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「帰郷」仲代達矢の気迫に常盤貴子が感嘆、緒形直人は「惨敗です」

ナタリー

20/1/17(金) 16:58

「帰郷」初日舞台挨拶の様子。左から杉田成道、常盤貴子、緒形直人。

「帰郷」の初日舞台挨拶が本日1月17日に東京・東劇で行われ、キャストの常盤貴子、緒形直人、監督の杉田成道が登壇した。

本作は藤沢周平の同名小説をもとに、渡世人として生きることを選んだ男の懺悔と贖罪、そして希望を描いた時代劇。30年を経て故郷・木曾福島に帰る主人公・宇之吉を仲代達矢が演じたほか、思い合う男女おくみと源太に常盤と緒形が扮している。テレビドラマ「北の国から」シリーズのディレクターとして知られる杉田は「こんな年寄り同士の殺陣を描いた映画はない。老人の老人による老人のための映画」と紹介し、笑いを誘う。緒形は、自身のデビュー作であり、仲代と共演した「優駿 ORACION」の監督が杉田であったことから「久しぶりに杉田組に帰ってきたことに感慨深いものがありました。僕にとっては本当にかけがえのない場所」と回想した。

現在87歳の仲代。本日は九州での舞台公演のため出席が叶わなかった。現場での仲代を「ものすごい迫力だった」と振り返る常盤は「最初に撮影したのは、ずぶ濡れでボロボロになった宇之吉がおくみを訪ねてくるシーン。スタジオに入って来られたときから、何かにつかまっていないと倒れてしまいそうな弱々しい雰囲気で、お歳もお歳ですから、大丈夫かなとすごく心配していました」と述懐。しかし撮影終了後、エレベーターで元気な仲代を見かけたそうで「あれは演技だったのか!と驚きました。役をまとってスタジオに入ってらっしゃった。気迫が迫ってくるのを初めて体感し、すごくいい経験をさせていただきました」と続けた。

約30年ぶりに仲代と共演した緒形は「ずっと憧れです。俳優としても男としても、とてもかっこいい人。共演は飛び上がるほどうれしかった」とコメント。「ずいぶん間が空いたものですから、この間の成長をどうしても届けたい、今回こそは足を引っ張らずにやり遂げるんだ、という思いでした。しかし、見事惨敗です。また駄目を出されるのは僕だけ(笑)。僕の芝居に何度も付き合っていただいた。ただ今回ご一緒できたことで、階段を1段も2段も上がれた気がしています。次も、ぜひ喰らいついていきたい」と思いの丈を打ち明ける。

藤沢の小説を杉田が映像化するのは「果し合い」「橋ものがたり 小さな橋で」に続いて3度目。杉田は「先生の作品では人間のひだと言いますか、奥深いものが描かれている。この映画には贖罪、許しといったテーマがあります」と明かしながら、宇之吉が祈りのあとに1人で歩くラストシーンに15テイク費やしたことに触れ「毎回、仲代さんに『人はどういうふうに死んでいくんだろう』と問いかけました。羊水に帰るような穏やかな気持ちなのか、悔いのある煩悶の気持ちなのか。実は2日にわたっていろんなパターンをやってもらったけれど、結局わからなかった。最終的には神に祈るように、人は人に祈るのでないか、と考えました。あとは皆さん次第です」と観客に判断を委ねた。

「帰郷」は東劇のほか全国で期間限定上映。また2月8日21時より時代劇専門チャンネルで放送される。

(c)「帰郷」時代劇パートナーズ

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