2017年からAbemaTVで配信されている、現役高校生による恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』（通称：今日好き）。同番組の過去シーズンに参加していた男子高校生5人組によるボーイズユニット「ERROR（エラー）」が、4月5日までの期間限定で結成された。

（関連：『オオカミくん』シリーズ出演でも話題のラップアーティスト さなり、“柔軟さ”が開く新たな表現の扉）

　運命の恋を見つける“恋の修学旅行”をテーマに、異国の地で高校生の男女が恋愛に奮闘する姿を描いた『今日好き』は、同じく恋リア番組の『オオカミくんには騙されない』や『恋する週末ホームステイ』と並び、AbemaTVで常にランキング上位をキープ。現在は25弾となる卒業編inサイパンが放送されており、出演者たちと同じ世代の若者から絶大な支持を受けている人気番組だ。今回結成されたERRORのメンバーは、ハワイ・香港・韓国済州島・夏休み編のノア（鉄篦啞）、13弾・ハワイ編のシュン（前田俊）、韓国ソウル・グアム編のソウタ（植村颯太）、夏休み編のマヒロ（奥田茉裕）、グアム編のセナ（後藤聖那）の5名。いずれもTwitterやInstagramなどのSNSアカウントに数万人のフォロワーを持つ人気メンバーで構成されているため、楽曲がリリースされる前からERROR結成のニュースは巷を賑わせている。

　実はこれまでも音楽シーンにおいて、数々のムーブメントを起こしてきた恋リア番組。特に『オオカミくん（ちゃん）には騙されない』のシリーズには、これまでラップアーティストのスター開拓プロジェクト「OverFlow Project 2018」でグランプリを受賞したさなり、沖縄出身の新世代ラッパーとして注目されているRude-α、日米ハーフのボーイズグループ・INTERSECTIONのミッチェル和馬が参加して話題に。俳優やモデルの出演者たちと共に青春を謳歌する、普段は見せないアーティストたちの素の表情が見られるとファンからも好評だ。

　『今日好き』では、第10弾からテーマソングを担当しているシンガーソングライターの足立佳奈の、出演者がつむぐ複雑な恋愛模様に合った等身大で切ない歌詞が若者の心を掴んでいる。最初にテーマソングとして起用された「私今あなたに恋をしています」の作詞には、桐谷美玲や山崎賢人が出演し、話題となった映画の原作『ヒロイン失格』を描いた漫画・幸田もも子が参加。〈言わなきゃ良かったカナ／あなたの彼女になりたいなんて〉という失恋を思わすセンチメンタルな一節がある一方、〈それでもあなたに恋をしています〉という想いの強さを表すフレーズで多感な若者の心に寄り添う。さらに、出演者たちが楽曲に合わせたシンプルな振り付け動画をショートムービープラットフォーム「TikTok」で公開。以降、多くの若者がハッシュタグ「#今日好きダンス」と共に振り付け動画を投稿したことも記憶に新しい。

　今日好きダンスの元になったのは、右手の親指・人差し指で矢印の形、左手の親指・人差し指でハート型をつくる「今日好きポーズ」。2019年には、そのポーズをそのまま名前に使用した、『今日好き』発のガールズユニット・みぎてやじるし ひだりてはーと（通称：やじるーと）が結成された。同ユニットには“日本全国の学生たちと最高の思い出を作りたい！”という想いのもと、過去出演メンバーの重川茉弥（まやりん）、仲本愛美（まなまな）、野島日菜（ひな）、東原優希（ゆうき）、平野柚希（ゆず）、流那（るな）、山田麗華（れいたぴ）が参加。全員のSNSフォロワー総数が約300万人だ。天月-あまつき-が楽曲提供した1stシングル曲「恋しちゃおっか？」は音楽ストリーミングサービス「AWA（アワ）」で独占配信された当日、デイリーチャート1位に。SpotifyバイラルチャートでもTOP3入りを果たし、以降も同チャートの常連となった。いきものがかり「じょいふる」のカバーやSilent Siren提供楽曲の「メロクラ♡」など、多くの話題をつくってきたやじるーと。3月11日にはミニアルバム『また、すぐ会えるよね。』がリリースされるが、現メンバーは3月末をもって卒業となる。

　そのタイミングで今回結成されたERRORも期間限定ユニットのため、リリースされるのはただ1曲のみ。メンバー全員がプロデュースに関わっている最初で最後の楽曲「ERROR」は、4月1日に発売。発売に先立ち、2月18日には『今日好き』の公式YouTubeチャンネルが開設され、ERRORのプロモーションビデオが一部公開された。映像では、メンバーたちが暗く閉ざされた場所で息の合ったダンスを披露。男子高校生らしからぬ色気ある一面を見せている。動画の再生回数はすでに10万超（3月1日時点）。毎週火曜日には、ダンスの練習風景やメンバーたちが会話する様子などが収められた動画も配信されている。1stシングル配信まで、約1カ月。Instagramの公式アカウントも日々フォロワーを増やしており、徐々にERRORは存在感を増している。

　恋リア番組の視聴者は、SNSを巧みに使いこなし、“バズる”ものに敏感な10代～20代中心。そんな若者の心に火をつけるだけの話題性を持つERRORは、また新たなセンセーションを巻き起こすことができるのだろうか。短期間に生み出される彼らの活躍が期待されている。（苫とり子）