『PFF・オンライン映画祭~“ひと”が映画をつくる~』特集
【第6夜】『セノーテ』小田香(映画監督)×石川直樹(写真家)
全6夜
第6夜
20/6/30(火)
左:小田香(映画監督)、右:石川直樹(写真家)
PFF・オンライン映画祭のクロージングを飾るのは、PFFが新たな才能に対して創設した第1回大島渚賞を受賞した小田香監督が登場。同賞の審査員長を務めた坂本龍一も絶賛した『セノーテ』を、今年9月の劇場公開に先駆けて特別先行配信上映する。
トークにかけつけるのは写真家の石川直樹。片や映像で、片や写真で世界の果てを撮影するふたりから、果たしてどんな驚きの話が飛び出すか!
※第6夜のトークショーレポートはコチラ
神秘の泉を捉えた小田監督『セノーテ』。世界を旅する写真家・石川直樹との未知なるトークは必聴!
本映画祭を締めくくる第6夜の上映作品『セノーテ』は、私たちを未知の世界へと誘うドキュメンタリーだ。
“セノーテ”とは、メキシコ、ユカタン半島の北部に点在する洞窟内の泉のこと。マヤ文明の時代から、現地の人々に現世と黄泉の世界を結ぶと信じられてきた泉では、かつて雨乞いの儀式のために少女たちが生贄として捧げられたという。この神秘の泉にカメラが入る!
撮影に当たり、小田監督はダイビングを学び、自ら泉に潜っての水中撮影を敢行。生と死の世界が入り混じる泉の奥深く、底へ底へと分け入る。
一方で、現地で出会った人々の表情をポートレイト的に記録。現地の人の声や祭礼での歌声、環境音など、現地の音声を丹念に拾い集める。
これらの映像と音声、そこにマヤ語の詩などを基にしたナレーションが加わり構成された作品は、マヤ文明の歴史からセノーテの存在、そこで生きる人々の過去から現在までの記憶を浮かび上がらせる。ここで示される小田監督ならではとしか言いようのない映像表現は、もう実際に観て体感してもらうほかない。
その小田監督は、1987年生まれのフィルムメーカー。ハンガリーの巨匠として知られるタル・ベーラの下で学び、長編第1作の『鉱 ARAGANE』が世界の映画祭で高い評価を受けた。続く最新長編作品の本作『セノーテ』も、山形国際ドキュメンタリー映画祭、ロッテルダム国際映画祭など名だたる映画祭で上映されている。
去る3月に受賞した大島渚賞は、PFFが新たに創設した映画賞で、かつて大島監督が挑んだように、世界を視野に入れるインターナショナルな若き才能を顕彰するもの。その記念すべき第1回の受賞者となり、小田監督にはさらなる世界での活躍が期待される。
そして今回の映画祭の幕を閉じるトークで、新鋭、小田監督と語り合うのは写真家で作家の石川直樹。2001年、世界七大陸最高峰の登頂を当時最年少で達成した彼は、人類学や民俗学などに関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、精力的に写真集や著書を発表し続けている。まさに小田監督にとっては目標となる作家かもしれない。
自身の好奇心に導かれるまま、どんな未開の地だろうと行ってしまいそうなふたり。未知の領域も体感したことがあるであろうふたりは、どんなエピソードを披露するのか? わくわくしかない!
Text:水上賢治
配信スケジュール
【第1夜】7月4日(土) 21:00~
上映:李相日監督作品『青~chong~』(※PFFアワード2000グランプリ)、『1001のバイオリン』
トーク:李相日(映画監督)×妻夫木聡(俳優)
【第2夜】7月5日(日) 21:00~
上映:市井昌秀監督作品『隼(はやぶさ)』(※PFFアワード2006準グランプリ)
トーク:市井昌秀(映画監督)×眞島秀和(俳優)
【第3夜】7月6日(月) 21:00~
上映:市井昌秀監督作品『無防備』(※PFFアワード2008グランプリ/初配信)
トーク:市井昌秀(映画監督)×MEGUMI(女優)
【第4夜】7月7日(火) 21:00~
上映:山岡信貴監督作品『縄文にハマる人々』
トーク:山岡信貴(映画監督)×片桐仁(芸人・俳優・彫刻家)
【第5夜】7月8日(水) 21:00~
上映:山中瑶子監督作品『あみこ』(※PFFアワード2017観客賞)、『魚座どうし』(※初配信)
トーク:山中瑶子(映画監督)×池松壮亮(俳優)
【第6夜】7月9日(木)21:00~
<プレミア配信>第1回大島渚賞記念 特別先行上映
上映:小田香監督作品『セノーテ』
トーク:小田香(映画監督)×石川直樹(写真家)
※本作は、PIA LIVE STREAM のみでの配信となります
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