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声優 駒田航、活躍の裏に隠された挫折や苦悩ーーあらゆる経験を糧に成長してきた軌跡を辿る

リアルサウンド

20/9/18(金) 6:00

 声優、ナレーター業のかたわら、モデル、カメラマン、筋トレ番組(!?)など、必ずしも声をメインとしないジャンルまで幅広く活動する駒田航。中学2年までドイツで過ごし、英語・ドイツ語・日本語を使いこなすマルチリンガルというプロフィール(『日経エンタテインメント!』2020年10月号より)も独特だ。今年31歳とは思えないほど多くの経験でみっしり詰まった駒田航とは、どのような人物なのだろう?

 まず、声優としての駒田と言えば、その声量だろう。ファンだけでなく駒田本人もよくネタにしているが、彼の声はとにかく大きく、よく通る。駒田の演じる代表的なキャラクターに、『ヒプノシスマイク』の入間銃兎がいる。眼鏡にスーツというインテリなビジュアルだが、その実態は違法捜査もいとわない悪徳警官。〈まぁまぁ 立場ってもんが解ればヨロシイ〉(「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- +」)、〈賄賂ならば戴こう だが出すかどうかは分からんぞ〉(「ベイサイド・スモーキングブルース」)など、インパクト大のパンチラインが駒田ボイスで炸裂するのが圧巻だ。

ヒプノシスマイク -D.R.B.-(MAD TRIGGER CREW)入間銃兎「ベイサイド・スモーキングブルース」

 この声の良さに一役買っているのが、駒田の運動好きな一面だ。ドイツにいた頃はバスケとテニス、帰国してからはバドミントン、高校に入ってからはバレーボールと、常にスポーツと共に過ごしてきた。時間があればスポーツをやっていたい、晴れていたら外に出たいという駒田。運動好きが高じ、ついには『駒田航の筋肉プルプル!!!』という番組を持つに至っている。「筋トレ拡散バラエティ」と銘打たれたこの番組について、「声優のする仕事ではない」と自分で茶化しながらも、ゲストを迎えて一緒に筋トレしたり、先日はバースデー記念番組をジムから生放送するなど、その姿勢は“ガチ”だ。

【筋プル#18】駒田航バースデー記念!~ジムから生放送~

 運動以外の分野でも、そのスタイルの良さを活かしてモデル活動をこなしたり、ウエディング会社で写真のアシスタントをやっていた経験からカメラマンとしても活躍している。ちなみに、ニコ生の冠番組『駒田航のKomastagram』発のフォトブックも11月13日に発売予定だ。

 駒田が声優を志したきっかけは、吹き替え版の『ターミネーター』。それまで映画を吹き替えで観たことがなかったという駒田は、映画を最後まで観た後に「日本語じゃん!」と気づいて衝撃を受け、そこから声優という職業に惹かれたという。冒頭でも触れたように、駒田のルーツはドイツにある。小学4年生から通ったミュンヘンのインターナショナルスクールでは、語学習得に悪戦苦闘。言葉がわからず「アイドンノー」と言うしかなかった日々が、人生最初で最大の挫折だったと語る(『日経エンタテインメント!』2020年10月号より)。言葉の壁で苦労したこの経験は、今の彼のたくましさを育てた一因だろう。

 自分の性格を「果てしなくポジティブ」と称する駒田(参照)。実際、ラジオなどで見せるトークの語り口はいつも堂々としており、リスナーを明るい方へぐいぐい引っ張りだしてくれるような力強さがある。出会いや経験を無駄にはせず、一つ一つを着実に自分のものとして生かしていく駒田。そのバイタリティの高さには、驚かされると同時に背中を押されるような気持ちになる。これからの駒田航がどこで、どのような活躍を見せてくれるのか、予測ができないからこそ楽しみだ。

■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。
Twitter(@erio0129

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