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鈴木達央、OLDCODEXで培われたシンガーとしての実力 『魔王学院の不適合者』「正解不正解」メインボーカルVer.も話題に

リアルサウンド

20/7/31(金) 6:00

 2005年に「Just a Survivor」で歌手デビューを果たしてから、今年で15年。声優としての確固たる地位を築きつつ、アーティストとしても精力的に活動し続けてきた鈴木達央。どちらも貪欲にこなしていくことで、その実力は絶え間なく磨かれている。

 鈴木達央の声質は、どちらかといえばワイルドで男らしいイメージが強い。『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの黒崎蘭丸などは、いかにも「らしい」キャラクターと言えるだろう。

 だが改めて彼の代表作を見渡してみると、その役柄は想像以上に幅広い。例えば、『Free!』シリーズの橘真琴は物腰柔らかなお兄ちゃん、『黒子のバスケ』シリーズの高尾和成はコミュ力の高いムードメーカー、『黒執事』シリーズのドルイット子爵はクセの強い変人ナルシストーー鈴木達央の配役と知ると一瞬意外にも思うが、いざキャラクターが喋っているのを聞けば、どれもハマり役だと感じさせる説得力がある。

 キャラクターソングでも、キャラの声音やテンションを維持した歌唱をしているのが見事だ。「エース様に万歳」は高尾和成のおちゃらけた性格が出ているし、「未来へのストローク」では橘真琴の優しげな雰囲気を感じることができる。鈴木達央本人も、常にものおじせず振り切ったふるまいを見せてくれるのが魅力だが、その持ち味も存分に発揮されていると言っていいだろう。

OLDCODEX『Core Fade』

 声優として変幻自在な演じ分けを見せる一方で、Ta_2としてボーカルを務めるOLDCODEXでは、自身がやりたいことに向けて武骨に突き進む。『黒子のバスケ』第1期2クール目エンディングテーマとなった「カタルリズム」や、『Free!』第1期オープニングテーマ「Rage on」は、Ta_2の骨太な声を活かしたOLDCODEXど真ん中の力強いラウドロック。あえて「主題歌らしさ」を避けたという『ULTRAMAN』の主題歌「Core Fade」は、EDM的な要素なども加えた今までにないミクスチャーなサウンドに。そこには、OLDCODEXとして数々のライブやタイアップをこなし、新たな表現を貪欲に模索し続けてきたことがうかがえる。

[Official Video]OLDCODEX – CATALRHYTHM – カタルリズム
[Official Video] OLDCODEX – Rage on –
[Official Video] OLDCODEX – Core Fade –

 そして、現在放送中のアニメ『魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』では、主人公アノス・ヴォルディゴードを演じている鈴木達央。第4話では、CIVILIANが歌うオープニングテーマ「正解不正解」のメインボーカルを鈴木達央が務めるスペシャルバージョンが放送され、話題となった。転生した「暴虐の魔王」アノスの傲岸不遜さと、OLDCODEXで培われた歌手としての実力がいかんなく発揮されたその歌唱からは、鈴木達央のこれまでの歴史が結晶のように詰まっているのを感じることができる。

 声優とアーティストの両輪で突き進んでいく鈴木達央は、これからも止まることなく進化し続けるのだろう。

■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。
Twitter(@erio0129

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