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欅坂46 二期生は、グループ飛躍のカギになるか ”立ち位置”を掴みだしたメンバーの動向から考察

リアルサウンド

19/11/27(水) 7:00

 11月22日発売の情報誌『B.L.T.』2020年1月号の表紙を欅坂46の二期生全員が飾っている。また、欅坂46ならではのクールなテイストの撮り下ろしグラビアが巻頭20ページに渡って特集され、その後には貴重なメンバーインタビューも収録。インタビューの内容は、加入時からのこれまでの約1年間でそれぞれメンバーが変化した点や、今後の活動の目標を二期生全員で語り合うというもの。同誌には他にも、上村莉菜と原田葵の2人の撮り下ろし写真や小池美波の1万字インタビューも掲載されており、ファン必携の一冊となっている。

(参考:欅坂46 二期生は、グループにどう受け入れられていったのか 着実に深まっていく一期生との関係性

 昨年の加入からアニバーサリーライブや欅共和国、夏の全国ツアー、そして東京ドーム公演に至るまで怒涛の一年を過ごした二期生。この短期間で急成長を遂げた彼女たちは、いまや欅坂46というグループを考える上で欠かせない存在になっている。ファンの間で繰り広げられる会話も、心なしか彼女たちにまつわる話題が席巻している印象だ。オーディションの開催が発表された当初はメンバーの新規加入に不安を募らせる声も見受けられたものの、やはり彼女たちに寄せられる期待は大きいようである。しかし、ここまで彼女たちに注目が集まる理由は何だろうか。

 一人ひとりの個性を取り出せば十人十色で、それぞれに異なる魅力があるわけだが、一期生と二期生の最も大きな違いを挙げるとすれば、それは欅坂46というグループを知った状態で加入したかどうか、という点に尽きるだろう。当然一期生はそれまでにAKB48や乃木坂46といったグループしか存在しなかったため、カラーや方向性も知ることなく自分たちの個性を模索しながら活動してきた。そんな一期生と比べれば、欅坂46というグループを知った上で加入した二期生は、自分が所属したグループが「サイレントマジョリティー」や「不協和音」を歌うグループであることを理解しているはずだし、逆に自分たちの持ち歌が「ヘビーローテーション」や「恋するフォーチュンクッキー」ではないことも当然分かっているだろう。これにより活動に向かう姿勢は根本的に異なってくる。こうした前提を共有していることによる心の持ちよう、言い換えれば”覚悟”は決定的に差が出てくるだろう。その上で、自分たちはこのグループで何をすべきかを探りつつ、気付きながら成長していくことができるのが彼女たちの強みだ。そういう意味でも、同誌のグラビアで彼女たちの見せる表情は必見である。

 よく二期生のブログやトークアプリ、バラエティ番組での積極性が話題になるが、それに関しては一期生と二期生にあまり差はないというのが個人的な見解だ。むしろ注目すべきは、二期生はかなり早い段階から、自分は積極的に発信すべきメンバーなのかどうかを理解している点ではないか。グループにおける自分の”立ち位置”をすでに掴みだしている。そして二期生の面白いところは、自分が一期生の誰のタイプなのかを自覚しながら活動している点にあるように思う。たとえば、森田ひかるのように文章や細かなアイデアのセンスで注目を浴びようとしているのは小林由依的だし、松田里奈のポジティブな発言力はかつての今泉佑唯やこれまで貫かれてきた菅井友香のキャプテンシーを感じる。武元唯衣のパフォーマンスへの意欲はステージ上の佐藤詩織や鈴本美愉を彷彿とさせる。こうした一期生が見せてきた雰囲気をあえて請け負うような姿勢は二期生全体のイメージに幅をもたらしていて面白い(少し前までの藤吉夏鈴の振る舞いやここ最近の山﨑天の様子は非常に興味深い)。もちろん、自分の個性を自ら縛り付けることなく、自分自身にしかない魅力をアピールしていくことも重要である。選抜から漏れた松平璃子がここ最近、髪型を試行錯誤している点は注目すべき姿勢だ。

 また同誌を読むと、二期生の語る今後の目標の多くに、47都道府県でのライブや海外公演といった活動の場を広げる意欲が確認できる。「欅のパフォーマンスや楽曲を、もっといろいろな人に知ってほしい」と話すのは田村保乃。欅坂46の世界観をよく理解している彼女たちは作品を世界へ届けたいというピュアな思いがある。高い目標を掲げる彼女たちのこうした力強い姿勢は非常に頼もしい。

 今後彼女たちが活躍することで二期生ユニットや、一期生と二期生の組み合わせなどグループを楽しむバリエーションも広がるだろう。はたまたポジション争いから生まれる人間ドラマや、先輩後輩の関係性を覆す実力差など生じたりすれば、それはそれでグループが成長していく物語の起点となり得るはず。これからの欅坂46の飛躍のカギは、二期生にあると言っても過言ではない。(荻原梓)

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