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井上拓哉、『おちょやん』で愛されキャラを好演 福助のトランペットに込められたもの

リアルサウンド

21/3/29(月) 6:00

 『おちょやん』(NHK総合)第17週目「うちの守りたかった家庭劇」では、「福富」の福助(井上拓哉)に赤紙が届き召集されることになってしまうようだ。

 井上は本作が朝ドラ出演5作品目。『あさが来た』『べっぴんさん』『わろてんか』『まんぷく』と4年連続での出演を果たしているが、これまでの短期間での出演に比べ本作では長期間にわたり、福助が10代から大人になり歳を重ねていく様子を見せてくれている。

 福助といえば、子どもの頃からトランペットに夢中で、最初はプス〜ッとしか音が出なかったのにそこからみるみるうちに上達し、今の妻・みつえ(東野絢香)との恋が成就するきっかけにもなった。

 実は、この福助のトランペット演奏シーンは実際に井上が演奏しているというから驚きだ。しかも、これまで楽器をやったことは一切なく、なんと5カ月間毎日練習しているようで、ある意味役づくりよりも大変だったそうだ(参考:井上拓哉、『おちょやん』福助との共通点を語る 「ダメっぷりは自分にも似ている(笑)」)。実際その腕前は『土曜スタジオパーク』(NHK総合系)の主人公・千代演じる杉咲花と夫役の成田凌出演回でサプライズゲストとして登場した際に、生放送でも披露されていた。突然の生演奏に、杉咲が涙する様子も流れていたが、なんだかこの涙も今回の第17週の展開と関係があるのかもしれないと思ってしまう。

 福助役では丸メガネをかけ、見るからに“ボンボン”といった風情で、母親の菊(いしのようこ)や妻・みつえを前に何も言い返せず、普段は頼りにならないが、なんだかいつも飄々としていてどこか憎めず、そして落ち込むみつえを橋の上でトランペットを吹いて励ましたように“決める時は決める”愛されキャラを好演している。また、なんだか頼りないキャラの福助が、夫となり父となり徐々に芽生えているのであろう責任感や我が子を慈しむ気持ちなどの変化も、とても自然な形で見せてくれている。

 もう1つ、視聴者を驚かせているのは、『ごごナマ』(NHK総合)などで見せたメガネなしの彼の素顔である。作中の丸メガネを外せば、そこには一気に今をときめくイケメン顔が現れるわけだが、それもそのはず。井上は、瀬戸康史や志尊淳、山田裕貴らを輩出した俳優集団・D-BOYSの関西版として2012年に発足した劇団Patch所属しているのだ。

 出征する前に福助がトランペットを演奏するシーンがあるようだが、最後になるかもしれない演奏で一体どんな音色を響かせてくれるのか。千代や一平に、妻・みつえや息子の一福のことを頼むと託す、いつの間にか大きくなった福助の“父親の背中”を井上がどう見せてくれるのか、胸が押しつぶされそうになりながらも見守りたい。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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