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比嘉愛未は“時代の女神”!? 『レンタルなんもしない人』にもたらす“もう一つの癒し”

リアルサウンド

20/5/20(水) 6:00

 NEWS・増田貴久主演のドラマ『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系)での、比嘉愛未の素敵な奥さんぶりが話題となっている。新型コロナウイルスで外出自粛の今、『レンタルなんもしない人』のレンタルさんに癒される人が相次いでいるが、比嘉もレンタルさん同様、視聴者の「癒し」になっているのではないだろうか。

参考:【ほか場面写真】笑顔を見せる比嘉愛未

 『レンタルなんもしない人』は、増田演じる森山将太、通称・レンタルさんの、「なんもしない人(ぼく)を貸し出します」「ごくかんたんなうけこたえ以外、なんもできかねます」という不思議な条件付きでの仕事ぶりを描いていく。依頼はこれまで、「東京最後の一日に付き合ってほしい」「出社が怖いのでついてきてほしい」「離婚届の提出に同行してほしい」……といったもの。いつも何かに追われるこの時代では、「頑張れ」という声ですらプレッシャーになり鬱陶しくなることもあるだろう。そんな現代社会に疲れた人たちが、とにかく何もしないレンタルさんと出会うことで、心が洗われ救われていくのだ。

 ただ、このレンタルさんもまた、同じように社会に押しつぶされた1人。そのレンタルさんを優しく見守り、レンタルさんになることを勧めたのが、比嘉演じる妻の沙紀だ。ドラマでは、料理を作り、育児に励み、レンタルさんの今日の報告を聞く。小さな子供がいるのに夫が無職となったら、普通はピリピリするものだが、沙紀は、まるで菩薩のようにレンタルさんを笑顔で受け入れる。

 近年の比嘉は、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)の白血病を患う子供の命を守るために必死にドナーを探すシングルマザーや、『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~ 伊勢志摩で大漁! 初めての出張編』(テレビ東京系)でのダメな夫の帰りを待つ母親、そしてNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』では、上京したなつ(広瀬すず)を優しく迎え入れる東京の母親的存在のマダム役など、母性のあるキャラクターを演じることが多い。そうした自立した女性像の体現に止まらず、凛とした顔立ちや女性としての強さの裏に、どこか孤独の寂しさが見え隠れするのが、比嘉のこれまでの魅力だったように思う。ただこの作品では、寝癖が戻らないことを怒るくらいで、とにかく受け入れる優しさがあるのである。

 第2話では、レンタルさんが「僕が会社を辞める時不安じゃなかった?」と聞くと、「あのまま働いていた方が不安だった。君、笑わなくなっていたから」「だから君が仕事を辞めて、今の仕事をしない感じ、凄くいいと思う」と、日常会話で何気なく彼の活動を肯定する優しさを見せる。沙紀の両親が、レンタルさんが会社を辞めたことを知り、そのことを咎められる第5話では、「あのまま仕事を続けてたら、私の好きなあの人がいつか消えていなくなっちゃうんじゃないかって」「私にとってあの人はいてくれるだけでいい、だから彼が見つけた何もしないって生き方、応援したい」と幸せそうな顔で親に説明する場面も。沙紀の、レンタルさんへの思いが伝わる名シーンだろう。とにかく彼の生き方を肯定する……その優しさは、比嘉が持つお姉さん的存在感と雰囲気があるからこその技。日常的な夫婦の関係を自然に比嘉が見せることで、他人を受け入れることの大切さが視聴者にも伝わるのだ。

 このドラマは実話をもとにしたものとは言え、報酬を得ないレンタルさんの存在はファンタジーになりかねない。しかし、レンタルさん本人のビターな過去、そして沙紀という奥さんがいるからこそ、このドラマは現実味を帯び、共感を呼んでいるのかもしれない。レンタルさんを時代の救世主と呼ぶ人も多いが、比嘉が演じる沙紀はまさに時代の女神と言えるだろう。

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