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w-inds. 橘慶太×岡崎体育対談【後編】 コラボ曲制作の上でも鍵に? ゲームを通じたコミュニケーションの大切さ

リアルサウンド

20/5/3(日) 12:00

 3人組ダンスボーカルユニット・w-inds.のメンバーであり、作詞・作曲・プロデュースからレコーディングにも関わるクリエイターとして活躍中の橘慶太。2020年3月にはKEITA名義で4年ぶりとなるソロアルバム『inK』をリリースするなど、積極的な音楽活動を行っている。そんな彼がコンポーザー/プロデューサー/トラックメイカーらと「楽曲制作」について語り合う対談連載「composer’s session」第5回のゲストは岡崎体育。

 岡崎体育の音楽活動についてじっくりと掘り下げた前編に続く後編では、日頃の二人の交流やKEITA「Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育」の制作について、さらにオンラインゲームを通したコミュニケーションの大切さなど、ざっくばらんなトークを繰り広げた。(編集部)

(関連:w-inds. 橘慶太×岡崎体育対談【前編】 DTMとの出会いが叶えた夢、“歌詞が脚本”スタイルの楽曲制作について聞く

■岡崎体育が考える、楽曲制作における“言語”の可能性

橘:岡ちゃんは東京に出てきて、いろいろ機材を揃えたとき、誰と一緒に買いに行ったんでしたっけ。

岡崎:ドラシンさん。

橘:いや、僕でしょ!(笑)。それは僕の友だち。

岡崎:あ、慶太さんでした。

橘:そう(笑)。一緒に機材を買いに行きましたよね。Twitterで岡ちゃんがパソコンを買いに行くって言ってたのがきっかけで。

岡崎:ずっとノートパソコンでやってたんですけど、東京に引っ越してきて作業スペースが今までより広くなったから、大きいかっこいいデスクトップがほしいなと思っていろいろ調べていて「こんなんどうなのかな」ってTwitterのフォロワーの人に投げかけてたんですけど、その中に橘慶太が混ざっていて(笑)。慶太さんがリプライをくれたんでしたよね。で、フォロワーのみんなが「いやもう橘慶太さんに従っとけば間違いないよ」って言ってて、あぁそうかって(笑)。HDDよりSSDがいいとかいろいろリストアップして、最後に「橘慶太に全部聞くのがいい」って書いたら「一緒に買いに行こう」ってなった(笑)。

橘:次の日には買いに行きましたね(笑)。家の前まで車で迎えに行って。

岡崎:渋谷のAppleに最初連れて行ってもらって、パソコン見て、「あぁこういうのがいいな」って話してて、「もっと楽器とかも揃えたいんですよね」って言ったら行きつけの楽器屋にも連れて行ってくれました。

橘:速攻スピーカー買ってましたね。

岡崎:フランス製のFOCAL。あれはよかったですよ。

橘:僕が紹介したから、なにかサービスを受けられるのかと思ったら、岡ちゃんがサービスを受けてた。なんの得もなかったですよ、僕は(笑)。

岡崎:ほかにも楽器のこととかいろいろなアドバイスをしてくれたりして。僕が東京に来てからの音楽生活は、今のところ全部橘慶太さんですよ。完全に犬です(笑)。

橘:東京に来てからまた最近、いろんなジャンルの曲を作ってますよね。プロデュースが多いですか?

岡崎:そうですね。最近だと鈴木雅之さんの曲をやらせてもらったりとか。

橘:すごい! どういうオファーがくるんですか? トラックだけ?

岡崎:シャネルズ時代の「街角トワイライト」っていう曲があって、最初はリアレンジっていう話だったんですけど、一緒に歌ってほしいっていうオファーもきて、リアレンジと歌唱で参加させていただきました。

橘:今日本一コラボしてるんじゃないかぐらいの活躍ですよね。

岡崎:自分の曲もそろそろ書かないとなと思ってるんですけどね。

橘:最後に出たの、結構前?

岡崎:映画のタイアップとか、クリスマスソングを去年の末に出したりとか、NHKのドラマが始まってその曲を書いたりとか、単曲では出してるんですけど。

橘:ドラマに出たりもしてますよね。

岡崎:まさかドラマに出るようになるとは思わなかったです。NHKと今むちゃくちゃ癒着してて。

橘:たしかにNHKの岡崎体育率はすごい(笑)。

岡崎:毎週NHKで何かしら岡崎体育を見てるんちゃうかっていうくらいNHKと絡んでるんですけど、全然紅白に出させてくれない。せめて今年くらいは!

橘:子供向けの曲も作れそう。作ってます?

岡崎:アニメの曲を作ったりはしてるんですけど、本当の子供目線というか、お遊戯系の曲は書いたことがなくて。

橘:できそうですよね、おかあさんといっしょ系。

岡崎:やってみたい気持ちはすごくありますね。

橘:やってほしいな。絶対子供がリピートしそうな面白いフレーズを考えられそう。うちの子も岡ちゃん大好きで、ずっと見てます。

岡崎:歌ってくれてるのは知ってます。

橘:これからの目標はありますか? 今までの目標はずっと叶えてるじゃないですか。

岡崎:そうですね、やっぱり目標はDivision1でプレイすること。

橘:それはFIFAの話かな? サッカーのオンラインゲームの目標になってる(笑)。

岡崎:今どうしても比重がゲームにいってて……。

橘:そんなことないでしょ。すぐ落ちる(オンラインゲームを終わらせる)。岡ちゃん、落ちるとき早いよね、落ちまーすって(笑)。僕が同じことするとみんなに引き留められるんですよ。岡ちゃんも「もう1試合! もう1試合!」って。僕はそういうときもう1試合やっちゃうんですけど、もう1試合っていうくせに自分はプチって切るから(笑)。

岡崎:もうあれは切ったもん勝ち。切りさえすれば、誰の声も聞こえないですから(笑)。

橘:サッカーはDivision1に上がるとして、音楽は?

岡崎:ずっと昔から言ってる目標で叶えられてないのは、フィジカルで10万枚売るっていう目標ですね。パッケージを売るっていうのが本当に難しい時代になってきてるのはわかるんですけど。

橘:今はストリーミングがメインだったりするんでね。

岡崎:難しいんですけど、やっぱり自分の音楽をやってきた爪痕として、10万枚売ってみたいなっていうのはすごくありますね。10万枚売りたいというよりは、10万枚売れるようなものをつくるということが大きいです。あとは月並みではありますが、コンスタントに自分がどんどん新しいものを生み出したいというのはありますね。

橘:毎日曲は作ってるんですか?

岡崎:毎日DTMに向き合って曲を作ってはいますね。でも岡崎体育の曲として向き合えないことが最近多かったので、なるべく早く今残っている仕事を終わらせて、自分の曲を書きたいっていうのはあります。今年中には出したい。

橘:お! アルバム?

岡崎:僕シングルはあんまり出さないんで、アルバムを出せればなと思って今制作してますね。ギリギリになるかもしれないし、もしかしたら年をまたいじゃうかもしれないですけど、自分の曲を作る。

橘:岡ちゃんは自分の作品を作る上でサウンド面でこだわっている部分はあるんですか? いろんなジャンルをまたいで制作をしているけど。

岡崎:語れるほどこだわりっぽいこだわりはないんですよね。ニンテンドーDSで打ち込んでる頃からそうなんですけど、やっていて「今の気持ちいいな」とか「今の多分音楽的に間違ってないんだろうな」っていうのを形にしていってるようなものなので、作る前とか作ってる最中にこだわりがあることはないですね。

橘:一緒に楽器屋に行ったときに、シンセのソフトをおすすめしてて、キーボードを触ったじゃないですか。そのときベースラインを弾いてるのを聴いて一瞬で感じたことは、完全に感覚で作ってるんだってことで。感覚派ですよね。あ、これいいな、みたいな。その一瞬の作業の仕方が完全に感覚派、直感型でしたね。でもそれってある意味、直感にこだわってるっていうことなのかも。自分が気持ちいいと思ったものをどんどん作るってことだから。理論を学びすぎると直感が失われたりすることもあるし。

岡崎:楽譜も読めないし理論も知らないんですけど、学ぼうと思わないんですよね。今までずっとこれでやってきたんで、まぁ崩す必要はないかなって。

橘:ダンスミュージックを作るときの日本語乗りも直感で考えている?

岡崎:音符一つにひらがな一文字の意識さえ捨てれば、そこまで苦ではないですよね。J-POPを聴いて育っていると、音符一つにひらがな一文字のステレオタイプができてしまう可能性がある。でも洋楽を聴いていると、たとえば「スマ~イル」とか、スマイルってカタカナにしたら4文字ですけど、音符一つに当てはめられる。その感覚を養うことによって、だいぶ作りやすくなるんじゃないかなと。

橘:僕は語尾の韻を意識することが多いかな。メロディに対して気持ちいい言葉が「お」だったら、そのループしたメロディは絶対「お」でいこうとか。「い」だと響きが悪いなって思ったら絶対「い」にしないとか。ダンスミュージックだけじゃなくて、歌って実は語尾が重要なので、語尾の気持ちよさの韻探しをやるようにしてます。そういえば、前に岡ちゃんにゲームをしながら、何の作業が一番好きかを聞いたことがありましたよね。僕が歌詞を書くのが苦手で世の中に対して言いたいこともないから困ったな~って話をしてて「岡ちゃん何が好き?」って聞いたら「歌詞を書くのは結構好き」って言ってて、歌詞を書くのを楽しめてていいなぁって思ったのを覚えてる。

岡崎:音楽って本当に新しいものを生み出すのってすごく難しいことだと思うんですよね。何億曲、何兆曲ってあるんで。音の数も12個って決められてるから新しいメロディを生み出すのは難しいんですけど、言語には可能性があると思っていて。そういうところで自分のオリジナリティを出せたらいいなって考えてます。だからネタ曲以外に普通に作る曲もあるんですけど、同じような感覚を持った人に響けばいいなという思いを込めて歌詞を書いたりしてます。良いフレーズが出てきたときにはすごく嬉しくなりますよね。

橘:じゃあ基本的には歌詞にあったメロディや音楽をつける感じなんですか?

岡崎:いや、僕はどちらかというと曲とかメロディが先にできて、それに当てはまるような気持ちを歌詞に書くので、それにぴったりハマったとき一番気持ちよさを感じますかね。

■二人のコラボ曲、なぜ“任侠もの”MVに? 制作秘話を語る

橘:最後に「Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育」についても話していいですか? 突然お願いしたのに引き受けてくれてありがとうございました。ソロアルバムのリード曲でやりたいジャンルとかイメージはあったんですけど、それを一人でやるっていうのがどうも自分の中でしっくりこなくて。曲ができた途端に「これは岡ちゃんとやったら一番面白いんじゃないか」ってひらめいて、そのテンションのままLINEしちゃったんです。2週間後くらいにライブがあるのも知ってたんですよ。

岡崎:大阪でアリーナクラスのワンマンがあった時期ですよね。

橘:さいたまスーパーアリーナでワンマンをやったとき、岡ちゃんは自分のゲーム機をソニーに送ってゲームができない環境にしてライブの作業を1カ月くらいやってたのを知ってたから、今回もきついよなと思いながらも、どうしてもやりたくて連絡しちゃったんです。そしたら「ぜひやりましょう」って、突然のオファーにもかかわらず受けてくれて。スケジュールもタイトな中。

岡崎:でも僕のワンマンが終わってから制作にとりかかるようなスケジュールを組んでくださったので、めちゃめちゃ気持ちよくできました。

橘:曲作りは僕の中にやりたい世界観があったので、最初に歌詞とメロディを自分のパートとサビだけつけて岡ちゃんに投げて、岡ちゃんのパートを書いてもらった感じでしたよね。

岡崎:そうです。それを受け取って「『Tokyo Night Fighter』やろ、絶対任侠ものや」って思って、それっぽい歌詞が半分くらいできたところで「今こんな感じで作ってます」って送ったら「いや『Tokyo Night Fighter』はアイドルとかが東京で一生懸命頑張ってる曲だよ」って言われて「すいません、俺ゴリゴリ任侠ものだと思ってました」っていう。

橘:それもサッカーのオンラインゲーム中に聞いて(笑)。「任侠ものと捉えたか!」って思ったんですけど、それはそれで面白いからそのまま書いてってお願いをして。結局2パターン作ってくれましたよね。

岡崎:そうそう。アイドルって言われたんで、アイドルのパターンと任侠もののパターンも一応送って。そしたらなぜか任侠ものの方に。

橘:任侠ものが面白すぎた(笑)。で、「任侠ものだったら、僕MVでヤクザになりますわ」ってふざけて言ってたから、スタッフに「岡ちゃんヤクザやるから、そういうMVになる」って伝えました(笑)。

岡崎:マネージメントとレコード会社が真に受けすぎたっていうのはありますね。

橘:岡ちゃんの勘違いから、あのMVができたっていう(笑)。

岡崎:完全に僕のミスリードから始まった話ですね(笑)。

橘:おかげさまで僕はめちゃくちゃいい作品になったなって思いますけどね。

岡崎:トラック自体がサイバー感のあるかっこよさだったんで、これは“ネオサイバーヤクザ”みたいなものになったらかっこいいだろうなって思ってました。

橘:MVも完全にやりきってますから。レコーディングも一緒にやりましたね。

岡崎:ボーカルディレクションをしてもらって。レコーディングのときに「あ、橘慶太さんだな」っていうのを感じましたね。めちゃくちゃテキパキしてるし、ここのところもう一回っていう判断がすごく早いし、頭の回転も早い。ダラダラした現場が僕は得意じゃないので。1時間ぐらいで終わって、やっててすごく気持ちよかったです。

橘:岡ちゃんはどんな場所にも音楽にも馴染めるというか、カメレオンっぽいところがすごい。面白いことをやってると思ったら、「Tokyo Night Fighter」はめちゃくちゃかっこよかったりするし、それこそさっき言ったソウルファンクっぽい感じもできるし、どこでもどんな顔でもできるんだなっていうのに、岡崎体育ならではのエンターテインメント性を感じて感動しました。

岡崎:それはどこにでも馴染めるわけではなくて、やっぱり自分がリスペクトしているものや自分がやりたいものではないと馴染みにいかないので。慶太さんはツーマンライブをやらせてもらったときからすごくよくしてくれてるし、音楽的にも最近のw-inds.の曲は全部慶太さんが作ってるっていうのを知ってから、トラックもむちゃくちゃかっこいいし、すごい人なんだなって感じてます。そういう人と一緒にいつも仲良くゲームをやらせてもらったり、楽曲に参加させてもらったり、ご飯に一緒に行ってもらったりして、本当に自分の一回きりの音楽人生の中で、いい先輩を持ったなっていうのは感じてて。あと他に慶太さんの良いところは……

橘:シュートがうまいよね(笑)。

岡崎:そうですね、ペナルティエリアの中での動きはやっぱり。オンライン上でも判断力がすごい(笑)。

橘:ゲームで普段からコミュニケーションをとってるからこそ、制作もスムーズにできたっていうのはあるかもしれないですよね。

岡崎:制作のスムーズさもそうですし、コラボ自体が決まったことに関しても、やっぱりゲームはすごく大事だなって。

橘:オンラインゲームで輪を広げていく大切さを今回は伝えておこう(笑)。

岡崎:オンラインゲームの話、もうちょっといいですか? やっぱり抵抗がある人ってまだいると思うんですよ。ゲームばっかりして、みたいな。でも、同じ職種であるミュージシャンとゲームをやってるのもそうなんですけど、今のゲームって進化してるからボイスチャットでいろいろ話をするわけですよ。対戦相手を検索してるときとか、待機時間とか、いろいろ音楽の話をするので。そこでそういう音楽があるんだとか、自分と全然ジャンルの違うバンドの人、ダンス&ボーカルグループの人、ソロの人、弾き語りの人、いろんな人といろんな話ができる。ゲームはコミュニケーションツールとしてもすごく大切なものだと感じてるんですよね。

橘:僕の場合もバンドの人と普段関わることはほとんどないですけど、ゲームをやってるとバンドのドラムの方とかギターの方とかいろんな人がいるんですよ。そうするとやっぱりそこからいろいろなことを知ることができて……って、なんでこんなにオンラインゲームの話をまともに(笑)。いや、でも音楽をやる人たちの大事なツールになってるっていうのは間違いないですよね。ただ遊んでるだけではないと。

岡崎:ないですね。

橘:ま、遊んでるんですけどね(笑)。

岡崎:遊んでることを今、正当化しようとしてます(笑)。

橘:すみませんでした(笑)。でも、ゲームのメンバーでいつか音楽を作りたいなって思ったことはありますよ。

岡崎:いいですね。みんなで曲作ってみたいですね。

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