虹色の朝が来るまで
19/11/20(水)
虹色の朝が来るまで (C)2018 JSLTime
ろう者の監督が、ろう者を役者に迎えて、LGBTQのろう者についての物語を描く。こうなると、普通ならば障がいに対する幾重ものレイアーがかかってしまい、ともすると、その状況に置かれたマイノリティの窮状を声高に訴えるような内容になってしまってもおかしくない。むしろそうなってしまうケースがほとんどかもしれない。
ただ、本作は違う。仲間内だけで共感しあう映画でもなければ、社会へ痛烈なメッセージを放つ映画でもない。ろう者、ろう者の中の性的マイノリティ、その恋愛を特別視していない。今井ミカ監督は、いい意味で、自分たちのありふれた日常の延長線上にある、ありふれた人間のありふれた恋愛として軽やかに描いている。普通の恋愛映画として成立させているところが素晴らしい。
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