上橋菜穂子による小説「鹿の王」のアニメ映画化が決定。アニメーション制作を「攻殻機動隊」「PSYCHO-PASSサイコパス」のProduction I.Gが手がけるとわかった。

「鹿の王」は、2015年度本屋大賞や、第4回日本医療小説大賞を受賞した医療ファンタジー。かつて祖国のために騎士団“独角”の頭として戦っていたものの、岩塩鉱で働く奴隷に身をやつしたヴァンの物語がつづられる。ある夜岩塩鉱で謎の病が発生し、その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を拾う。一方、ある医術士ホッサルは、移住民だけが患うとされる病の治療法を懸命に探していた。感染から生き残った父子と、命を救うため奔走する医師が、過酷な運命に立ち向かうこととなる。

上橋はこの発表にあたり「映画化を打診されたとき、まず出た言葉は、『え？ それは無理でしょう！』でした」と振り返りつつ、「Production I.Gさんが制作なさると聞いて安堵しました。I.Gさんなら原作に囚われ過ぎず、アニメとして面白い映画を創ってくださるでしょう」とコメント。またProduction I.Gの代表・石川光久は「『命をつなぐ』、これは作品のテーマというだけではなく、I.Gの命運をかけた戦いのテーマでもあるのです」と語っている。

上橋菜穂子 コメント

なんと、「鹿の王」が映画になります。
映画化を打診されたとき、まず出た言葉は、「え？ それは無理でしょう！」でした。
「鹿の王」はかなり複雑な物語ですから、一本の映画で描こうとするには内容が難解過ぎるのでは、と思ったのです。
しかし、Production I.Gさんが制作なさると聞いて安堵しました。I.Gさんなら原作に囚われ過ぎず、アニメとして面白い映画を創ってくださるでしょう。
雄大な大自然の中を、飛鹿に跨ったヴァンが駆けていく姿を見られる！
今は、とにかく、それが何より楽しみです。

石川光久 コメント

「鹿の王」を読んだ時、これは「作ってはいけない」作品であると感じました。実は、今でも思っています。
繊細で、奥深く、壮大な世界に宿る“命の物語”を映像で表現するということは、もはや不可能だと感じたからです。
しかし「創る」という人間が現れたのです。『鹿の王』をアニメで表現するという想いのもとに集まったスタッフの顔ぶれは、想像を超え、狂気を感じさせました。
「命をつなぐ」、これは作品のテーマというだけではなく、I.Gの命運をかけた戦いのテーマでもあるのです。

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