Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

北川景子、結婚後は役柄に広がりも? 『フェイクニュース』など“出会い”に恵まれた2018年の活躍

リアルサウンド

18/12/29(土) 6:00

 2018年、公開映画が3本、放送されたドラマが3本とメディア露出が多かった女優・北川景子。自身初となるNHKの大河ドラマ『西郷どん』では、これまで数々の女優が演じてきた天璋院篤姫を堂々と演じたのをはじめ、『フェイクニュース』(NHK)などの社会派ドラマや『スマホを落としただけなのに』などのエンターテインメント作品、さらには石井岳龍監督の映画『パンク侍、斬られて候』では、エキセントリックな役柄も務めるなど内容も非常に濃い。インタビュー時には「とても充実した1年だった」と語っていた北川の2018年を振り返ってみたい。

【写真】謎の女・ろんを演じた北川景子

 北川の2018年のスタートは、『西郷どん』で演じた天璋院篤姫。登場回数こそそれほど多くはなかったが、幕末期の歴史を語るうえでは、欠かせない重要人物だ。過去には、2008年NHKの大河ドラマ『篤姫』で宮崎あおいが主演を務めたほか、錚々たる女優が演じてきた役。北川自身も取材では「うまくいくのかな」と不安に思う部分もあったとオファーを受けたときのことを述懐していたが、飛び飛びの出演回のなか、島津本家の養女から、徳川13代将軍家定の御台所となり、江戸城無血開城に至るまでの立場の変化を凛とした佇まいで演じ切った。

 この作品で北川は、大河ドラマという伝統と格式がある撮影現場を経験できたこと、さらに撮影期間が空くなか、他の現場の撮影を行いつつも、いつ呼ばれてもいいように年間を通して“篤姫”という人物に向き合うという経験ができたことを収穫として挙げていた。

 6月に公開された石井岳龍監督がメガホンをとった『パンク侍、斬られて候』では、エキセントリックな登場人物がひしめくなか、北川はシュールな謎の女・ろんを、ある意味淡々と演じ切った。これまでメジャー系作品への出演が多い印象が強かった北川が、石井監督の世界観にピッタリとはまっており、新たな広がりを感じさせる作品だった。本人もオファーを受けたときは「驚いた」とインタビューで語っていたが、役柄のふり幅を広げるという意味では、非常に意義のある作品になったと言えるだろう。

 さらに北川は「これまであまり挑戦する機会がなかった」という社会派作品への参加も、2018年の大きな出来事だったと振り返っていた。9月に放送されたドラマスペシャル『指定弁護士』(テレビ朝日系)や、『フェイクニュース』がそれにあたるだろう。『指定弁護士』では、ある代議士の収賄事件の指定弁護士を引き受ける女性を、『フェイクニュース』では、大手新聞社からネットニュースメディアに出向になった記者を演じた。どちらも“社会正義とは”というテーマに、もがき葛藤する人物を正面からストレートに演じた。

 北川はインタビューで「30歳前後に結婚したあたりから、声をかけていただける役の幅が広がってきた」と語ったが、その言葉通り、ここ数年は、多岐にわたるジャンルで、さまざまな顔を見せており、女優としての評価も多面的になってきた。北川自身も“北川景子”という人物としてではなく、役柄として認識されることが女優にとって大切だと語っている。その意味では、2018年に公開およびオンエアされた作品で演じたキャラクターは、どれも劇中内での印象が強く、北川にとっては理想的な役との出会いだったのかもしれない。

 2019年は、2016年に主演を務めた連続ドラマ『家売るオンナ』(日本テレビ系)の続編となる『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)からスタートする。「家を売ること」に執着する主人公・三軒屋万智は、無表情で機械的でありながら、ここ一番では感情を爆発させるなど、北川の新たな一面を感じさせるキャラクターだった。多忙だったという2018年を乗り切り、一回りも二回りも成長した北川が、本作でどんなキャラクター造形を見せてくれるのか、いまから楽しみでならない。

(磯部正和)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む