佐藤寛太の偏愛主義でいこう!
ぴあフィルムフェスティバルで入選監督にインタビューしました!【後編】
第2第4月曜連載
第12回
「映画監督を志している人たちの考えを聞いてみたい」という寛太さんが、第43回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)の会場に来場! 自主制作映画のコンペティション=“PFFアワード2021”入選監督との対談インタビュー企画の第2回目は、前回の『転回』と同じく審査員特別賞を受賞した『豚とふたりのコインランドリー』の蘇鈺淳監督。タイトルを見た瞬間から傑作であることを予感していたという寛太さんが、東京藝術大学で映画を学ぶ蘇監督に製作の裏側について聞きました!
この『豚とふたりのコインランドリー』含む18の入選作品は、10月31日(日)までふたつのプラットフォーム「DOKUSO映画館」「U-NEXT」でも配信中! ぜひチェックしてみてください!
『豚とふたりのコインランドリー』
台北のコインランドリーで出会った男と女。うつろな表情の女に男は思わず声をかけるが……。22分間にわたるふたりだけの時間を定点カメラのワンカットで描く。台湾出身の蘇監督は編集も担当。
佐藤 前回インタビューさせてもらった『転回』の岩﨑敢志監督、同じ1996年生まれなんです。
蘇 私、6月15日生まれなんですよ。佐藤さんの誕生日って……、
佐藤 6月16日だから1日違いだ!
蘇 そうなんです(笑)。今日はどうぞよろしくお願いします。
佐藤 こちらこそよろしくお願いします。早速の質問なんですけど、この『豚とふたりのコインランドリー』はカメラを定点で撮影しているのがとても印象的ですよね。最初から定点で撮ろうと思っていたんですか?
蘇 予算が少ないので、ロケ地で撮れる時間が限られていたんです。それと即興だったので引きのカットと寄りのカットを撮ってしまうと、つながりが難しくなるかなと思って。ふたりの芝居をワンカットで撮ったら、いい感じになるかなと思ったんですよね。
佐藤 え、ちょっと待ってください。即興ということは、台本は!?
蘇 なかったです。
佐藤 俳優さんにはどんな風に伝えたんですか?
蘇 始まり方と最後にどう終わりたいのかは、決まっていました。女性の方のキャラクター設定はあって、男性の方は“近くに住んでいる人”ということだけです。
佐藤 男の人の「3丁目の人は知り合いで、あの辺はサラリーマンが住んでいて」みたいなセリフは?
蘇 男の役者さんに任せて、出てきたものです。でもいきなりその場でやってもらったわけではなく、リハーサルもしました。
佐藤 そうですよね。リハーサルはしているだろうなと思いました。
蘇 そこで残すか削るかの判断をしました。
佐藤 おふたりともとても上手な役者さんですよね。有名なプロの方たちなんですか?
蘇 女優さんは私の大学の修了制作にも出てもらって、撮影の後で友達になりました。今度は即興の作品で一緒にやりたいと伝えたら、「私の大学の演技コースの先生が興味あるかもしれません」って。俳優さんは演劇とかもやっているプロで、女優さんは今年、台湾のテレビの賞にノミネートされました。
※寛太さんと蘇監督の対談インタビューの続きはアプリ版でお読みください! アプリ版には限定カットも4点掲載しています。
本連載の前身、佐藤大樹さん&佐藤寛太さんの連載はコチラ!