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嵐 大野智の生まれた日に振り返る、充実したこの一年 歳を重ねるごとに増す、自然体な魅力について

リアルサウンド

20/11/26(木) 6:00

 もはやファンの間でも恒例となった「お母さんいつも産んでくれてありがとう」の一言と、笑顔が見られるであろう日を迎えた。言わずと知れた嵐のリーダー・大野智の40回目の誕生日。今年も世界が「産んでくれてありがとう」「生まれてくれてありがとう」の声で埋め尽くされる1日だ。

 そんな彼の記念すべき日に即して、今日までの彼の一年間の活動を振り返るとともに、改めてその魅力について語らせてもらいたい。

 39歳を過ごしたこの一年の大野を語る上で欠かすことのできない大きなキーワードは、やはり「ソロキャンプ」と「個展(=『FREESTYLE 2020』)」ではないだろうか。レギュラー番組『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)での企画にて、キャンパーとして再注目されている芸人・ヒロシとの共演がきっかけでソロキャンプの魅力に目覚めたという大野。以前から釣りが趣味と公言していることからも伝わってくるように、一人で黙々と自然に向き合う時間を好むであろう彼にとって、フィールドは違えど、同じように自然と一対一で向き合うソロキャンプはうってつけの趣味だったのではないだろうか。

 もともと筆者は、彼の泰然自若とした魅力を支える一因はこの「自然との共存」にあると強く感じていた。いつも自然体で、ハプニングやドッキリにも動じることなく、どっしりと構えたおおらかな空気を常に纏っていることが、彼の大きな魅力であり、嵐のリーダーとしての資質も示しているように感じていた。そして、それを支えるのはやはり、このようなアウトドアを通じて「本物の自然」の中に身を置き、人知の及ばない世界と対話することが大きな核になっているのではないだろうか、と。彼の新たな趣味、ソロキャンプは、彼が本来備えていたその魅力を、さらに増大させ、味わい深く醸し出すためにふさわしいきっかけだったように思う。

 それと同時に、クリエイティブな面も、今回で実に3回目の個展となる『FREESTYLE 2020』で、余すところなく発揮されていた。アートに詳しくない筆者の語彙力では説明し尽くせないのが大変悔しいところだが、彼の中に詰まった宇宙の一端が色や形となって世界に顕現されたかのような、不思議なパワーを放つ作品群が並ぶ個展であった。

 『FREESTYLE 2020』のタイトル通り、とにかく自由な発想で作られていることがビシバシ伝わってくる作品が印象的だ。彼の作風を代表する黒人をモチーフにしたモニュメントのように具体性を持った作品もあれば、ただ平面をさまざまな線が埋め尽くす抽象的な表現もあり、その手法も立体・平面を問わず、最終的には身体・映像までも作品として扱うなど、とにかく一つ一つに「作りたい」「表現したい」という衝動が詰め込まれていた。

 さらに彼らしくユニークなところが、この個展のお土産として、オリジナルのカレーレシピを用いた「智のカレーパン」を販売することで、幼少期からの夢だった「パン屋になる夢」を見事叶えた、というエピソードだ。個展の物販として「カレーパン」というのは、なかなかすぐに思い浮かぶ発想ではないが、彼にとってはカレーも大きな意味では「作品(創作)」の一つであるからこそ、そのようなアイデアが生まれたのだろう。

 個展、カレー作り、パン屋になる夢。それぞれ独立した要素に見えるものを自由な発想一つで繋げてしまうことこそ、彼の「FREESTYLE」、ひいては「大野智」という人間の大きな魅力の一つであるとも言える。

 そう、彼の魅力はこれら無限に広がる自由な発想が、さながら小宇宙のように渾然一体となり、大野智という形を成しているところにある。たとえばソロキャンプが自然からのインプットであるとするならば、そこで得たエネルギーをアウトプットすることが、数々の作品に繋がっているのではないかと感じる。

 また、そうしたプライベートで得た刺激は、嵐の活動にも反映されている。ソロキャンプはそもそも嵐の仕事の一環として触れたことがきっかけであり、他にも個展を開くかたわら、『アラフェス 2020 at 国立競技場』のための衣装を描き下ろしたりと、仕事から趣味へ、そして趣味から仕事へとシームレスに繋がっている。

 キャンプもアートもカレーも嵐としての活動も、きっとそれぞれが独立して存在するわけではなく、なだらかに混ざり合っては見る角度によって色を変える魅力となっているのだ。そういった複雑な魅力の数々が、決してちぐはぐにならず一人の「とびきり魅力的な人間」として収まっているのは、彼の器の大きさによるものだろう。

 全てを受け止めてなおあまりある余裕、そして心の器があるからこそ、地面に根を下ろした大木のようなあたたかさと力強さを兼ね備えた笑顔に、我々はいつも魅了されてしまうのだ。

 40歳を迎え、すでに惑いを捨て去ったような、海や山のように深く広い魅力を持った彼の、今後の益々の活躍、そして健康を祈念して、ここに新しい歳を祝う祝福の言葉とかえさせていただく。

■佐久良夏生
1988年生まれ。茨城出身。日本の音楽・コミック・サブカルチャーが好きです。

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