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久保田紗友×萩原利久×神尾楓珠が語る、ドラマ『鈍色の箱の中で』での関係性とそれぞれの恋愛観

リアルサウンド

20/2/8(土) 10:00

 ドラマ『鈍色の箱の中で』(テレビ朝日系)が2月8日深夜3時からスタートする。

参考:『鈍色の箱の中で』キャスト発表 久保田紗友、萩原利久、神尾楓珠、岡本夏美、望月歩が全員片思い

 本作は、分譲マンション(鈍色の箱)を舞台に、幼なじみの高校生たちの初恋を描く切なくも危険な偏愛ラブストーリー。マンションに住む桜井美羽(久保田紗友)、辻内基秋(萩原利久)、真田利津(神尾楓珠)、高鳥あおい(岡本夏美)、庄司悟(望月歩)は、幼少期からいつも一緒に遊んでいた幼なじみだ。5人は同じ高校に通っていて接点は多いものの、その関係性は時を経て変化していき、今ではそれぞれが微妙な距離を感じながら暮らしている。

 基秋に一途な思いを抱きながらも、あと一歩が踏み出せずにいる美羽。そんな美羽の想いに気づかず、あくまで幼なじみとして接する基秋。表面上は良き友人を演じながらも、美羽への劣等感や嫉妬心からいら立ちを募らせているあおい。その気持ちを受け止め、あおいと付き合っている悟。そして、そんな4人の関係を「馴れ合い」だと批判し、一人距離を置いている利津。5人の思いが交錯する中、美羽が、学校一のモテ男・バスケ部の先輩(宇佐卓真)から告白を受けることで物語は動き出す。

 今回、幼なじみの高校生という関係性を築いた久保田紗友、萩原利久、神尾楓珠を招き、鼎談を開催。それぞれの恋愛観から役者としての心構えまで幅広く話を聞いた。

■3人それぞれの片思いについての印象
――自分の役柄について、どう捉えていますか?

久保田紗友(以下、久保田):美羽は好きなことに対して一生懸命で、そのためならなんでもできる愛情深い子。愛情の中で育てられたからこそ、自分のことが好きだからこそ、周りのことも愛せるんだなと思いました。

萩原利久(以下、萩原):基秋は難しかったですね。掴めないというか、実際、これだ! という共通点がなかったので、基秋という人物を自分とは別の場所に作って、それを演じるような感覚に近かった……と今日の今日まで思っていたんですけど、さっき(神尾)楓珠から「基秋の鈍さとお前の鈍さは似てる」と言われて。もしかしたら、とんでもない共通点があったのかもしれません(笑)。

神尾楓珠(以下、神尾):基秋役に違和感なかったもん。「難しい」とか「シンクロしない」とか言ってたけど、「いや、まんまじゃない?」って(笑)。

萩原:自分では、なかなか鈍いところが共通点だって思わないよ(笑)。でも自分の気づかないところで、このままで基秋だったのかもしれないと思ったら、急にドキドキしてきました。

神尾:僕は利津に、原作を読んだ時にシンパシーを感じました。周りとちょっと距離を置いていたり、愛されたい願望があるけど、それがうまく伝えられないところも似てるなと思ったので、すんなり役に入れましたね。

――登場人物で、好きなタイプは?

久保田:タイプというか、一番近づきやすいのは悟ですかね。

萩原:タイプではないけど、2人(美羽とあおい)とも一途なところがいいですよね。強いて言うなら、あおいちゃんはケンカしちゃいそうでちょっと怖い。ケンカが苦手で、言い争うと負けちゃうので(笑)。

神尾:美羽だったら純粋な恋愛ができそうだし、あおいだったら友達みたいな感覚で楽しめそう。どっちもアリですね(笑)。女性目線だと、基秋と悟はナシだから……利津です!

――物語では登場人物が恋に落ちる瞬間が描かれますが、ご自身がドキッとする瞬間は?

久保田:何かに打ち込んでいる姿が好きですね。スポーツでもお仕事でも何でもいいんですけど、真剣に頑張っている姿はかっこいいと思います。

萩原:ちょっとドキッとするのは、急に下の名前を呼ばれた時。それまで普通に話していたのに、ふとしたタイミングで呼び方が変わったりすると「おっ!」って。無反応を装いますけど(笑)。

久保田:それ、わかるかも。

神尾:僕は集合写真とか、記念写真の時に笑顔の人。

久保田:だいたい、みんな笑顔じゃない?(笑)。

神尾:ううん、作り笑顔じゃないやつ。自然な笑顔が出せる人ってすごいなと思います。

萩原:じゃあ、写真の中に5、6人、その顔をしてる人がいたらどうすんの?

神尾:いやいや(笑)。ドキッとするっていうか、そういう人っていいなぁと思うわけ!

――なるほど(笑)。登場人物たちはそれぞれ片思いをしていますが、“片思い”についてはどう思いますか?

久保田:私は一番楽しめる時なんじゃないかと思います。

神尾:僕は煩わしくて無理。

萩原:僕も無理だな~。

久保田:相手がこっちを向いていないから、些細なことでキュンとできるんですよ?

神尾:(首をかしげつつ)男女の違いかなぁ(笑)。僕は駆け引きができなくて、好きになったらすぐ言っちゃう。そこで付き合う、付き合わないではなくて、こっちが好きだっていうことをわかった上で過ごして、どうするかを決めてほしい。早くシロクロ付けたいので、恋愛対象として見ていることを先に知らせておきたいです。

萩原:わかる。僕も、鈍いから駆け引きできないし(笑)。

神尾:(笑)。でも、自分は片思い苦手なくせに、片思いしている人を見ると素敵だなって思います。

久保田:そうなんだぁ……私は逆だな。

萩原:逆っ!?

久保田:片思いしている人を見ると、早く伝えたらいいのになって思っちゃいます。

――では、実らない恋だと知ったら、すぐに身を引きますか?

神尾:ハッキリ言われたら諦めます。

萩原:片思いの期間が長くても仕方ないので、早めに結論は出したいですね。

久保田:私も恋愛に限らずですがすぐに言っちゃうタイプだから、ダメでも片思いを楽しむと思います(笑)。

神尾:何年も片思いできるってこと?

久保田:うん、できる。

神尾:やっぱり、わからないなぁ(笑)。

■同世代役者としてのそれぞれの評価は?
――みなさん同世代ですが、お互い役者としての魅力はどこにあると思いますか? まずは神尾さんから。

萩原:対応力がすごく高いと思います。言われたことに対する瞬発力とか修正力がすごいんですよね。監督やキャストが持ってきたものがちょっとズレていた時にも、本番中に修正ができるというか。

久保田:うん、監督が言ったことを察知するのがすごく早い。

萩原:たぶん頭がいいんですよ。

――続いて久保田さんは?

神尾:役者って、人ぞれぞれ芝居のテイストが違うじゃないですか。今回は主役だからみんなと掛け合いがある中で、テイストをその時々で合わせてくれている感じがしました。

萩原:僕は引っ張ってもらいっぱなしでした。基秋に関しては本当に自信がなくて、本番に入る直前までやばいなと思っていて。現場に入ってから、美羽との芝居の中で基秋を作っていったんです。基秋は受け身の立場だったので、美羽がずっと発信し続けてくれたことで助けられたし、ありがたかったですね。

神尾:たしかに、引っ張る力はあると思う。

久保田:意外でした。ありがとうございます!

神尾:意外!?

萩原:そのまんまだと思うよ(笑)。

――では、萩原さんについてお願いします。

神尾:存在感がズルい。纏っている空気感とかが、ズルイいですよね。それに加えて、この声もズルい。

久保田:たしかに、声がすごくいいですよね。

萩原:ありがとうございます(照)。

神尾:何をしても自然に見えるんですよ。

萩原:今回は相手から来たものをちゃんと捉えたくて、受けることを意識してやっていたので、そのせいかなと思いますけどね。

久保田:そうおっしゃいますけど、「どこでスイッチを入れているんだろう?」って思うくらいの集中力で、すごいなと。いつスイッチを入れられていたんですか?(笑)。

萩原:「本番っ!」じゃない? 僕は集中力が長く続かない人だから、こまめにオンオフを繰り返すというか。使える集中力のキャパが決まっているので、一日のうちにどこで使うかを考えて、極力本番以外はオフっていました。

――ちなみに久保田さん、神尾さんのオンオフは?

久保田:私は未だに掴めていないんです、自分のスイッチがどこにあるのか。

神尾:僕は完全に「カチンッ!」です。本番にならないと、最後のスイッチまでは入らない。リハーサルでも本気でやっているつもりだけど、本番になるとより力が出るっていうのはありますね。

■神尾「高校生のドロドロしたドラマってあまりない」
――本作は、深夜3時放送のドラマというのも斬新です。

久保田:深夜3時だからこそ、できる内容がたくさんありますよね。

神尾:深夜3時にドラマってやってるんだとビックリしました(笑)。こないだ3時まで起きてみたら、めちゃくちゃ眠くて。その中で、あのドラマが流れていてもキツいなって思いました。ドロドロしていて軽く観られるドラマじゃないから、大変だなと(笑)。

久保田:深夜3時のテンションだから観れるんですよ。眠いとかの問題じゃないですよ!

神尾:キスシーンを観て、俺もキスしたいなって思うかもしれないですもんね!

久保田:……挽回できてない!(笑)

――登場人物のやり取りをSNSで発信するといった新たな試みもありますが、ふだんSNSでご自身のことを調べますか?

神尾:チェックしますよ。良い反応は嬉しいですし、悪いことを書かれていたら受け付けないです(笑)。そんなことを言っているのは70億人のうちのひとりですからね、気にしません。

萩原:僕も見ますね。単純に、作品を観ている人がどんな感想を持っているか知れますし、SNSには本音で意見を出していらっしゃる人が多いと思うので、おもしろいというか興味があります。だから自分のことより、作品について調べるほうが多いですね。

久保田・神尾:うん、そうだね!

萩原:良い意見は嬉しいし、よかったなと思うけど、悪い意見はモノによります。悪いと言いつつ納得できるものもあるので。

神尾:わかる。筋が通ってる意見はいいよね。

萩原:そう。中身がない、ただの悪口みたいなものはスルーです(笑)。

――メンタルが強いですね。

久保田:そうじゃないとやっていけないです(笑)

萩原・神尾:(ハモりながら)へ~え!

――(笑)。最後に、改めてドラマの見どころをお願いします。

久保田:あらすじを聞いただけでは、どういう物語なんだろうと思う方もいるかもしれませんが、人生で経験する繊細な感情がたくさん描かれているドラマです。それぞれのキャラクターに、今までの自分の感情を重ね合わせて観ていただけたらと思っています。

萩原:キスシーンが何よりも見どころではありますが、高校生のドロドロしたドラマってあまりないし、僕らや、僕らの下の世代でも共感できるところがあると思う。新しいドロドロドラマというか、新鮮なドラマになっているんじゃないかと思います。

神尾:こういう狭い世界で起きる出来事って、幼なじみの中とか、高校の中とか、実はいろんなところで起きていると思うんですよ。若い時は、誰もが登場人物たちのような感情になっていると思うので、共感してほしい。みんな真っ当な感情で生きているので、その辺りをちゃんと観てもらえたら嬉しいです。

(取材・文=nakamura omame)

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