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SIX LOUNGE ヤマグチユウモリが語る、バンドの現在地とニューアルバムの手応え「マイナスなことはまったく考えてなかった」

リアルサウンド

21/1/28(木) 20:00

 大分発の3ピースバンドSIX LOUNGEが1月20日に「カナリア」、2月3日に「スピード」を配信リリース。叙情的なメロディと未来に進む意思を刻んだ歌詞が一つになった「カナリア」、スピード感に溢れたビート、性急なバンドサウンドが炸裂する「スピード」からはSIX LOUNGEのさらなる進化が伝わってくる。

 今回はVo&Gtのヤマグチユウモリにインタビュー。2020年の振り返り、11月から12月にかけて行われたツアーの手ごたえ、新曲の制作プロセス、さらに2021年4月にリリース予定のニューアルバムの展望などについて語ってもらった。(森朋之)

修行のようだった

ーーまずは昨年11月〜12月に行われた『Tumbling Dice TOUR』について。全5公演のツアーでしたが、やってみてどうでした?

ヤマグチユウモリ:修行のようでしたね。コロナになる前の感じではやれないし、お客さんからの反応が感じられないぶん、集中してやらなくちゃいけない感じがあって。まあ、いい機会だったし、それなりに楽しかったです。

ーー12月9日の渋谷STAR LOUNGEのライブを観させてもらいましたけど、お客さんは手を挙げたり、身体を揺らしたりという楽しみ方で。声が出せないので、やっぱり普段とは勝手が違いますよね。

ヤマグチユウモリ:そうですね。クセで煽っちゃったりして、ムズイなって。いい感じでライブ感が戻ってきたところで終わっちゃったので、“来年に向けて”という感じです。

ーー3人で演奏すること自体も久々だったのでは? 春から夏にかけては、リハもやりづらかっただろうし。

ヤマグチユウモリ:うーん、まあ、僕らの拠点は大分なので。緊急事態宣言中はやってなかったけど、解除されてからは、少ない人数でちょこちょこライブもやってたんですよ。なのでそんなにストレスがたまったりもしなかったですね。ニュースとか見ると、「まあ、しょうがないかな」と。あと、俺は基本、家が好きなので、そんなに苦痛でもなかったんですよね。

ーー何をやってたんですか?

ヤマグチユウモリ:ずっと曲を作ってましたね。GarageBandを使い始めて、打ち込みでデモを作るようになって。姉ちゃんにもらったiPadに最初から入っていて、やってみようと思って。前は「めんどくせえ」って嫌がってたんだけど、やってみたら意外と簡単だったっていう(笑)。細かいことは出来ないけど、ぜんぜん満足できてるし、メンバーに聴かせるぶんには十分ですね。遊び道具としても楽しいです(笑)。

ーーSIX LOUNGEの曲であれば、ギター、ベース、ドラムがあれば成立しますからね。

ヤマグチユウモリ:そうですね。MIDIキーボードも買って、ちょっとフレーズを入れたり。こういう話、あんまりしたくないんですけどね。裏側を見せたくないというか、音楽作ってる感がウザイじゃないですか(笑)。まあ、今回は暇だからやってみたってことですね。

ーー(笑)。作った曲はもちろん、メンバーにも送ってたんですよね?

ヤマグチユウモリ:ちょこちょこ送ってました。(ナガマツ)シンタロウに歌詞を付けてもらったものもあるし、自分で書いたものもあって。ドラムとベースだけのデモもあるんですけど、曲のタネはいっぱいできましたね。(音楽性も)ちょっと範囲が広がって、おもしろかったですね。

ーー音楽も聴いてました?

ヤマグチユウモリ:聴いてましたね。暇だからよく映画を観てたんですけど、『チョコレートドーナツ』という映画が良くて。主人公がボブ・ディランの「I Shall Be Released」を歌うシーンがあるんですけど、そう言えばディランってちゃんと聴いたことないなと思って、『グレイテスト・ヒッツ』を聴いてみたら、めっちゃ良かったです。「弾き語りでこういう曲をやってみたい」と思って、いくつか作ってみたり。

ーー素晴らしい。ディラン以外では?

ヤマグチユウモリ:最近、ロックバンドをあまり聴いてなくて、わりと静かなものが多いんですよ。チューリップとか、矢野顕子とか。アナログを聴けるようにしたので、レコードを買うのも楽しいですね。おばあちゃんの家にあった沢田研二、『007』のサントラをまず聴いて(笑)。自分で最初に買ったのはサム・クックなんですけど、最高ですね。

ーーメンバーとも音楽の話をしてるんですか?

ヤマグチユウモリ:いや、そうでもないです。普段からそんなに話することもないので。

ーー(笑)。シンタロウさんと(イワオ)リクさん、コロナ禍で落ち込んだりしてなかったですか?

ヤマグチユウモリ:シンタロウはあったかもしれないですね。でも、自分から聞くことはないし、あいつもこっちには見せないので。バイクを買ってツーリングしたり、楽しそうにやってましたけどね。俺はママチャリなんで、だいぶ差がつきました(笑)。リクも車の免許を取ってたし。

ーーメンバー全員、有意義に過ごしていたと。

ヤマグチユウモリ:はい(笑)。あと1年くらい、こういう感じでも大丈夫ですね、俺は。曲も作ってたし、ライブも少しはやれたし。マイナスなことはまったく考えてなかったです。漬物を自分で漬けてみたり、けっこう楽しかったです。

SIX LOUNGE – カナリア

人に好かれる人間になりたい

ーーでは、新曲について聞かせてください。まず「カナリア」。叙情的なメロディとエモーショナルなバンドサウンドを軸にした曲ですが、どんな方向性で制作した楽曲なんですか?

ヤマグチユウモリ:「カナリア」はリクの作曲なんですけど、めっちゃ迷いながら作ってましたね。というか、もともとはミニアルバムを出すつもりで、レコーディングも終わってたんですよ。でも、レーベルの上の人からNGを出されて。

ーーNGというのは?

ヤマグチユウモリ:「もっといけるでしょ?」って煽られた感じですね。で、ムカつき倒して(笑)、がんばって作ったのが「カナリア」だったんですよ。そういう荒波を越えてできた曲だし、結果的には良かったですけどね。まあ、実際はそこまで意気込みがあったわけではなくて、「この曲なんですけど」という感じでしたけど。フワッとしてました(笑)。

ーー(笑)。「カナリア」のアレンジはどんな感じで作っていったんですか?

ヤマグチユウモリ:スタジオでリクに弾き語らせて、そこから3人でいい感じにしていって。歌詞はシンタロウに丸投げですね。歌詞に対してもいろいろ言われてたみたいですけど、「めんどくせえ」ってイヤな顔しながらがんばってたし、前向きな感じの歌詞になったと思います。根は素直なんですよ、みんな(笑)。

ーー「カナリア」は去年のツアーでも披露してましたよね。

ヤマグチユウモリ:はい。新曲をライブでやると、お客さんのほうにも緊張とワクワクがあると思うんですけど、いまいちレスポンスがわからなくて。ライブハウスの人や関係者には「新曲いいね」と言ってもらったから、まあ、よかったです。リリース後にライブでやれば、また反応も変わると思うし。

ーー「スピード」はタイトル通り、スピード感に溢れたロックンロール。

ヤマグチユウモリ:こっちは俺が「スピード」って言いたくて作った曲ですね(笑)。“ライブで曲名をコールして、ドラムから始まる”っていうのをやりたくて。この曲には関係ないけど、真心ブラザーズの「スピード」も大好きだし。

ーー作曲はユウモリさんですが、自分でデモを作ったんですか?

ヤマグチユウモリ:いや、ドラムのフレーズもシンプルだし、口で伝えればわかるかなと思って。スタジオで音を出しながら合わせたんですけど、最速でできました。こっちはまだライブでやってなくて、次のツアーからですね。

SIX LOUNGE – スピード 2021.02.03 配信リリース

ーー3月に行われるツアーですね。新曲をどんどんやっていくツアーになりそう?

ヤマグチユウモリ:やれる曲はやろうと思いますけど、(4月リリース予定の)アルバムの曲は、リリースした後かな。3月のツアーは対バンツアーなんですよ。友達や先輩と飲みたいなと思って(笑)。去年、ザ50回転ズと対バンさせてもらったんですけど、そのときも最高だったので。レジェンドですね。

ーー4月7日にリリースされるニューアルバム『3』の展望についても聞かせてもらえますか?

ヤマグチユウモリ:(音楽性などは)そこまで変わらないと思いますけど、ゆっくり時間をかけて構成やアレンジを練られたのはよかったのかなと。もともとはミニアルバムの予定だったから、アルバムのために新曲を作ることになったんだけど、何とかいい曲が出来たし。あと、レコーディングは全部、地元の大分でやりました。いままでは岡山や福岡のスタジオも使ってたんだけど、行きづらい状況だったので。マネージメントをやってくれてるライブハウスの坪井さん(「T.O.P.S」の坪井健一郎氏)に録りをやってもらったんですよ。スタジオと家がめっちゃ近くて、チャリで5分なんですけど、それも最高過ぎましたね。

ーー音的には?

ヤマグチユウモリ:すごく良かったですね。二人(リク、シンタロウ)はどう思っているか知らないけど、俺は満足してます。ギターの音とかも、そこまでこだわってないんですよ。もうちょっとおじさんになったら、気にしはじめるのかも(笑)。

ーー(笑)。メジャーデビューから3年目になりますけど、ユウモリさん、ぜんぜん変わらないですね。いつもフラットで、やりたいことをやり続けてるというか。

ヤマグチユウモリ:そうですかね? 自分ではだいぶ変わった気がしていて。ちょっと大人になりましたね、心が。

ーーどういうことですか?

ヤマグチユウモリ:ちゃんとしようと思ったんですよ(笑)。もう24歳だし、同級生がちらほら結婚しはじめてるのに、俺は人としてやばいなと。何て言うか、人の悪いところばっかり見ちゃうクセがあるんですよね。基本、人間に興味がないんですけど、気が付くとイヤなところばかり気にしてて。それをやめて、誠意ある行動をしようと思ったんですよね。人に好かれる人間になりたいので。まあ、まだ出来てないですけど。

ーー他の人には興味なくても、メンバーには興味あるんですよね?

ヤマグチユウモリ:(笑)。興味というか、わりとよく知ってますからね。バンドもそうですけど、好きなものには興味あるというか……よくわかんないっす。

 

■リリース情報
「カナリア」
2021年1月20日(水)配信
配信はこちら

「スピード」
2021年2月3日(水)配信

ニューアルバム
『3』
発売:2021年4月7日(水)

■ツアー情報
『SIX LOUNGE 「9-Ball」TOUR』
3月12日(金) 松山 W studio RED 
3月14日(日) 京都 MUSE 
3月16日(火) 長野 LIVE HOUSE J 
3月18日(木) 水戸 LIGHT HOUSE 
3月19日(金) 渋谷 CLUB QUATTRO 
3月21日(日) 盛岡 CHANGE WAVE 
3月23日(火) 横浜 F.A.D 
3月25日(木) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM 
3月27日(土) 沖縄 桜坂セントラル  全公演対バンあり

オフィシャルサイト

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