ブライトバーン/恐怖の拡散者
19/11/15(金)
『ブライトバーン/恐怖の拡散者』 (C)The H Collective
空からの申し子が、もし英雄ではなく邪悪なものだったら?
本作は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ですっかり売れっ子になったジェームズ・ガン監督がプロデューサーを務めたSFホラーだ。
子供を待ち望む若い夫婦の前に墜ちてきた異星人の赤ちゃん。12年後、その子はスーパーパワーを覚醒させるが、皮肉にもそのパワーは怒りや憎悪に支配されることになる。──スーパーマンを彷彿とさせる冒頭にはじまり、青っぽい服に赤いマント、スーパーマンの「S」マークのようなシルエットの「BB」シンボルマーク、まさに思春期を迎えた彼の中にヒーロー願望は確かに存在したに違いない。しかし彼は英雄になり損ねるのだ。反抗期やイジメ、この地球にあるタイミングの悪いものたちに影響されて。
「人間を作り上げるのは環境か遺伝子か」という、長きにわたる問いがある。本作は、この問いに対する挑戦のようにも思える。少年がスクールカーストの上位者であれば、正義の味方になったのだろうか。反抗期じゃなければ善き英雄になったろうか。それとも……? あらゆる「もしも」が多くの物語を生む。
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