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語り芸に魅せられた玉川奈々福が“惚れるひと”を紹介する人気シリーズ第3弾

ぴあ

20/10/4(日) 12:00

「奈々福の、惚れるひと。」 撮影:橘 蓮二

浪曲界において、表情豊かで覇気のある語り口、古典に加え百人一首からジブリ映画やオペラまで様々な題材で新作を作る芸域の広さ、落語・講談・文楽・琵琶・日本舞踊・オペラ・パンソリなど他ジャンルとの舞台や海外公演をこなすアクティブさで、光彩を放つ浪曲師の玉川奈々福。さらに彼女を語る上で欠かせないのが、プロデューサー的な資質だろう。多彩な活動を通じて得た知見や人脈を反映させた彼女の企画は、実に見どころ・聴きどころの多い内容になる。その奈々福が日本の伝統話芸の分野の“惚れるひと”を紹介するあうるすぽっとのシリーズ「奈々福の、惚れるひと。」の第3回が、落語家の五街道雲助と講談師の神田阿久鯉を迎えて開催される。

五街道雲助(ごかいどう くもすけ)撮影:橘 蓮二
神田阿久鯉(かんだ あぐり)撮影:橘 蓮二

五街道雲助は、東京生まれ・東京育ちの“江戸っ子”。その切れ良く味わいのある語り口と情景が目に浮かぶ描写力、三遊亭圓朝ほかの長編落語にも取り組む姿勢などから、「正統派の雄」と称される。2016年には紫綬褒章を受章した名人だ。奈々福は「雲助師匠の高座をぜひ生で聴いてください。とろけますよ」と推す。一方、神田阿久鯉は1996年に三代目神田松鯉に入門し、現在、弟弟子の神田伯山の姉弟子と共に講談界を牽引する実力派だ。女性であることを活かした温かみと男性顔負けの迫力を併せ持つその芸は、奈々福に「阿久鯉先生の規矩正しい素晴らしい高座。女性の芸人さんで私が惚れている方ナンバー1です」と評されている。このふたりの高座に加え、奈々福が数多くの海外公演を一緒にこなしてきた曲師・沢村美舟の三味線で浪曲を披露する。

日本にあまたある語り芸の中でも「日本三大大衆話芸」と言われる浪曲と落語と講談は近しく、同種の題材から生まれた演目も多い。と同時に、他にはない特色がそれぞれにある。形式だけで言っても、ひとりで語る落語と講談に対して浪曲は三味線とセットだし、同じひとりでも、講談は釈台と張り扇(おうぎ)で語るが、落語は折に触れて手ぬぐいと扇子を用いながら話す。勿論、話芸そのものも異なっている。「奈々福の、惚れるひと。」は、それらの違いを楽しみ、語り芸の豊かさを満喫できる絶好の機会なのだ。

撮影:橘 蓮二

『奈々福の、惚れるひと。』
出演:五街道雲助 神田阿久鯉 玉川奈々福(曲師:沢村美舟 )
※曲師・沢村豊子が休演の為、沢村美舟が代演となります
開催日時:10月7日(水)14:00 / 19:00 全2回公演 ※当日券販売あり
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)

文:高橋彩子

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