
M2. Friday
M3. You&I
M4. 花束のかわりのメロディーを
M5. 恋唄
M6. 白い恋人達
M7. HOME

■KICK THE CAN CREW
M1. 千%
M2. 地球ブルース~337~
M3. マルシェ
M4. イツナロウバ
M5. クリスマス・イブRap
M6. sayonara sayonara
M7. アンバランス

■HY
M1. no rain no rainbow withアカネキカク
M2. ココロホシゾラ
M3. 366日 with清水翔太
M4. 帰る場所 with 真和志高校手話部&エイサー
M5. AM11:00
M6. 隆福丸
EN1. ホワイトビーチ

<番組情報>
『HY SKY Fes 2020→2021 & 前夜祭』

2022年2月26日(土)18:00~20:30 フジテレビTWO ドラマ・アニメで放送

出演:アカネキカク / HY / 大城美友 / KICK THE CAN CREW / 肝高の阿麻和利 / 清水翔太 / ファンキー加藤 / MASA MAGIC(※50音順)
※放送楽曲未定

※スカパー!放送サービスでフジテレビONE / TWO契約の方はスカパー!番組配信でもご視聴いただけます。
番組公式サイト:
https://otn.fujitv.co.jp/SKY20-21

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