第二次大戦下のソ連とドイツの戦いを舞台にしながら、まるで爽やかなスポーツ映画を観ているような作品。ロシア軍の新米士官イヴシュキンは戦車の指揮官。初めて出撃した前線でナチスドイツの大軍といきなりの接戦を演じる。だが惜しくも負けて捕虜となった彼はそののち、この激突での好敵手だったドイツ軍のイェーガーと、収容所での戦車戦演習で再戦することとなる。イヴシュキンとその戦車仲間たちの、優秀でさっぱりとした気質のキャラ設定がいい。テイストが近いのは岡本喜八監督の『独立愚連隊』シリーズだろう。足を引っ張る者もいないし、ライバルもお互いに力量を認め合うフェアな相手であるのが、とても清々しい気持ちで観られる、好印象の戦争映画だ。