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0.1gの誤算が明かす、バンドとしての決意と軸「外の人たちに知ってもらわないとデカくならない」

リアルサウンド

19/9/7(土) 12:00

 アイドルや歌い手などとの対バンを行ない、ジャンルの枠を超えて活動するロックバンド・0.1gの誤算。9月10日には「有害メンヘラドール」「溺愛ヤンデレボーイ」に続くシリーズ第3弾『絶望メンブレガール』のリリースも控えている。先日、3度目となるZepp DiverCityワンマンを成功させ、来年3月には4周年を記念したワンマン公演を豊洲PITで開催することが発表された。『有吉ジャポン』(TBS系)やドラマ『これは経費で落ちません!』(NHK)への出演など、メディア露出も続く彼らの魅力の“軸”になっているものとは。メンバー全員へのインタビューから紐解く。(編集部)

「死ぬ以外は何でもやる」(眞崎大輔)

ーーZepp DiverCityで行なった『-改・鬼畜企画- Tour Final 「俺達の前に道はない、俺達の後ろに道はできる」 〜緑川裕宇Birthday〜』は、バンドにとって同会場で3度目のワンマンだったわけですけども、振り返ってみるといかがでしょうか。

緑川裕宇(Vo):これまでは会場に飲まれていたというか、固くなっていた部分もあったけど、今回は最初からいつもの自分たちのスタイルで臨めたかなと思います。もしかしたら最初に(本編として)4曲やったのがよかったのかも。

水田魔梨(Gt):裕宇さんとは逆で、俺はめっちゃテンパってました(苦笑)。リハーサルがめちゃめちゃ押したから、開場も遅れちゃったんですよ。しかも、リハの最後にやった曲が、もうライブで100回以上は弾いてる曲なのに、めっちゃ間違えたから余計に不安になっちゃって。だから、本番始まるまでずっとヒヤヒヤしてたけど、2曲目ぐらいからやっと落ち着けました。

緑川裕宇:誤算の曲は、下手ギターのソロっぽいところから始まる曲が多いんですよ。

水田魔梨:そう、だから俺が間違えると……っていう。

緑川裕宇:大丈夫だよ、みんなで笑うから。

水田魔梨:いや、みんなが笑ってるとき、俺はマジで泣きそうになってるから(笑)。

眞崎大輔(Ba):俺、間違えたときは、裕宇さんのほうを絶対に見ないようにしてる(笑)。

ーーライブとしては、緑川さんがやりたいことをやりたい放題やる、というコンセプトでしたよね。緑川さんのお話にありましたけど、本編は4曲で、残りはアンコールという構成だったり、神崎さんとのツインドラムからのドラムバトルをしたり。

神崎流空(Dr):俺、ドラムソロって大嫌いなんですよ。よくあるじゃないですか。ライブの途中でみんなはけて、ドラムだけ残って……っていう。あれがどうしても苦手だから、死んでもやりたくなかったのに(笑)。曲中に出てくるソロは全然いいんですけど。

緑川裕宇:でも楽しくなかった?

神崎流空:楽しかったけど、2人でやったからだよ。叩いてる途中で、もしこれを1人でやったら地獄だなと思ったし。だから横を見て、よかった! 裕宇さんがいる!って。初めてライブ中に存在を感謝した(笑)。

ーー今回リアルサウンドには初登場になるので、どんなバンドなのかいろいろお聞きしていきたいんですが、みなさんはちょっと変わったライブをよくされていますよね。先日行なった『【Zepp DC】47都道府県民割引ツアー【攻略祈願】』であれば、近隣県から来場した人にキャッシュバックをしたり、自分たちのアンチツイートをした人はチケット代がタダになる『アンチ限定無料ワンマン』を行なったり。

眞崎大輔:そういう企画に関しては裕宇さんがいきなり考え出したよね?

神崎流空:最初にやった企画ってなんだっけ?

緑川裕宇:『暴れたいバンギャ限定ワンマン』。やっぱりワンマンってどうしても似てきちゃうんですよ。だからコンセプトを持たせて、お客さん的にも自分たち的にも飽きが来ないようにしたほうが楽しいかなと思って。それに、お客さんが来なくても、こんなライブやってるんだ? ってちょっとでも拡散されればいいかなと思ってやってます。

ーーイオンモールでフリーライブもされていますけど、あれも緑川さん発案?

緑川裕宇:あれはたまたまです(笑)。

神崎流空:知り合いの人から「空いたんだけど使わない?」って言われて。話を聞いたら、「機材を持っていけばやれる」っていうことだったんで、「PAさんが空いてたらいいですよ」って。で、PAさんに電話してみたら、その日がたまたま大丈夫だったっていう。そのライブの反響がよかったんですよ。

河村友雪(Gt):初めてやったときはよくわからなかったですけどね(笑)。野外だから、俺らのライブの後ろでちびっ子のサッカー教室とかやってるし、その逆側に車(キッチンカー)で売ってるクレープ屋さんとかがあるし、2階から普通に買い物に来た家族連れの人たちが観てるし、カオスだなと思って。でも、その家族連れの人たちが、ライブにちょいちょい来てくれるようになって、ワンマンでやっている「ちびっ子ゾーン」とかに繋がっていったから、あそこでやった意味は結構あったのかなって。意外とちびっ子はこういう感じのバンドが好きみたいですね(笑)。

ーーライブでいうと、アイドルや歌い手、畑違いのバンドなど、ジャンルを問わず様々なイベントに出演することも多いですよね。

神崎流空:そのきっかけもたまたまなんですよ。アイドルのイベントがあったんですけど、そこに出演する予定だった人たちが出られなくなっちゃったから、「とりあえず名古屋まで行って、代わりに出てくれない?」って、知り合いのライブハウスの店長から言われて(笑)。

眞崎大輔:派遣のバイトみたいな感じで(笑)。

神崎流空:そのライブがまたよかったんですよね。結局、同じようなバンドで集まってライブしても、同じところからお客さんを取り合うだけじゃないですか。内乱みたいな感じになっちゃうし、外の人たちに知ってもらわないと、どう考えてもバンドがデカくならないと思って。それからはそういうイベントを増やしたけど、きっかけは本当にたまたまですね。

ーーたまたまという意味では、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に出演したのも、間違いなくそうだったと思うんですけど。

神崎流空:そうです。たまたま衣装着て、原宿でチケットを手売りしてたらロケの人たちがいて、テレビに出れたっていう。

ーーあと、テレビで言うと、『有吉ジャポン』(TBS系)で取り上げられたりもしましたよね。

緑川裕宇:あれも賛否両論あったけど、よかったかなとは思っていて。

水田魔梨:今度ドラマ(NHKドラマ10『これは経費で落ちません!』)に出るんですけど、それも全部繋がってるんですよ。『月曜から夜ふかし』があって、そこから『有吉ジャポン』の話が来て、ドラマの話が来てっていう。昔、誰かが「仕事の報酬は仕事」って言ってたけど、本当にその通りだなって。深く考えて活動してるほうが計画的に見えるかもしれないけど、それって守りに入っているような感じもあるじゃないですか。だったら、俺らはなんでもいいからやれることをやりたい。それで失敗したらしょうがないぐらいの気持ちでいるから、うまくやれているのかなと思います。

ーー綿密に計画を立ててやっているとは思うんですけど、直感で動くときもあると。

神崎流空:そうですね。後から飛び込んできた話には、基本的に全部乗るっていう。

眞崎大輔:でも、うまい具合に空いてるところに話が来るよね? 神崎がいつもスケジュールを組んでいるんですけど、言ってもそんなに暇なわけではないんですよ。

水田魔梨:ラッキーだよね。

神崎流空:たまたま空いてたっていう。たまたまが多いんですよ、このバンドは。

ーーでも、それだけ“たまたま”が続くのは、いわゆる「持っている」んだと思いますし、たまたまかもしれないけど、それを結実させてきたからいまがあると思うんです。そういう自分たちの強みみたいなものってどんなところだと思いますか?

河村友雪:……まあ、言われたらなんでもやるからじゃないですかね(笑)。

緑川裕宇:俺ら海外ロケとか全然やりますよ。なんでこんなところに日本人がいるの? みたいな番組とかも。

眞崎大輔:うん。死ぬ以外は何でもやる。

緑川裕宇:あと、どんな話も即決します。ほとんどのバンドって「ちょっと待ってください」って言うじゃないですか。

神崎流空:「ちょっと持ち帰ります」とかね。自分たちもバンドを誘うときがあるんですけど、あれをやられるとイラっとくるんですよ(笑)。いますぐ電話しろよ! っていう。そこは相手も同じだと思うから、俺らはすぐ決めます。言っても「10分待ってもらっていいですか?」ぐらい。「(LINEの)既読が全員ついたら大丈夫なんで」って。嫌だったら「嫌だ」って来るから。

「歌える/歌えないとかは考えてない」(緑川裕宇)

ーー9月10日にリリースされるシングル『絶望メンブレガール』のお話もお聞きしたいです。この曲は「有害メンヘラドール」「溺愛ヤンデレボーイ」に続くシリーズ第3弾で。このシリーズは、曲の出だしはすごくポップでキラキラとした雰囲気だけど、途中からダークかつハードになっていき、目まぐるしく展開していく中で、最後にまた出だしに戻るという構成になっていて、「絶望メンブレガール」もその流れを踏襲していますよね。その縛りがある上で曲を作るのは大変だと思うんですが。

0.1gの誤算/絶望メンブレガール(MV Full)

緑川裕宇:もう作んないっす、このシリーズ。

一同:(爆笑)。

緑川裕宇:もう本当に大変だった……。その縛りで作る苦労もあるけど、同時に、これが当たらなかったら嫌だなと思って。

ーーこのシリーズはバンドの代表作だからこそ、プレッシャーが大きかったと。

緑川裕宇:そうです。歌詞も一回書き直したんですよ。納得のいくものが書けなかったから、レコーディング日を2週間ぐらいずらして、全部書き直して。それでもやっぱり不安で、本当に大丈夫かなと思ってたんですけど、MVを公開したら、1日で2万(回再生)ぐらい?

神崎流空:2万は超えてた。初めてですね。1日でこれまで再生されたのは。

ーー誤算の曲は、1曲に対する情報量が多いですよね。5人の音だけじゃなくて打ち込みもがっちり入っているし、転調やセクションチェンジも多くて、BPMも速い。その辺りはボーカロイド以降の流れを汲んでいるイメージがありますけど、メインコンポーザーの緑川さんとしては、楽曲を作るときにどんなことを意識していますか?

緑川裕宇:イメージ的には、それこそボカロの曲を作っている感じというか。普通のバンドであれば、これだとライブで歌えないからメロディを詰めすぎないようにしようみたいなのがあると思うんですけど、歌える/歌えないとかは考えてないんですよ。歌えなくていいと思ってるんで(笑)。だけどそのぶん、ライブはしっかり踊ったりしようって。

ーーライブでの再現性は置いておいて、まず自分がいいと思うものを音源にしようと。

神崎流空:まあ、楽器隊は(ライブで)再現させられてるんですけどね。

緑川裕宇:みんな再現したがるんですよ。俺はそんなに弾かなくてもいいよって言ってるのに。

水田魔梨:だって目立つフレーズばっかり入れてくるから。

眞崎大輔:でも、やっぱりドラムが一番大変だよね?

神崎流空:うん、かわいそう。

一同:(笑)。

神崎流空:最初はこのヤロウ……! って思ってたけど、あれを叩いているおかげで、関係者とか後輩に「うまい」と言われるようになったから、まあこれはこれでよかったかなって。

河村友雪:曲はどんどん難しくなってきてるし、人間技じゃないものも入ってるんですよ。作るときにピアノで打ち込んでるから、ギターで弾こうと思うと指があと3本ないと無理、とか。ライブのときは、そういうものは自分なりに簡略化するんですけど、意地でも弾こうとはするんです。これはバトルなんで(笑)。

ーーコンポーザーとプレイヤーの。

河村友雪:うん。お互い高め合っていかないと。

ーー緑川さんは、元々ご自身の作る曲が情報量の多いものだったところもあるんですか?

緑川裕宇:いや、昔はああいう曲は全然作ってなかったです。それこそボカロを何年か前に聴いたときに、これいいなと思って。そこからですね。あと、自分のはちゃめちゃな性格を曲で表すと、ああいう感じになっちゃうところもあります。

ーーその中で、カップリングの「ライラックアイロニー」はメロディをしっかり立たせていて、誤算のパブリックイメージとは、ある種真逆な印象もありますけど。

緑川裕宇:本当はどちらかというと、こういう曲側の人間なんですよ(笑)。90年代を愛する男なので。こういう曲はめったに作らないけど、作っていて楽しいですね。こういうシンプルな曲が逆にライブで映える感じもあるし。

ーー“緑川裕宇”を楽曲に投影すると、いわゆる誤算らしい曲になるけど、素の自分を曲に落とし込むと「ライラックアイロニー」みたいなものになる?

緑川裕宇:ああ。そうかもしれないですね。

ーーそして、来年3月28日には豊洲PITでの4周年記念ワンマンライブ『挑戦は終わらない、俺達が俺達であるために』が決定しています。その前には全国無料ワンマンツアーなど、様々なライブを予定されていますが、4周年に向けていまはどんなことを考えていますか?

緑川裕宇:俺、未来のことをそんなに考えていないんですよ。楽しいか、楽しくないかだけで生きているんで。

神崎流空:僕としては、いまはもう5周年のことを考えてますからね。

ーー年間スケジュール的に、そこをいま考えないと間に合わないという。

神崎流空:そうです。4周年のことは3周年の前にはもう考えていたし。だから毎回恐ろしさはあるんですけど。

ーーその辺は想像通りに来ていますか? それとも想像以上の結果が来てます?

神崎流空:う~ん……トントンぐらいですかね(笑)。まあ、4周年の蓋が開いてみないとわからないですし、豊洲PITがパンパンになったら、そこは戦略通りではありますけど。でも、いまは人口も減ってますしね。

ーー少子化で。

神崎流空:そろそろ演歌でもやったほうがいいんじゃないか? っていう話もあるんですけど。

ーーそういう曲をやろうという計画もあるんですか?

緑川裕宇:曲の話は出てないけど、40歳以上は(チケット代を)1,000円にしようか? っていう話は出てるんですよ。まだ全然動いてないけど。

神崎流空:シニアチケットみたいな。60歳以上はタダとかね。

緑川裕宇:そうなるとやっぱ(巣鴨の)地蔵通りでフライヤー配ったほうがいいんじゃない?

神崎流空:いや、いいけど、おじいさんおばあさんはイス出してあげないと大変だよ?

水田魔梨:いつもライブは3時間ぐらいやるしね(笑)。

ーーそうやっていろんなことを計画しつつ、直感的におもしろそうなものは飛びついていくという、その2つの軸が誤算にとっては大切だと。

神崎流空:そうですね。自分の中でこの後の計画を立ててはいるんですけど、まだみんなには話してないんですよ。ある日突然スケジュールが更新されるぐらいで。それに、共有し始めたらぐちゃぐちゃになっちゃうと思うんですよね。直感で動いてもらったほうが絶対にいいと思うんで、いまはこの形でいいかなと思ってます。

(取材・文=山口哲生)

■リリース情報
『絶望メンブレガール』
2019年9月10日(火)発売

■ライブ情報
『4th Anniversary ONEMAN 挑戦は終わらない、俺達が俺達であるために』
2020年3月28日(土)豊洲PiT

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