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劇団EXILEが全員で作り演じる! 最新舞台の裏側をキーマン3人に聞く

ぴあ

19/11/29(金) 7:30

『勇者のために鐘は鳴る』に出演する(左から)鈴木伸之、町田啓太、佐藤寛太

劇団EXILEの現メンバー9名が初めて全員そろって出演し、さらに自ら原案およびプロデュースまで務める舞台『勇者のために鐘は鳴る』が2020年、東京と大阪で幕を開ける。まだ脚本をメンバー間で固めている段階だという10月下旬の某日、鈴木伸之、町田啓太、佐藤寛太という『HiGH&LOW』シリーズの“山王連合会”の同志でもある3名が、現段階での見どころやメンバー間での話し合いの模様などについて語ってくれた。

最初の公演開催の記者発表で「ゲームの世界に入り込んでしまった9人の男たちが、現実の世界に戻ろうと戦う」物語であることは明らかにされていたが、この取材の段階では「物語の大筋の流れが固まってきたところ」(佐藤)であり、「細かいブラッシュアップをしている最中」(鈴木)とのこと。一方で、各メンバーがどの役を演じるかといった振り分けは未定で「そもそも勇者が出てくるのか? 鐘が鳴るかどうかも分からない」(町田)とも……。

こうした、今なお全てが流動的であるのはやはり、既に用意された脚本を上演するのではなく、メンバー9名が常に意見を出し合いながら、進めていることが大きい。

鈴木は普段の“演じる”とは異なる“作る”というプロセスについて「こんなに大変なものなのかと実感しています。スタッフさんの配置だったり、数字とにらめっこしている時間も多いですし、普段、見えない部分が見えてきて、改めて(スタッフの存在が)ありがたいことだなと感じています」と語る。

一堂に会しての話し合いの場を設けることもあれば、メールでメッセージを送り合いながら会議をすることもあるそうで、佐藤は「9人から全く違う意見が出てきたりして(苦笑)、思っていたのと全然違う方向に会議が進んだりするんですが、それが楽しくもあるし、頼もしいなって思っています」と現場の様子を明かす。

町田も「楽しさがありつつ、大変さが大きいです」と苦労をにじませつつ「普段の舞台やドラマではどうしても受け身というか、用意された脚本があり、自分たちで提案できるのはせいぜい役柄についてだけだったりするけど、今回、全てを任せてもらって思っているアイデアをなんでも言えるというのはすごくありがたい環境。だからこそ全員で果敢にチャレンジしていかないといけないと感じています」と言葉に力をこめる。

鈴木が「昔のように直接顔を合わせるよりも、TVの画面を通じてメンバーの顔を見る機会の方が多くなった」と語るように、近年、劇団以外の場でそれぞれのメンバーが活躍する機会が増えた。それは喜ばしいことに違いないが、いち視聴者、観客としてメンバーを見るのではなく、同じ板の上に立ち、役者同士として向き合う機会を持てることは、やはり大きな意味を持つ。町田は「今、脚本づくりの段階でもメンバー同士で“ここはこうした方がよくない?”とか言いながらやってますが、それぞれが外部の作品に出て感じたこと、吸収したことを劇団に持ち帰り、爆発させられると思うし、メンバー同士だからこそ引き出せる部分もあると思う」と期待を口にする。

最年長の37歳の秋山真太郎から最年少23歳の佐藤まで、幅広い個性的な面々が顏をそろえる劇団EXILEだが、鈴木曰く「LDHって上下関係がすごく厳しいイメージがあると思うけど、僕らは全くそれがない」とのこと。この日の取材でも先輩ふたりが熱く語る傍らで、佐藤がマイペースに差し入れのお菓子をほおばり、ツッコミを浴びるなど、やはり他のEXILE TRIBEとはひと味違う、自然体が彼らの魅力なのだろう。

今さらと承知しつつ、互いの印象を尋ねると、鈴木が町田について「時代劇から現代劇まで幅広く活躍してるし、他のメンバーと比べて年上の俳優さん、女優さんと共演する機会が多くて、そういう場でいろんなことを吸収しているのを感じる」と言えば、町田は鈴木が近年、様々な作品で高い評価を受けていることについて「正直、驚きはないしもっとできるでしょ?という感じ」とうなずく。佐藤に関しては鈴木も町田も「人たらし」と口をそろえ「甘え上手の愛されキャラ」(鈴木)、「よそで寛太と共演した人に会うと、好印象の話しか聞かないし、みなさん、寛太とすごく距離が近いのを感じる」(町田)とその人懐っこいキャラクターを称賛。そんな佐藤は先輩ふたりについて「めっちゃ優しいので、思いきり甘えてます」と満面の笑みで語る。

外部作品での“武者修行”で培った技術と経験、そして互いを知り抜いたメンバー同士だからこその信頼が交ざり合い、どのようなコラボレーション、化学変化を壇上で生み出すのか?

『勇者のために鐘は鳴る』
1月24日より東京・TBS赤坂ACTシアターにて、2月13日より大阪・梅田芸術劇場にて上演

取材・文:黒豆直樹 撮影:稲澤朝博

舞台『勇者のために鐘は鳴る』に出演する劇団EXILEの鈴木伸之さん&町田啓太さん&佐藤寛太さんのサイン入りチェキを抽選で2名様にプレゼントします。

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