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BUCK-TICK、無観客での初の生配信ライヴ「ABRACADABRA LIVE ON THE NET」開催

ぴあ

20/9/23(水) 15:12

田中聖太郎写真事務所

BUCK-TICK22枚目のオリジナルアルバム『ABRACADABRA』リリースを記念して、無観客での初の生配信ライヴ「ABRACADABRA LIVE ON THE NET」が開催された。

新型コロナウイルス感染症拡大にともない、5月・6月に予定していたファンクラブ会員&モバイルサイト会員限定コンサートツアーの開催を延期したBUCK-TICKが、生演奏する姿を見せるのは今年初のこと。しかもリリースしたばかりのアルバム曲が発売当日にライヴ演奏で聴けるのだ。

「ケセラセラ エレジー」のイントロで幕が開くと、軽やかにお辞儀をしてみせる櫻井敦司(vo)。華やかに広がるエレクトロサウンドの中を縫うように走る樋口豊(B)のベースラインが印象的だ。エレガントなハットを被って艶やかな声で歌う櫻井と、中指立てながらコーラスする今井寿(G)との対比や、3度目のAメロでは二人がユニゾンで主メロを歌うなど、この1曲だけですでに見どころ満載。インダストリアルナンバーの「URAHARA-JUKU」は、ヤガミのずっしりとした4つ打ちリズムに樋口のベース、さらには星野英彦(G)のリズムギターも加わり、画面を通しても伝わってくる音の迫力に圧倒される。

「Hello、みなさん元気? 楽しんでください、アブラカダーブラ」。短い櫻井のMCを挟んで、「SOPHIA DREAM」へ。サイケデリックなメロディと、櫻井と今井のツインボーカルが醸し出す独特の浮遊感。「月の沙漠」は、何よりバンドアンサンブルが美しい。「Villain」では、今井が奏でるオリエンタルなメロディと、ヘヴィなデジロックサウンドがゾクゾクさせる。その熱をクールダウンさせたのは「凍える Crystal CUBE ver.」。歌詞をなぞるように表現する櫻井の表情とパフォーマンス、そしてそれに寄り添うバンドサウンドが美しくて優しい。その後、照明の落ちたステージで今井のギターソロが空気を転換すると、昭和歌謡調の「舞夢マイム」へ。そして昭和の空気はそのままに「ダンス天国」へ突入。さらに、ダンサブルになったシングル曲「獣たちの夜 YOW-ROW ver.」「堕天使 YOW-ROW ver.」を披露する。

アルバム『ABRACADABRA』は、音を繋ぎながらメンバー全員で曲順を決めたという作品だからか、こうしてアルバム通りの流れでライヴが構成されていてもストーリー性や緩急の具合がスムーズ。「MOONLIGHT ESCAPE」、「ユリイカ」、「忘却」と続き、アンコールで再びメンバーが登場すると、今井がフロアの撮影を始める。その姿を追って撮影する樋口の様子も、いつものライヴと同じ風景だ。

『ABRACADABRA』の世界観でがっちり固めた本編に続くアンコールは、1996年にリリースしたアルバム『COSMOS』の収録曲「Living on the Net」のアコースティックバージョン。さらにスパニッシュな「Cuba Libre」からインダストリアルロックチューン「ICONOCLASM」、そして“人生は愛と死”と歌う「Memento mori」へ。オーディエンスからのレスポンスを求めるかのように、腕振りや大合唱が必須のナンバーを畳み掛ける。

ラストは、アッパーなロックチューンであり、レクイエムでもある「独壇場Beauty –R.I.P.–」で締めくくった。印象的だったのは、ステージを去る前にフロアに向けてピックを投げるメンバーの姿。オープニングSEの映像や、アンコールでの写真撮影もそうだったが、まるですぐそこにオーディエンスがいるかのような、“いつも通り”のメンバーの立ち居振る舞いが確認できた。

BUCK-TICKが無観客ライヴを行なったのは、1991年の衛星放送以来29年ぶりのこと。それを生配信することも、アルバム通りの曲順のみで本編を構成することも初めての試みとなった。このコロナ禍で配信ライヴも各所様々な創意工夫が見られるが、今回のBUCK-TICKのステージは特異なギミックを使うことなく、シンプルなスタイルで新作の楽曲群を演奏することに徹した。

そして9月26日(土)より全国23会場を巡る「TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN」がスタートする。今回の無観客生配信ライヴがライヴハウスツアーを踏襲したものだとすれば、こちらは今井がインタビューで語っていたように“作り上げる”形のステージで、『ABRACADABRA』の世界観をホールツアーさながらのスケール感で楽しむことができる。

「ABRACADABRA LIVE ON THE NET」
9月21日開催

●セットリスト
SE~PEACE
1. ケセラセラ エレジー
2. URAHARA-JUKU
3. SOPHIA DREAM
4. 月の砂漠
5. Villain
6. 凍える Crystal CUBE ver.
7. 舞夢マイム
8. ダンス天国
9. 獣たちの夜 YOW-ROW ver.
10. 堕天使 YOW-ROW ver.
11. MOONLIGHT ESCAPE
12. ユリイカ
13. 忘却

アンコール
1.Living on the Net (アコースティックver.)
2.Cuba Libre
3.ICONOCLASM
4.Memento mori
5.独壇場Beauty-R.I.P.-

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