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『なつぞら』草刈正雄×高畑淳子、『真田丸』コンビの絶妙なやり取り 垣間見えた開拓時代の過去

リアルサウンド

19/9/24(火) 12:00

 最終回まで残り5話となった『なつぞら』(NHK総合)。ヒロインの広瀬すずをはじめ、多彩な出演者たちが本作を盛り上げてきたが、文字通り作品の屋台骨となっていたのが泰樹を演じる草刈正雄であり、泰樹の戦友とも呼べるとよばあちゃんを演じた高畑淳子だろう。

参考:『なつぞら』第153話では、『大草原の少女ソラ』の完成を祝して打ち上げが行われる

 草刈と高畑は『なつぞら』の演出チームも多数参加していた大河ドラマ『真田丸』で夫婦役として共演。草刈もインタビューで高畑に絶大な信頼を寄せていることを明かしていたが、ふたりの共演シーンはまさに“夫婦漫才”ともよべるようなやり取りで、いつも視聴者を楽しませてきてくれた。そして、登場人物の誰よりも、戦争、そして十勝の開拓前を知っている2人でもある。

 第152話では、そんな2人の歴史が垣間見えるやりとりが描かれた。泰樹はなつ(広瀬すず)たちマコプロが制作した『大草原の少女ソラ』に感銘を受け、同じ時代を生きてきたとよに会いに行く。雪次郎(山田裕貴)を前に「とよに会いに来た」と素直に言えない泰樹がまたいじらしい。泰樹は『大草原の少女ソラ』を観て、開拓時代の朝日を思い出したことをとよに語る。

「何度も見た。ああいう朝日を……。開拓してる頃にな。この土地は捨てよう。そう思っても朝日を観ると気力が湧いてきた。ここで諦めるなって、励まされた。そういう朝日をなつが見してくれた」

 とよも「夜明けに励まされるってことは何度もあったね」と語ったように、2人は想像をはるかに越える自然と対峙し、辛く厳しい時代を乗り越えていまに至ったのだ。かつてなつが励まされた夜明けの記憶が作品となり、泰樹たちの記憶を喚起する。そして朝日と同じように、「作品」が誰かを励ます活力となっていく。きっと泰樹は朝日と同じように、誰かの活力になる作品を手がけているなつのことを、改めて誇らしく感じたのだろう。

 一方、そんな心に届く作品を手がけているマコプロは、素材が放送前日ギリギリに完成するという状況。更に追い打ちをかけるように、制作進行・町田(鈴鹿央士)のミスで描き直しも重なる。連日徹夜での制作が進む中、『大草原の少女ソラ』は無事に最終回を迎えることができるのだろうか。(石井達也)

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