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BOYSぴあSelection 第13回 杉野遥亮

杉野遥亮「時代劇の敷居の高さを覆す、若い人でも楽しめる作品」

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特集

19/5/17(金)

『居眠り磐音』はシリーズ累計発行部数2000万部を越える、佐伯泰英の同名小説を原作としたエンタテインメント時代劇だ。
 普段はおっとりとしているが、哀しい過去を背負っている凄腕の剣士・坂崎磐音役をつとめるのは、本作が時代劇初主演となる松坂桃李。そして磐音に想いを寄せる町娘・おこん役に木村文乃、磐音の許嫁・奈緒役に芳根京子を迎え、柄本佑、佐々木蔵之介、奥田瑛二、谷原章介、中村梅雀、柄本明ら実力派俳優が脇を固める。監督は映画『空飛ぶタイヤ』で、重厚な人間ドラマを描いた本木克英、脚本はNHK大河ドラマ『平清盛』などで知られる藤本有紀。平成で1番売れた時代小説が生んだヒーローが、令和の始めにスクリーンに登場する。

 杉野遥亮の演じる河出慎之輔は、物語の全ての始まりといえる哀しい事件の重要人物で、磐音と共に剣を学び、青春時代を過ごした幼馴染のひとり。熱く真っ直ぐな心を持つゆえに、そそのかされて過ちを犯してしまう。
 話題の映画やドラマ、CMなどにひっぱりだこの杉野は、本作が時代劇初挑戦。「時代劇に恩返しがしたい」と語る彼に、本作への想いを訊いた。

時代劇に挑戦させてもらえたことに感謝

─── 杉野さんは、本作が時代劇初挑戦とのことで。

これまで自分がやってきた作品は現代劇、中でも学園ものが多かったので、まったく毛色の違うジャンルが来たことで、「これはチャンスだ」と思いました。
僕の同世代で、このジャンルにチャレンジできる俳優は少ないし、その上、松坂さんや柄本さんと幼馴染の役だなんて、これ以上ない贅沢な話です。どこかから妬まれてもおかしくないくらい(笑)。これは冗談ですけど。本当に感謝しています。

─── 実際に撮影に入ってみて、いかがでしたか?

時代劇における所作や殺陣は、普段から慣れ親しんでいるものではないので、それを自分の中に落としこむのは大変でした。一番最初に、京都で監督と本読み(脚本の読みあわせ)をしたときも、自分の中では不安だったけれど、そういう緊張感を察知したのか、監督から「安心しました」といわれて、そこでこの世界に入るにあたって、僕は安心できたというか。あのときの一言は今でも自分の中で残っています。そういう気遣いはやすらぎだったし、温かく感じました。

─── 杉野さんの演じる慎之輔は、真っ直ぐな心を持っているからこそ、悲しい事件を起こしてしまいます。この時代の倫理観は現代とかなり違う、そこを体現した役のように思います。

この時代の人の欲だったり、強さや弱さは、現代とは直接的にはつながらないかもしれないけど、想像力を働かせて、現代でも通じるポイントを探っていきました。

─── 剣術が幼馴染を繋ぐ重要な要素となっていますが、殺陣も初挑戦とのことで、大変だったと伺っています。

撮影に入る前に、殺陣稽古の機会が一ヶ月くらいあったんです。やっぱり最初は怖くて。剣を握って相手を傷つけるのも怖いし、傷つけられるのも怖い。これまで木刀すら持ったことはなかったので、剣の握り方や「腰を入れる」ということもわからない状況でした。殺陣の中で、カメラの位置やカメラの角度を確認するのが慣れていないので、難しいということもありましたが、感情をどう表現していけばいいのか分からないという悩みもありました。指導をしてくださった、アクションコーディネーターの諸鍛冶裕太さんは、感情の見え方をつけてくださったので、その殺陣がその役の感情をあらわしてくれているんだと教わりました。

─── なるほど。

そして、琴平役の柄本さんと対峙するシーンは、とくに緊張感を持って挑みました。けれど実際現場では、柄本さんに圧倒されたと同時に、すごく助けてもらったように感じました。段取りを決めて、テストをやって、その段階で圧倒されて、本番になると、本当に完璧に引き込まれてしまって……。撮影後に「あれはどういうことなんですか?」とマネージャーに相談してしまいました(笑)。言葉にならない刺激でした。「嘘……」みたいな。

─── 慎之輔は言葉数が多いわけではないですが、本作の中で重要人物といえます。

磐音と琴平、慎之輔の幼馴染のくだりって、短いんですけど、すごく丁寧に作っていただいたというか、それは監督のこだわりがあるんでしょうけど、僕としては感謝しかないですね。「また時代劇に挑戦したい。恩返ししたい」という想いが募りました。

─── 撮影中、松坂さんと柄本さんの3人で過ごすことは多かったと思われますが、何かエピソードはありますか?

柄本さんは好きなYouTuberを教えてくれました(笑)。なんだっけなぁ、おばあちゃんのドッキリのやつで……「すしらーめん りく」だ! その後皆でハマって、松坂さんも、動画を観ていたみたいです。それに、景色綺麗だったな~!

─── 作品の中でも風景は見事でした。

びっくりしました。大分の地というのはもちろんですし、日本にこんな景色が残っているんだと感激しました。そしてクランクインしてから、やたら雨が多かったんですけど、九州であの時期に雨が降ることは滅多にないといわれ、僕は松坂さんが雨男のせいだと思っていたんですが、マネージャーさんからは僕のせいだと(笑)。でも、松坂さんもクランクインとか大事な日はいつも雨らしいので(笑)。

─── そして杉野さんといえば、Twitterが面白いと評判です。

そうなんですか? デビューして、Twitterを始めた時に、一日一回は自分の言葉でつぶやくことは決めていました。それはずっと続けていたいし、自分のひとつの糧でもありますね。

─── パーソナルな部分が見えるのが、魅力につながっているのだと思います。

でも、それが影響してか、ファンの方にも「杉野」って呼び捨てにされるんですよ(笑)。

─── 親しみやすいということなんでしょうね。最後に、「ぴあ」アプリ読者に向けて、本作の魅力について、一言お願いします。

この作品に出演するまで、正直僕自身も「時代劇って敷居が高いのかな」という先入観を持っていました。けれど、その印象は見事に覆りました。この作品は、時代劇の醍醐味でもある勧善懲悪の物語で、「めちゃくちゃおもしろいじゃん!」と、気持ちよく映画を観終えることができました。まだ、23歳の僕が素直に楽しめたということは、僕のことを応援してくれている方にも、この面白さは、共有できるんじゃないかなと思うんです。それに、一度見ると、きっともう一度観たくなるんですよ。心にひっかかるというか、違う感じ方が出来る作品になっていると思います。

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応募の方法はこちらから

『居眠り磐音』公式サイト

撮影/高橋那月、取材・文/藤谷千明

5月17日(金)全国ロードショー
(C)2019「居眠り磐音」製作委員会

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