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中居正広のスイッチは今も奥にしまわれている 安室奈美恵ベスト盤でうずき出したエンタメへの情熱

リアルサウンド

19/3/20(水) 6:00

 中居正広がラジオ『中居正広 ON & ON AIR』(ニッポン放送)3月16日放送回で、「3年ぶりぐらいにCDを買いました」と明かし、「ものすごい固結びをして、しまっておいたエンターテインメントのスイッチが緩んでしまいそうになった」というトークを繰り広げ、多くのリスナーの心をざわつかせた。

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 中居が購入したCDは2作品。1つ目は、MISIAの『アイノカタチ feat. HIDE (GReeeeN)』だ。これは、中居が昨年10月にMCを務めたテレビ番組『のどじまんTHEワールド!2018秋』(日本テレビ系)にて、優勝したコロンビア代表のアナ・ヴィージャが歌っていた曲。オンエア時、中居がしっかりと歌う姿を見つめていたのが印象的だった。「誰の曲だろうって。いい歌だなぁーって」と、時を経ても心に残っていたことから手にとったという。「平仮名だらけか、カタカナだらけか……」と、タイトルはあやふやだったようだが、聴いてみて「あってたぁー!」と見事に探し当てた喜びを語る。

 そして2つ目の作品は、安室奈美恵のベストアルバム『Finally』だ。3枚あるディスクを見て、1枚目が「往年のヒットソング」、2枚目が「安室ちゃんのやりたかった曲」、3枚目はそれらが「重なったような感じ」と受け取った中居。「僕が個人的に好きなのは2枚目。最高カッコよかった。なんだ、こんなカッコいいのやってたんだ、と思って。グルーヴな感じ、なーんだよ、これ。ソウルな感じとかも、カッコいいじゃん安室ちゃん!」と、改めて平成の歌姫の才能に酔いしれた様子。

 その上で、「3枚目かな。『Hero』って曲あるでしょ? オリンピックの歌かな」と続ける。番組で流れるサビの部分しか知らなかったという中居は、初めて頭から聴いてみたというのだ。「最初の30秒ぐらい聴いて……あ、ヤバいヤバい、変なスイッチ入っちゃった、みたいな。もう一度、ド頭からド頭からみたいな……」と、軽く聴き流せない衝動にかられたという。スローなサビ、スローなAメロ、場面が変わってさらにサビ、そしてポップなAメロ……という独特な曲調に「なんだ!? この曲の構成!」「これどんな感覚で作ってんのかな?」と、前のめりで聴き返している自分にハッとしたと話す。

 この話を始めるとき、中居は「僕、昔、音楽かじった時ありまして」とも語っていた。そんな中居が「俺、固結びして、ギンギンに結んで、もう俺の奥の方にしまって。その扉も、なんか鍵を何重にもしてたのに!」と、封印していた歌や音楽に対する情熱がうずき出したというのだ。

 中居は、後輩グループKis-My-Ft2から派生したユニット・舞祭組をプロデュースしているが、2015年9月9日にSMAPとしてリリースした『Otherside/愛が止まるまでは』を最後に、自ら歌うシングルCDからは離れている。「Otherside」は、中居のソロパートにメンバーが合いの手をいれる形で、一斉に前かがみになる振付が楽しい曲だった。静と動、大人と少年、クールとワチャワチャ……一見、相反するような要素が融合する不思議な感覚が、見るものを惹きつけてやまない1曲だ。

 曲の構成をじっくりと紐解き、どう見せていくのかを考えていく。変わった構成であれば、「どういうこと?」と、グッと引き寄せられる。自分だったら、どんなふうに表現するのかをつい試行錯誤してしまう。そんな中居と音楽と向き合う心が、安室奈美恵の渾身の歌声によって刺激されたのだろう。

 「自分たちでも照らし合わせると……一緒にしちゃいけないんですよ?」と前置きをしながら「『君色思い』って、俺のスローのパターンの始まりなんですよ」と、中居のソロから始まる「君色思い」を連想したという。ちょっとの違和感が、聴き続けることで常識化されていく過程が近いのだとか。これを機に両曲を聞き比べてみてはいかがだろう。

 「でも、さすがだったね。その当時に結んだ、あの結び方は頑丈だったね」。残念ながら、中居の奥にしまったエンターテインメントのスイッチは、完全には紐解かれることはなかったようだ。だが、いつかまたベストなタイミングで、中居自らが歌い、踊る作品を見せてくれることを期待せずにはいられない。中居の中のスイッチは決してなくなったのではなく、今も奥にしまわれているということがわかったのだから。(文=佐藤結衣)

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