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Da-iCEが紡ぐ、結成から現在に至るドラマティックなストーリー 代々木第一体育館で見た奇跡の瞬間を振り返る

リアルサウンド

20/4/17(金) 12:00

 2014年のメジャーデビューから6年。今や日本各地に熱狂的なファンを持つまでに成長を遂げたDa-iCEが、『Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-』を完走した。(大阪城ホール公演は新型コロナウイルスの影響で中止)25都市31公演をまわった全国ツアーのアリーナ版にあたるこちらの公演。初のベストアルバムをひっさげていただけあり、歴代のシングル曲を網羅した圧巻のツアーとなった。今回は、1月11日に国立代々木競技場第一体育館で行われたアリーナツアー2日目の模様をレポート。あの日の5人が巻き起こした奇跡的な興奮を振り返る。

参考:Da-iCE、ドラマ『破天荒フェニックス』主題歌とグループの関係性 歌詞に込められた“不屈の精神”

 スクリーンにメンバー紹介が映し出された後、公演はデビュー曲の「SHOUT IT OUT」で鮮烈に幕を開けた。プロジェクションマッピングを用いた近未来的なパフォーマンスは、大きな会場ならではのスケール感があり、筆者のボルテージをもみるみる上昇させていった。大野雄大が「行くぜ、代々木」とクールに呼びかけると、次に流れたのは8thシングルの「WATCH OUT」。レッドとゴールドが映えるアリーナ仕様の衣装が、激しく歌い踊る彼らの存在感を体現するかのように光沢を放つ。

 そんな気合の現れなのか、Da-iCEはこの後も休憩を挟むことなく、なんとオープニングから30分近くもダンスナンバーを連続で披露。「イチタスイチ」では照明の演出が情熱的なムードを加速させ、「ハッシュ ハッシュ」「エビバディ」では花道を移動しながら屈託のない笑顔を見せる。他にも、コール&レスポンスの極致とも言える「トニカクHEY」に、ラインダンスを繰り出した「FAKESHOW」と、汗だくになりながらノンストップで趣向を凝らす5人。飽きずに見られるライブの真髄を見たような気がした。

 おしゃれ+カジュアルな衣装で登場したDa-iCEは、先ほどまでとは打って変わってファンシーなゾーンに突入。「WELCOME!」でのキスのポーズ、「TOKYO MERRY GO ROUND」での笑顔など、メンバーのリラックスした表情がスクリーンに映し出されるたび、会場からは悲鳴にも似た歓声が湧き上がった。「DATE」ではこのセクションの集大成でもあるかのように、歌詞に合わせた小芝居も展開。硬軟自在な彼らの魅力に大勢のオーディエンスは釘付けとなった。

 「DATE」が終わると、大野雄大のみが中央のステージまで歩き、静まり返った会場で松田聖子のヒット曲「あなたに逢いたくて~Missing You~」をアカペラでカバー。アカペラグループ出身である大野なりの原点回帰だそうだ。これを皮切りに、メンバーそれぞれによるショータイムがスタート。パフォーマーの和田颯は、無音タップダンスに挑戦し、会場の手拍子とも呼応したスリリングなパフォーマンスを披露。花村はと言うと、一年前に出演した舞台からのインスパイアとして殺陣を実演。「殺陣師から無理難題を言われた」と語るほどハードルの高い取り組みだったそうだが、壮大な演出も相まって見事な立ち振る舞いを見せた。

 このあと数曲のパフォーマンスを挟み、リーダーの工藤大輝は“恋ステバンド”(AbemaTVオリジナル恋愛リアリティーショー『恋する♡週末ホームステイ』にて結成されたバンド)のLilacに提供した「Hello」を歌謡曲風のアレンジでセルフカバーし、岩岡徹はメロウなR&Bサウンドに乗せて色気たっぷりのダンスを披露。とりわけ岩岡のパートは、Da-iCE本体ではなかなか見ることが出来ない大胆な所作がとても刺激的で、ファンにはたまらないご褒美となったはずだ。

 ライブの後半に差し掛かっても、5人の勢いはとどまることを知らない。「I still love you」「もう一度だけ」「恋ごころ」といったバラードのラッシュはこの季節にふさわしい優しい情緒を謳歌し、シックなジャケットに身を包んでパフォームされた「FAKE ME FAKE ME OUT」では、花村による限界ギリギリのハイトーンボイスが会場を大いに揺らした。そのカップリング曲である「一生のお願い」は、岩岡が率先してレクチャーしたキュートな振り付けで一体感を作り、「TOKI」では再びスクリーンの映像と自らの動きをシンクロさせ、スタイリッシュな空間を強化。ここまで来ると、Da-iCEが築き上げてきたキャリアの多彩さを疑う余地は全くなく、彼らがただのダンスボーカルグループではないことを誰もがまざまざと実感するばかりだった。

 アンコールではMCが始まるやいなや、「6面の人たちがいて、Da-iCEは成り立っている」と、Da-iCEファン=6面への感謝の気持ちを率直に届けたDa-iCE。また、渋谷を拠点に成長してきた彼ららしく、「渋谷の小さな会場から一番大きな会場までみなさんと一緒に歩いて来られて本当に幸せ。今まで関わってきてくれた皆さん一人一人にありがとうを伝えたいのですが、その代わりに、やっぱりこのグループを応援していてよかったなと思えるような瞬間をみなさんにお届けできるように日々活動していくので、これからも応援よろしくお願いします」と、感慨深げに挨拶していたのも印象的だった。10年近くにも渡るDa-iCEのたゆまぬ努力の成果が、今まさに、国立代々木競技場のステージで証明されているーー下手な映画よりもうんとドラマティックなストーリーを自分のことのように噛み締めたのは、きっと筆者だけではないはずだ。

 そんな記念すべき公演の最後を飾ったのは、「Live goes on」。〈終わりのない 夢は醒めないまま続く〉〈楽しさを塗り替えられるように試行錯誤してるから〉など、奇しくも彼らの明るい今後を示すような内容の歌詞を、やはり穏やかな笑顔と砕けたモーションで繋いでいく。その姿は、一つの大きな金字塔を打ち立てたグループらしい充実感に満ち溢れていた。さらなる飛躍を目指すべく、2021年には全国アリーナツアーの開催が決定しているDa-iCE。今回の公演で得た自信と声援を糧に、5人の勇ましい航海はこれからも続いていく。(白原ケンイチ)

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